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チリちゃん(夢)
太陽が傾きかけ、パルデアの荒野を黄金色に染める夕暮れ。
私たちがいつも待ち合わせる、静かな丘の上。四天王としての重圧から解き放たれた彼女は、その場にぺたんと座り込むと、私の肩にぐいっと体重を預けてきた。
「はぁ……今日はほんま、長かったわ。チリちゃん、もうクタクタや」
彼女の髪が、ふわりと私の肩に触れる。普段、バトルの時は凛とした顔をしているのに、今は私のそばで力なく笑うその表情のギャップに、いつも心臓が跳ねる。
「……なぁ、あんたの肩、ちょうどええわ。ちょっとこのまま、休ませて?」
そう言うと、彼女は私の腕に自分の腕を絡め、自分の体温を押し付けるようにぴったりとくっついてきた。
普段は周囲をリードする彼女が、私の前でだけ見せる無防備な一面。
私の方が彼女を支えているはずなのに、なぜか彼女に甘やかされているような気分になる。
「……あんたの匂い、落ち着くわ。……いつも、こうやって隣におってくれるんが、チリちゃんにとって一番の薬やねん」
耳元でくすぐったいほど甘い声が響く。
彼女は私の肩に顔をうずめたまま、ゆっくりと目を細めた。
ふいに、彼女の手が私の服の裾をぎゅっと掴む。その小さな力加減に、彼女の「離れたくない」という気持ちが痛いほど伝わってきて、私は彼女の背中にそっと手を回すことしかできない。
「……明日も、明後日も、ずっとこうして隣におってな? チリちゃん、あんたがおらんとあかんねん」
顔を上げた彼女の瞳が、夕陽を反射してとろりと溶けていた。
普段は誰よりも強気な彼女が、私を見つめる時だけ見せる、甘く掠れた声と潤んだ瞳。その熱に当てられたみたいに、私はただ、彼女に寄り添われるままになっている。
「……あ、目ぇ逸らさんといて。……もっと、こっち向いてや」