何もない毎日に突然運命の相手、、、、、庶民飯、現る!?
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目次
第1話 魔王様、大脱走!?
魔王様、城を捨てて庶民飯食べ歩き 第1話
はーあ、、、つまんない。本当につまんない。
玉座にただ座るだけの毎日。飽きてきたのは今日からじゃない。ずっと、ずっと前からだ。
でも今日は違う。逃げるのだ。密かに20年前から計画を練っていたのだ。
「魔王様、勉強のお時間ですよ。」
「はいはい。それより私のインクを補充してきてくれない?」
---
執事を部屋から追い出し、準備完了。
「ダメって言われてるけど、、、いいよね、、、!」
得意の魔法で窓のガラスを割る。破壊魔法は特に得意だ。
ガシャン、と派手な音を立ててしまった。まぁ、うちの執事ならなんとかしてくれるだろう。
使い慣れない浮遊魔法で庭まで降りる。降りた先にはお父様の残した石板、、、異世界転移の石板があった。20年間、使い方も用途も分からない0のところからこの石板の研究を一人でしてきた。手には研究成果の分厚いノート。
石板にうっすら残った魔法陣の真ん中を踏む。たちまち石板がぐにゃりと曲がり、私を飲み込む。完全に飲み込まれる直前に執事の声が聞こえたような、、、?
第二話 魔王様、美味しいですか?
魔王様、城を捨てて庶民飯食べ歩き 第2話
魔王城から脱走した魔王様。転移した先は、、、?
な、なによここ、、、人が多いわ。
きらきらと光る提灯に、子供たちの笑い声、市場の様に店を構えている人間。そしてそこに群がる人間、人間、人間、、、、、一人は袋に魚を入れて喜んでいる
「もう!なんなのよ!」
そう叫んで周りが一瞬こちらを見たけど、すぐに店に視線を戻す。冷たい人間ね。
そう思ってたら小さな女の子がこちらに駆け寄って来た。
「おねえちゃん、だいじょうぶー?」
「お、お、おねえちゃん!?私は魔王よ!」
不思議そうに見つめてくる。それにしても私をおねえちゃんだなんて。失礼な!
「からあげ、いっこあーげーる!」
差し出されたのは棒についた肉の塊。食事には興味ないわ。だけど、、、
パクっとそのまま口に入れる。その瞬間、口に広がる香辛料と、油と塩の味。それだけなのに。初めて食べるまともな味のあるものだった。
魔界では食事など栄養補給に過ぎない。それに肉など魔物の食べ物だ。
なのに、なのにこれはぁっ、、、!
「おねえちゃんどうしたの?」
「べ、べつになんともないわ!それより、ここは何なの?」
案外素直に教えてくれた。ここは神社?という場所で、人間がたくさん群がる「お祭り」というものをやっているらしい。
「う、うちの子がすみません、、、!」
さっきの女の子の母親だと思われる人間の女が女の子を連れてどこかへ行ってしまった、、、、。まだ聞かなきゃいけないことあるのに一!
それにしても妙だな。この場所、神社にとんでもない魔力が感じられる、、、、
---
そのころ、魔王城にて。
「魔王様、インクの補充を、、、!魔王様!?フローライト様!?」
見てみると、窓が割れている。内部から割れている。
侵入者か?またまた勇者の陰謀か!?
「、、、まぁ、フローライト様なら、すぐに帰ってくるだろう。今までも勇者をぎたぎたに、、、嗚呼、想像もしたくないな。おっと、猫の餌の時間だな。」
大丈夫、今までと同じように、戻ってくるだろう。いや、攫った勇者の方が心配だ。
魔王様、城を捨てて庶民飯食べ歩き キャラ紹介
**フローライト**
魔王。
18歳ぐらいに見えるけど、200歳を超えてから数えるのをやめた。
全ての古代魔法を熟知している天才。
本人でも新しい魔法を作れる。
気が強く、自分が一番だと思っている。(実際そう)
ただしドジ。
黒髪ロングで、よくツインお団子にしている。
目は紫。ガーリー系の服が好き。
**ファーン**
執事。
年齢不明。
フローライトが生まれた時から世話係をしている。
クールで完璧な執事。
実はかなり過保護。(というか魔王を溺愛してる)
27歳ぐらいに見えるクッソイケメン。
切れ長の目で、髪は肩につくぐらいの緩いウェーブ。
ちなみに名前の由来は、ペットの鳴き声。
**ラベンダー**
魔王のお気に入りのペット。
猫みたい。
しゃべれる。
生意気。
甘やかされて育った。
鳴き声は「ふごごご」
多分これからたくさん増えます、、、!
