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2話「最適解」
Snake
2話です。投稿スピードが異常に早いのはソリスピアで投稿しているものをコピペしているからです。ちみみにソリスピアの方が挿絵とかあってこっちより楽しめるかと思います。一応リンク貼っとくんで気になった人は見てください。
https://solispia.com/title/5074
ループの中、スバルが見つけた最適解はこうだ。
――ループが始まると、胸の鼓動が割れるように鳴り、指先が血の匂いを放つ。スバルは瞬時に自分の指を噛みちぎり、赤い肉が裂ける音と同時に、鉄の匂い、熱いものがオルバルトの目に入り、オルバルトの拳が僅かに遅れたことを感じ取る。次の瞬間、崩れた瓦礫の粉塵が鼻腔を刺激し、彼の体は「障害物」と化す。自らを盾にして、冷たい金属の刃が胸元をかすめる感触が走る。そしてルイのワープを利用してルイの血が飛び散る音と共にオルバルトの片手が失われる。次の瞬間、心臓に金属がつくのと同時にオルバルトの喉笛を噛みちぎる。
これを全て噛み合わせれば突破ができる。そう考えたのだろう。そんな単純な話だろうか?考えて考えて考えた。
しかし、この最適解はまたルイを殺すことになる。もう、あんな顔を見たくない。でも、これが最適解だから。ルイを殺す罪償いとして__
殺した罪償いとして__
自分を犠牲にする。
「もう、やるしかない。」
痛さと赤さが同時にきて、目は片方だけ飛び出て、もう片方はない。心臓がうるさい。しかし不思議なことに痛覚はなかった。そして時間が戻る。
「聞いた話じゃと…」
指を噛む。飛び散った血がオルバルトの目に入る。噛むのは痛いが目が爆発するのにくらべれば屁みたいなもんだ。いや、そもそも痛みを感じない。成功した。少しだけ心拍数が上がる。
「させない!」
盾になる。
「ルイ!」
「うあう!」
初めて…ここまできた。
ルイは死んだが、オルバルトの片手は使えない。
「やった。」
思わず、声が漏れた。ここまできたのは初めてだ。
「かーっ。わしをここまで追い詰めるのかよぅ。」
クナイを投げる。同時にいけ。
「き_」
痛い。赤い。クナイを心臓に刺されて…呼吸は乱れていく。ゆっくり。ちょっとずつ、熱くなり、冷たくなる。死ぬ…と思わせるようなそんな感じ。
時間が戻る。
「無理だ。俺にはできない…俺は…俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は!!!!!!」
沈黙が続く…いや正確に言えばオルバルトとヨルナが戦っているため沈黙ではないが、今のスバルには沈黙しかなかった。さて、どうする?新たな最適解を探すか、諦めるか。後者の選択肢はスバルにあるはずもないが。
「世の中…うまくいかないもんだな。…………そろそろ10秒か。」
10秒経つ。痛い。赤い。ただそれだけなのに耐えられなかったものも今は…平然としている。
時間が戻る。
「――あ」
耳を劈くような爆風の音も、クナイが肉を裂く嫌な音も、自分の喉から溢れる血の泡の音も、何も聞こえない。
ただ、パチパチと静かに爆ぜる、焚き火の音だけが聞こえている。
「あーう?」
覗き込んできたのは、無邪気な、しかし今はまだ自分のせいで殺されていない、綺麗な瞳をしたルイの顔だった。
スバルが数百万回かけて組み上げた「神速の十秒」は、すべて白紙に戻された。
あの場所に最適化され尽くしたスバルの殺人手順は、何の役にも立たないゴミ屑同然の記憶になったのだ。
すべてが、無駄だった。
あれほどの苦痛を、あれほどの死を重ねて、自分は何も得られなかった。
普通の人間の精神なら、ここで絶望のあまり狂い、あるいは泣き叫んでいただろう。
だが、数百万回の死によって研ぎ澄まされすぎたナツキ・スバルの脳は、もう絶望することすら忘れてしまっていた。
感情のスイッチが、音も立てずに摩耗して消え去っていた。
トギスマス。トギスマス。トギスマス。トギスマス。スバルは最適解をトギスマス。そうしていくしか…ないのだから
これ結構自信策なんですよね。挿絵重要ですねー。ソリスピアでは一応挿絵として最後のほうにタイトルコール入れてます。それ以外に1個は必ず挿絵あるんだけどボソッ
短編カフェでは実装予定ないらしいからないものとして諦めたほうが潔いよね。