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3話「11秒目」
Snake
個人的に最後のほうのタイトルコールが好きなんだよね。ソリスピアの話ね。
トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。
最適解を、自分のものにしろ。
トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。
最適解を、より良くしろ。
トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス
そうするしか、今のスバルにはないのだから。
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「最適解へ、進め。」
死んで、死んで、死んで、また死ぬ。
繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返す。
11秒へ、向かえ。
11秒の先へ。
行け。
「あーう?」
ルイの無邪気な声が響き渡る。
そんなルイをスバルは無視する。
「オルバルトを…殺せ。」
「わしを殺す?かーっ。最近の若者は威勢がいいのぅ。」
オルバルトの首めがけてナイフを立てる。
「死ね。クソジジイ。」
オルバルトは華麗に避けて
「クソジジイじゃと?クソガキ。あまり老人に対してでかい態度を取らないほうがいいと思うんじゃぜ。」
「つられたな。」
「は?」
――次の瞬間、オルバルトの視界が、自身の背後から肉を裂いて突き抜けた。彼自身のクナイによって遮られた。
「かーっ。最近の若者は頭もいいのかよぅ。こりゃ負けたんじゃぜ。」
オルバルトは地面に倒れ込み息を引き取った。
7、8、9、10。
11。
「あう…」
「|童《わらわ》…?」
「ヨルナさん。今すぐ俺の言う通りに動いてください。さもなければ殺します。」
「分かったでありんす。」
何か見通したようなそんな目だった。
「セシルス。今でありんす。」
――その声に応じて、戦場に一陣の青い風が吹き抜けた。
「主役は遅れて登場するって言いますよね。」
「だ…れ…?」
「僕を知らないって本格的に脇役みたいになってきましたね。」
『青き閃光』はその場の誰よりも雰囲気が軽く、その場の誰よりも強かった。
「へぇ、ナツキ・スバルですか!何やら舌の上をまろやかに転がる不思議な響きですね。耳と記憶に引っかかる良い名前…名優の条件といえますよ!」
「……お前、本物の『青き閃光』?」
「また急に疑いますねえ!でも疑われて慣れてて動じませんよ、よく言われるので!」
かけらも違和感を覚えていない顔に、警戒するのがばかばかしくなった。ので、直球ど真ん中で聞いてみたら、自称セシルスはお腹を抱えて大爆笑だ。本物なら無礼だし、偽物なら偽称だから、ちっとも笑い事じゃないのだが_
「言葉で本物です!と言い張るのは簡単ですが、それは証明にならないでしょう?僕の秘密を打ち明けてもそちらは何も知らなそうですし」
「それは……うん、言う通りだ。」
「だったら、僕の素性の|真贋《しんがん》を言い合っても、時間の無駄!無駄はスパッと切り捨てて、次の話題!ずっと建設的ですよ、僕は壊す専門ですけど!」
なんだか生きると口八丁で言いくるめられた感じがするが、猛然と息継ぎもなく、畳み掛けられると反論の隙間がない。それに極端だけど、一理ある言い分だった。
スバルには本物の『青き閃光』見分ける方法なんてない。その手がかりもない。だったら、自称セシルスを暫定セシルスにしておくしかないのだ。
そうなると、次に自然と意識が向かうのは、自分の置かれた環境の謎さだった。
「えっとさ、セッシー、ちょっと聞いてもいい?」
「セッシー!なんですそれ、もしかして僕のことですか?」
「本物か偽物かわからない相手のこと有名人の名前で呼ぶの気後れしてて……」
どこかで本物のセシルスと会った場合に、備えてなんてつもりはないものの、それが嘘か|真《まこと》かわからない暫定かつ、自称セシルスへの落としどころだった。
「セッシー、セッシーですか……なんと味わい深い特別感!思い返すと相性で呼ばれるなんて経験とんとありませんし、不思議な心地になりますね、最高!」
「そんなに喜んでもらえると、俺も2秒で考えた甲斐があるよ」
何万回もの地獄の2秒に比べれば、このあだ名を考えた2秒はどれほど平和だったか。ともかく、安直な呼び名だと思ったが、本人が喜んでくれているので、それでよしとしよう。
「それで話を戻すけど……ヨルナさんはなんでセッシーのことを呼んだの?」
「……俺そんな命令出してないよね?」
「ばれちゃいましたか。残念です。勘はいいんですね。……あなたが悪役に回っていなかったら僕たちは良い友達になると思います。」
彼は容赦なく、スバルの頭を切り捨てた。
時間が戻る。
「嘘だろ…」
前書きのほうに書いたタイトルコールの話なんだけど、デザインを紹介すると11がオレンジ色で秒が青色。目がオレンジ色なんだけど、その目が一刀両断にされて断面には青い線があるって言うデザインなんだよね。