第三話 魔王様、どこへ行かれたんですか
転移によって日本に来てしまった魔王様。おいしすぎる唐揚げをもらって喜んでいるが、魔界では、、、?今回はファーン視点です。
、、、どこにいるんだ。
魔王が消えてもう4日が経った。静かだ。静かすぎる。いつものうるささも、面倒事も消えた。悪い意味で。最初の一日は最高だった。でも、、、、、
**「ああああああフローライト!!!!!会いたい!!!!!!」**
枕を投げそうになった。私としたことが。
こんな大声など、執事たるもの出してはいけない。常にエリートに、常に美しく、、、、、
枕に微かに残るフローライト様の匂い。昨日、眠れないと私の部屋に来てくれた時の、、、、もし見られたら変態だと殴られるかもしれないな。
まぁ、変態でも何でも構わん!フローライト様が居てくれるのならば!はーっはっは!
、、、にしてもおかしい。誘拐などどんなに遅くても2日で帰ってくるはずなのに。誘拐犯を返り討ちにして、アクセサリーを奪う未来がみえるのに。それに、内側から割れたガラス、、、まさか内通者か!?
---
緊急会議。魔王様についてだということは皆、薄々気付いている。
「それでは、第79回、魔王様失踪緊急会議を始めます。」
いつもと違って、皆真剣だった。
魔王の失踪、、、つまり、魔界が崩壊しかねない。
「また勇者の陰謀か!」
「内通者の説が濃いかと、、、」
「もしや森で迷子に!?いやでもそれは、、、、」
机の上で一人、いや一匹、寝ていた猫がそっと口開けると、その場が凍った。
**「家出じゃねえの?ふごごご、、、、」**
息を呑む者、否定する者、険しい表情になる者など、反応は様々だった。ただ、家出したのではと言った本人は二度寝を始めようとしている。
でも魔王のペットが言ったことだ。悔しいことにラベンダーは魔王と一番距離が近い。無駄に説得力があった。
「、、、総員、出動準備。すべての力を尽くし、魔王様を探せ。」
魔界が崩壊する、、、それに結界が薄くなってしまう。市民たちが危険にさらされる!
そ、それにフローライト様のことをよしよしできないなど、、、あってはならない!!!
---
まだ、ファーンは日本という異世界の存在すら知らないのであった。
第四話 魔王様、見た目は子供ですから。
お祭りで唐揚げをもらったフローライト。食べ物に興味を持ち始める!
「ねぇ、お嬢ちゃん射的やってかない?可愛いからタダでいいよ。」
射的、、、?あ、あれは!まさか、魔界で開発中の「銃」というものか!?使ってみたかったんだよねー!!
「や、やります!」
ほう、今回は柔らかい弾を使うのか
狙うはあのぬいぐるみ。ふかふかな熊のぬいぐるみ、、、!
スパンッ!!!!
大きい音に一瞬ビビったけど、やっぱり魔法で培った集中力が発揮できたぁぁ!やったぁー!
ぬいぐるみ持って、もーっと屋台巡っちゃうぞー!!
「ねぇねぇ、そこの可愛い子、ひとり?」
金髪と茶髪の二人組に声かけられちゃった、、、しかもかわいい子って!!
「一人だよぉー!」
「え!ラッキー、じゃあ俺らとにお祭りまわろ?おごるからさ」
、、、ってことはもしかして、、、ご飯くれるとか!?
魚を紙?ですくったり、飴で包まれてる林檎や丸い中にたこが入った物を食べたり、、、
あっという間に夜になってしまった。
「ねぇあのさ、俺の家こっから近いんだけどさ、よかったらー」
「断る。」
薄暗くなった時から気付いてたけど、だんだんこいつらの魂がドブの色になってた。
「いや良いじゃん。一緒に回ってくれたってそういう事でしょ?」
肩に、触れられた。人間ごときが。私を誰だと思ってるのかしら。
「その汚い手をどけろ。」
それでもへらへらしながら密着してくる。こうなったらもう、あれを使うか。
空中に星を書いてから、デコピンをした。その瞬間、バチっと奴らの手に火花が散る。
「んなっ、、、!なにしてんだよ!」
「勘違いすんなこのブス!」
、、、、は?
私が?
ブス?
容赦なく足を引っかけ、転ばせた後に顔を踏みつける。
「お主、今何と?次、我の前に現れたら手加減はしないぞ。」
足を離すとすぐ、逃げて行った。
舐めた態度取りやがって。
---
そのころ魔王城、庭にて。
「おいファーン、ここからフローライトの匂いがする。」
第五話 魔王様、待っててくださいね
家出?したフローライトの手がかりを見つけたラベンダー。どう動くのか、、、?
