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あなたを思い出す日
あなたが初めて私を好きだと言ってくれたのはそう、まだ小さな頃。7年前のことだ。
「好きです付き合ってください」と流れと勢いに任せて口走るあなたが好きだった。初めての恋だった。だけどまだ幼稚な私は唾を吐き捨て「無理に決まってるじゃん!」と返事をした。
たかが小学一年生。ほぼおふざけのような告白も、当時のわたしはドキドキしっぱなしで。
振られたあなたはうわーっと悔しそうな顔をし、「また告白するから!」と捨て台詞を吐き、友達のもとへ走っていった。
「また振られたらどうすんの?」と友達に聞かれたあなた。すぐに「何回も告白する」って答えてくれた。
その日から4年が経って、小学四年生の終わりを迎えていた私達は、またもや同じクラスになっていた。席は前後で、特に気まずいこともなく、少し弱腰で、勉強が出来なくて、チャラくて、肌が白くて、細くて、タレ目、釣り眉。優しくて、ゲームが得意で、照れたときにはへへっと笑うあなた。
私は当時、あなたの事が好きじゃなかった。別の、好きな人を見つけてしまったから。
あなたは、好きでいてくれたのにね。
小学四年生最後の日、クラスの誰か1人にランダムに振り当てられ書いた手紙。私へ書いてくれたのはあなただったね。今でも捨てられずに持っているよ。
そして小学六年生になった私達。クラスは離れ、口を交わすことも無くなった。そしてあなたは私を体育館裏へ呼び出した。
「好きです付き合ってください」
6年前と変わらない、勢いと流れに任せた言葉。
わたしの事を好きでいてくれるのは、あなたしかいなかった。
「よろしくね」
だから付き合った。
あなたのことを好きだったかなんて、聞かれても分からない。
2ヶ月。2ヶ月が経った。
あなたとは、付き合ってから一言も喋っていない。私があなたを避けたから。
私と付き合えて嬉しそうにしているあなたを見るのが嫌だった。途端に気持ち悪くなった。
付き合ってから、私はあなたが嫌いだったのかもしれない。
このグダグダした関係を終わらせたくて、「別れてください。今までありがとう。ごめんね」そう書いた手紙を帰り際、あなたに渡した。あの時のあなたの顔は今でも夢に出てくる。
あなたは半年、私を引きずったと聞いた。
ごめんなさい。
半年、私はそう思った。
中学生になった。
同じクラスに小学四年生のころの好きな人がいた。そして、その人に恋をした。可愛いなんて言われちゃったり、手繋いじゃったりして浮かれていた。
その時はあなたのことなんて無かったことにしたくて仕方がなかった。
だけど半年後。丁度あなたと別れてから1年が経った日。7月18日。そのときには、まるで可愛いだとか、手を繋いだりだとかの出来事が無かったかのように、酷い暴言を、好きな人に浴びせられていた。
怖い。
そう思っていた。
好き。
そうとも思っていた。
そしてついには、暴力まで振るわれてしまった。私が掃除に遅刻すると好きな人は私の長い髪を掴み壁に私の頭を打ち付けた。
人が少ない体育館。
壁に項垂れる私は、怖い顔をした好きな人を見つめていた。
このまま、殺されちゃうんじゃないのかななんて思っていた。
ちゃら、と鍵の音がした。
体育館2階の鍵を締めに来た人がいるようだ。私がくらくらする目で音がするほうを見ると、あなたがいたの。
あなたは私と目を合わせたけれど、声を掛けることも、こっちに近寄ることもなく、姿を消した。
やっぱり、あなたみたいに私をずっと愛してくれる人が良かった。
あなたに暴言を吐かれたことも、暴力を振るわれたことなんて1度もない。
あなたみたいな人がよかった。
私は好きな人の前から逃げ出した。
家に帰ると、あなたから昔貰った手紙を見つけた。優しい筆跡。何度も書き直していて汚い紙。
あのとき私が別れようなんて言わなかったら、しあわせだったのかな。
今日も体を震わせて学校に行く。
あなたを見る為だけに。
触れれはしない。心のどこかで、もう一度好きだと言ってくれないかななんて思う。
だって、何回でも告白するって言ってくれたのはあなただから。
助けて欲しかったの。