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I knew his secret...
私が好きな男の子、綾瀬くん。
綾瀬くんはthe爽やかイケメンで、誰にでも優しくて、友達が沢山いて、勉強は普通だけど運動神経が良くて、バスケ部のエース。八重歯がチャームポイント。みんなからモテモテ。だけど私は、綾瀬くんのそんな万人受けなところじゃなくて、どこかミステリアスなところに惹かれたの。
自分でも、よくわかんないんだけどね…。
みんなからモテモテだし、付き合いたいなんて思ったことない。影からひっそりと彼を見ていることが出来れば、私は幸せなの。
私はどちらかといえば可愛いかなって位のどこにでもいる女の子。スポーツは苦手。勉強は平均くらいかな。趣味は音楽を聞くことと編み物。最近はイヤーマフを編んだ。
私はまあ特別な理由はないし、友達だっているけど、学校なんて嫌い。行ったらたのしいなんてことがほぼ毎日だけど。
そんな学校がもうすぐ終わろうとしている。
今は帰りのホームルーム。早く終わらないかななんて思って、今日の日誌を書いていた。
「はい、じゃあ明日は午前授業だからな。あ、文化祭委員の中村と綾瀬、今日放課後文化祭準備だから。ちょっと遅くまでかかると思うけどよろしくな」
中村は、私。
(えーーっ)
綾瀬くんとなることができた文化祭委員。やっと仕事が回ってきた!そう思ったけど、今日は推しのライブ配信の日。まあ、いっか……。
ホームルームが終わると、綾瀬くんが声を掛けてくれた。
「集合場所体育館だって。行こ」
「うん」
やっぱり近くで見ると更にかっこいいな。私より少し背の高い綾瀬くんと、2人で歩いて体育館に向かった。
ざっと今日の仕事の説明を受けた。私達の仕事は、文化祭のプログラムを書くこと。しかも大きな紙に。2人で。
「2時間は掛かりそうだね…」
「うん…」
今は6時。8時は回ってしまいそうだ。
親に連絡をして、2人で教室で作業をすることになった。2人での作業。付き合いたいなんて思っていないが、やっぱりドキドキした。
夜の教室に2人っきりなんて、少女漫画みたい。
最初は無言で作業をしていたが、やっぱりこの機会を少しでも活かさなきゃいけないと思ってなにか話題を振ることにした。
「綾瀬くんの、好きな食べ物ってなに?の、飲み物でも!」
必死に考えた話題がこれだった。なんだか食いしん坊みたい。
「はは。どうしたの急に。好きな食べ物か…俺あんまり好き嫌いないかなー。飲み物は…ワイン!」
「え?ワイン?笑笑」
「はは。うっそー」
無邪気な笑顔。やっぱりかっこいいな。
時計の針が8時を指したころ、綾瀬くんが言葉を発した。
「なんか、お腹空かない?」
「私は大丈夫!」
ずっと私が食べものの話を振ったから、お腹空いちゃったのかな…恥ずかしいな…。
そう思って綾瀬くんの方を向くと、下を向いてくっきり見える二重線と、長いまつ毛、すらっと通った首筋、少し汗を書いた額。その表情は真剣だった。いや、どこか儚い。
私が綾瀬くんをずっと見つめていると、目が合った。「どうしたの?」そう問いかける綾瀬くんの瞳は、月のせいか輝いていた。
「ううん、なんでもなっ…」
綾瀬くんの大きな手が、私の手首を掴む。
そして、肩を捕まれ、床に倒された。
「えっ…綾瀬くん、?」
綾瀬くんは苦しそうな顔をして、その顔を私に近づけた。
首に、痛みが走った。
綾瀬くんは、私の首にチャームポイントの八重歯で噛み付く。
「うう……」
綾瀬くんは汗ばんでいて、やっぱり苦しそう。
頭がくらくらする。まるで貧血のときみたいな……。あ。
そこで私は自分が血を吸われていることに気がついた。
「きゅ、きゅうけつ、き?吸血鬼なの?綾瀬くん……」
「バレた」
少し元気がでた綾瀬くんはそう言ってにやっと微笑んだ。
「ねえ、どうして……」
私が口を少し開くと綾瀬くんは私の口を指で摘み、「ごめんね」と呟いた。
「美味しかった。お前の血。うれしかったの?」
「うん……」
私は大好きな綾瀬くんに美味しいなんて言われちゃって、状況がよく分からなかったけど、綾瀬くんがミステリアスな理由がわかった気がして、夢見がちなわたしはなんだか嬉しかったの。
「ごめんね。でも、忘れて……これは、俺の秘密だから」
そういって綾瀬くんは私の目に手を被せた_________。
「ん……」
目覚めると、学校だった。時計は朝8時を指していて、クラスメイトが10人ほど教室にいた。
「なに中村、朝早く来て寝てたの?」
「きょうちゃん!あのね、昨日……綾瀬くんが……」
「綾瀬がなに?」
「あれ、なんだっけ…………」
I knew his secret...
私は彼の秘密を知っていた…