ファーン視点です
「第80回、魔王様失踪会議を始めます。」
またまた集められた。こんな頻繁に会議があるのは初めてだ。
「庭の石板の近くに、魔王様の髪飾りと、ノートを発見した。ノートの匂、、、コホン。筆跡から、魔王様のものと間違いないです。」
一気に周りがざわつく。
「の、ノート!?たしかにずっと持ってた気が、、、」
「あの石板は禁忌の石板ですぞ!前の魔王様の、、、!」
「匂いって聞こえた気が、、、?」
「結局魔王様はどこなのよ!」
ノートをパラパラめくり、最後のページを開く。
「ほらここ、魔法陣と、『満月の日、魔猫の毛をもって石板の上』って、魔王様の字でしっかり書かれています!」
「んぁ?オレの毛?確かに、いつもよりブラッシングされたな。」
またまたざわつきが訪れる。
「禁忌って伝えれば好奇心を持つから伝えなかったんだけど、やっぱり駄目ね。」
「な、ならフローライトお嬢様は彼方界へ、、、?」
「いやありえん!彼方界に行くなど、そんな馬鹿な真似ー」
「します。」
ファーンの一言で場が凍った。
「あの方は何にでも手を出す方です。この前だって古代遺跡で装置をいじって奇跡の起動をさせてましたよね。そういうことです。」
「確かに、、、この前アイツ、オレにあくびさせる魔法発明したし、、、」
「か、彼方界では鉄の鳥に乗るのだとか、、、しかも腹の中に100人は入るってよ。」
「そんな残酷なことがあってたまるか!」
机を叩く者、焦って落ち着かない者、もうすでに気絶した者、、、、
やはり一番イライラしていたのはファーンであった。貧乏ゆすりも瞬きもいつもより増えている。メガネを外しては付け、外しては付けるという奇行にも走った。
「彼方界は危険です。すぐに連れ戻さねば。このノートに転移方法があります。すぐに転移準備を。魔王様第一です。命に代えてでも回収を!!」
一気に場が静まった。少しの沈黙の後、満場一致でこの意見になる。
「「「では、皆で彼方界へ。」」」
---
彼方界でブスと言われとんでもなくイラついているフローライトであった。
魔力が暴走しなければいいのだが、、、。
第六話 魔王様、知り合いですか?
フローライトはまだまだイラついているご様子で、、、?
ぬいぐるみを抱え、むすっとした少女が居た。そこまではまだ正常だけど、体の周りにぱち、ぱちと火花が散っていた。
「あいつら目どうなってるのかしら。むう、、、!!」
影が揺れている。風は吹いてないはずなのに、神社の鈴が鳴る。
なにやら、強い者の気配がする、、、、
身構えた時にはもう遅かった。身体が、動かない。その場に縛られたようにピクリとも動けない。屋台に群がっていた人間たちもいつの間にか消えた。まるで、、、最初から一人だったみたいに。
「ほう、久しぶりに魔の力がはっきりみえるのう。」
周りには誰もいない。なのに耳元で囁かれた感覚。唯一動く眼で辺りを見渡すけど、やっぱり誰もいない。
意識が 薄く なって 視界が白くなっ
---
目が覚めると、そこには赤い鳥居。鳥居、鳥居、、、、ずらりと並んでいた。
そして、奥に小さな祠があった。何も考えず、ふらふらと吸い込まれるように祠へ歩き出す。狐の置物がにやりと嗤った気がしたけど、気のせいか。
祠の前でぺたんと座り込むと、またさっきの声がした。脳に直接言葉を流し込まれている感覚。でも今回は違う。はっきりと魔力を感じた。ただ者じゃない。
「ほれ、怖がるでない。儂は、お主の父の、、、古い友人じゃ。ふぉっふぉっふぉ。」
更新遅れました、、泣ごめんなさい
第七話 魔王様、どうかご無事で
神社で「なにか」の領域に入ってしまったフローライト。
でもファーンは今何を、、、?
冷たい風が頬を撫でる。魔界ではいつもの冷たさだけど、なぜか今日は刺さるように痛い。
魔王様のノート。魔王様の少し雑だけど丸い文字、インクを飛ばしてしまった跡、端っこにある落書き、、、。
すべてが愛おしくて、守るべきもの。
でも今は守りたかったもの。
貴方様は今、何をしているのですか。どこに居るのですか。無事なのですか。
私の腕の中で育ってきた貴方は、何故どこかに行くのですか。何故誰かのもとに行くのですか。私は貴方に尽くしてきて、愛も注いできた。なのに。なのに何故。
「ファーン、顔が怖いふご」
「え?あぁ。そうか。」
「それに、負の魔力臭い。オレに移る。近づくな。」
「はは、そうかもしれないな。」
ふっと笑った。完璧な執事に戻るように。感情を押し込めるように。
「魔王様回収には、私一人で十分だ。他の皆は無事を祈っていてくれ。」
フローライト様、貴方が数日前に立った場所に、私は居ます。転移の条件が満月なら、星の形を変えてでも貴方に会いに行きます。魔猫の毛が必要なら、魔界中の魔猫を集めてまいります。
なので、、なので、、、
どうかそれまで。
待っていてくださいね。フローライトちゃん。