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第1話:降伏勧告に行ったら、最高神(中身ツンデレ)が降臨した
誰かさんのサブアカウント
✩これまでのあらすじ✩
第一話なのでないです!
✩これまでの登場人物✩
めんどいんで省略します!
「我が名はレオン! 帝国第一王子である! 悪あがきは止め、大人しく我が帝国に降伏せよ!」
バァァァン! と激しい音を立てて、レオンは敵国の玉座の間の扉を蹴破った。
漆黒の鎧に身を包み、鋭い眼光で玉座を見据える。
長年争い続けた宿敵の国。
その王が急死したと聞き、一気に決着をつけるべく単身乗り込んできたのだ。
だが、玉座に腰掛けていたのは、およそ王とはかけ離れた少女だった。
自分の頭より二回りは大きな王冠を斜めに被り、手には食べかけのクッキーを持っている。
彼女こそが、昨日女王に即位したばかりの姫、ルルであった。
「あ、いらっしゃい! クッキー食べる?」
「……は?」
レオンの冷徹な威圧感が、一瞬で霧散した。
何を言っているんだこの女は。
こちらは国を潰しに来た侵略者だぞ。
あまりにも教育を施されていないとは聞いていたが、まさかここまでポンコツとは。
「お前、自分が置かれた状況が分かっているのか!? 私はお前の国を——」
「うにゅ……? なんか、頭が痛いのじゃ……」
ルルが突然、小さな頭を押さえてふらりとよろめいた。
手からクッキーが落ち、床で粉々に砕ける。
「おい、どうした!? 毒でも盛られたか——」
レオンが思わず駆け寄ろうとした、その瞬間。
ルルの全身から、この世のものとは思えないほどの神聖で、かつ禍々しい漆黒のオーラがドッと噴き出した。
王城が、いや、大地そのものがグラグラと激しく揺れ始める。
「な、なんだこのプレッシャーは……っ!?」
「ふぅ……。ようやく表に出られたわい。窮屈な器じゃて」
ルルがゆっくりと顔を上げた。
その瞳は、先ほどまでの眠そうな垂れ目ではない。
黄金色に妖しく輝き、その佇まいは一瞬で「絶対的な強者」のそれへと変貌していた。
ルル(の中の人)は、不敵な笑みを浮かべてレオンを見下ろす。
「我が名はアスモデウス。かつて天界を追われ、ソロモン72柱の魔神を従えし最高神……にして堕神じゃ。帝国の若造よ、よくぞ我が前に現れたな」
「最高神……堕神だと!? お前、あのポンコツ女王の中身はどうした!」
「安心せよ、この器は今、意識の底で盛大に昼寝をしておる。神力が漏れ出ぬよう、たまにこうして我が表に出て調整せねばならんのじゃ。……しかし、お主」
堕神アスモデウスは、じろりとレオンを睨みつけた。
「我が器の国を潰すと言うたな? 愚か者が。今すぐその軍を引き揚げよ。さもなくば、この世界が滅びるぞ」
「脅し文句のスケールが大きすぎるわ! 国の存亡の話をしているんだ!」
「脅しではないわバカ者! 聞け、このポンコツ女王ルルは、生まれつき我が強大すぎる神力を封じ込める『呪いの器』。もし彼女が強い精神的ショックを受けるか、自分が呪われている事実を知って絶望した瞬間——封印が解け、我の神力が暴走して世界は一瞬で吹き飛ぶ。すなわち、
世界滅亡じゃ!」
「……は?」
レオンは耳を疑った。世界滅亡のトリガーが、あのクッキーを食べていたポンコツ女王のメンタルだって!?
「じゃ、じゃあ、お前を今ここで俺が斬れば……」
「無駄じゃ。我を斬れば器も死ぬ。器が死ねば封印が解ける。つまり世界滅亡じゃな」
「詰んでるじゃないか! どうすればいいんだ!」
頭を抱えるレオンに、堕神は「フッ」と不敵に鼻で笑った。
「解決策は一つ。このルルの心を常に幸福で満たし、精神を絶対安定に保つことじゃ。具体的には……お主がこの娘の恋人となり、全力で【恋愛】をして甘やかし続けよ!」
「はあああああ!? 敵国の女王と恋に落ちろだと!? 俺は恋愛経験ゼロだぞ!」
「我とて知らんわ! ソロモンの魔神どもに知恵を借りるなりして、死ぬ気でこの娘を口説き落とせ!」
あまりの理不尽な命令に、レオンは一歩、堕神に詰め寄った。
その拍子に、レオンの大きな手が、無意識にルル(中身:堕神)の肩をガシッと掴んでしまう。
「ふざけるな! そんなワンオペ恋愛シミュレーションで世界が救えるか! 大体、お前は神なんだろ、なんとかしろ!」
「なっ……!?」
至近距離でレオンに凄まれ、手を掴まれた瞬間。
さっきまで威風堂々としていた堕神の顔が、一瞬でリンゴのように真っ赤に染まった。
「お、お主……何を、不敬なことをしておるかバカ者! 我の体に気安く触るな!」
「あ、すまん……いや、お前の体じゃなくてルルの体だろ」
「お、同じじゃわい! 我はお主など……っ、お主のそういう無駄に熱い目で見つめられるのなど、これっぽっちも、断じて、1ミリも良いなどと思っておらんのじゃからなーーー!」
「誰もそんなこと言ってないだろ! なんでお前が照れてるんだよ!」
激しく動揺した堕神の背後で、再び城がギギギと不穏な音を立てて揺れ始める。
『お、おいレオン王子! 主様(のじゃ様)をそれ以上ドキドキさせるな! 世界がヤバい!』
『女心を分からぬ愚か者め、ここは壁ドンだ! 壁ドンをするのだ!』
「うわあああ!? なんか俺の脳内に直接、物騒な悪魔どもの声まで聞こえてきたぞ!?」
「もう限界じゃ、我が神力が漏れる……! あとは頼んだぞ、レオン……っ!」
ガクッ、とルルの身体から力が抜けた。
レオンが慌ててその身体を抱きとめると、オーラは消え、世界全体の揺れもピタリと収まる。
「うにゅ……? あれ、レオン? 抱っこしてくれてるの? えへへ、あったかーい」
数秒前までの威圧感はどこへやら。
ルルの瞳はいつものぽやぽやした垂れ目に戻っており、レオンの胸に無邪気に顔をうずめてきた。
「……まじかよ」
腕の中の純粋無垢なポンコツ女王。
そして、脳内で『ふ、ふん、勘違いするなよ……』とまだ顔を真っ赤にしてブツブツ言っているツンデレ堕神の声。
こうして、冷酷王子レオンの、世界を救うための命懸けの「ワンオペ二股(※中身は一人)接待ラブコメ」が、最悪の形で幕を開けたのだった。
カオスすぎて草生えそう(?)
あ、まえがきが雑なのはお気になさらず⋯⋯。
てか本垢より最近活動活発になってて気まずいなぁ⋯⋯。
本垢より投稿数は少ないけど⋯⋯
うん
では!