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チリちゃん(夢)
控室の重いドアを閉め、鍵をかける音がパチリと響く。
背中に扉の冷たさを感じていると、チリちゃんがゆっくりと私との距離を詰めてきた。
四天王としての威厳をまとった、あの端正な顔立ちが、今は熱を孕んだ瞳で私を捉えている。
「……鍵、かけたで。これで、誰にも邪魔されへん」
彼女は私のすぐ前で立ち止まり、ネクタイを緩めながらふっと息を吐いた。
シャツ越しに伝わる彼女の体温が、部屋の空気を急激に甘く、重く変えていく。
「……いつもあんた、チリちゃんのこと見てるけど。……そんな目で見られたら、チリちゃん、普通におれる自信ないわ」
彼女の手が、私の頬をゆっくりと撫でる。指先が肌を滑るたびに、心臓が波打って、うまく呼吸ができなくなる。
私がただ彼女を見つめ返すことしかできずにいると、彼女は面白がるように、けれどどこか焦がれるような表情で唇を歪めた。
「……ほんま、あんたってずるいな。……何もしへんくせに、全部わかっててやってるんやろ?」
彼女の長い指が、私の首元で止まる。
そのまま首筋をなぞるようにして、ゆっくりと私のシャツのボタンに触れた。
心音が早鐘のように鳴り響くのを感じて、彼女は満足げに目を細める。
「……チリちゃんに身を任せるんやったら、覚悟しとき。……あんたが大人しいせいで、余計に意地悪したなるわ」
彼女は私の肩に手を回し、逃げられないように身体を引き寄せた。
耳元に触れるか触れないかの距離で、彼女の熱い吐息が零れる。
「……ねえ、もっと近う来て。……チリちゃんの名前、呼んで?」
命令なのか、懇願なのか分からない甘い声。
四天王としての彼女の、誰も知らない支配的な一面と、私にすべてを委ねようとする脆さが混ざり合って、思考が白く溶けていく。
彼女の瞳が、私の唇をなぞるようにゆっくりと動く。
抵抗なんて初めからできるはずがない。
彼女がリードするままに、私はただ、この濃厚な空気に溺れていくしかなかった。
「……今夜は朝まで、チリちゃんだけを信じてな?」