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第六話 裏 Please—at least you, get away.
俺達は、Level !へと入って、Level !-!へと移動した。
途中で相棒がころんだのはヒヤヒヤしたが、無事にたどり着けてよかった。
俺がこんな一番早いが、1番危険なルートを選んだのには理由がある。
このバックルームには、治療法が不明の未知の病原体が蔓延っている。
しばらくこのバックルームにいれば、その病原体に侵されてしまうのは確定だ。
放浪者たちはアーモンドウォーターでその症状と進行を抑えているが、
もしその状態でアーモンドウォーターのない現実世界に戻れたとしたら、
すぐに死んでしまう。
俺は長い間バックルームを放浪しているうちに学んだうちの一つだ。
俺にはFront roomに戻らなければいけない理由がある。
だが、こんな長い時間バックルームにいた俺では、現実世界に行けばすぐに死んでしまう。
だから、やつを相棒にした。
目が見えなくとも、放浪者のコミュニティに入ったりして生き延びては行ける。
目の代わりになってもらうのは建前というやつだ。
あいつには、重大な役目がある。
俺の代わりに、現実世界に残して来た友人や家族に、俺が書いた手紙を渡してもらう。
俺にはもうあいつらの顔を拝むことはできない。
なら、せめて文字だけでもいい、俺が生きていたことを伝えてほしい。
そのついでに、まだ病原体に侵されていない新人を現実世界に送り届けてやる。
きっと道中で一人は死ぬ。
その一人を俺にするだけさ。
怖くはない。どうせ現実世界に戻っても、このままバックルームにいても、
すぐ死ぬかいつか死ぬかの違いだ。
けれど、その命がもし、誰かを救えるんだったら、救いたい。
人生最後のカッコつけさ。
「休み終わったら、また赤い廊下へ行くぞ。」
「なんでですか?」
「長時間滞在しなければいけないから。」
まだ、終わっていない。
俺には、こいつを無事に現実世界へと送り届けなければいけない。
前にこいつが眠っていた時に、こいつの懐に手紙をねじ込んでおいたから、あとはこいつを守るだけだ。
問題は、このLevel !-!に長時間いれば、約束の地へと行けることはしっているが、
その長時間が赤い廊下にいた時間のことか、青い廊下にいた時間のことかわからないからだ。
けれど、往復すればなんとかなるだろう。
俺達は、何度も往復した。
次第に余裕が出てきて、もしかしたら二人で生き延びられるのかと思ったりもした。
あの時までは。
その時は、油断してすぐ後ろまでエンティティが来ていた。
もう相棒には俺の案内はいらないだろうと立ち止まろうとした瞬間。
相棒が転ぶ音がした。
間に合わないことがわかっていても、俺は走った。
なんとか相棒を担ぎ、青い廊下へ入った。
青い廊下には、ドアがあった。
これが、おそらく約束の地へと向かう階段だろう。
まだ、間に合うはずだ。
こいつだけは、死なせちゃいけないんだ。
どうか、頼むから、こいつだけは、帰らせてやってくれ。
俺を助けて、こいつを助けなかったクソみてぇな神様でもいいから。
相棒だけは、生き延びさせてくれ。