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覚悟してください、お嬢様。⑦
はあ…もう、やだわ。
こんなにも私がレノのことを考えていたなんて。
私は、自分の顔をパタパタとあおいだ。
「暑…」
「綺麗なお嬢さん、こんにちは」
突然、後ろから声をかけられた。
私は、振り向きそこにいた人物を見つめた。
そして、ハッとして口元を拭き、腰を折る。
「ご機嫌麗しく存じますわ、レネリィ・ルネサンダ様」
そこには、ルネサンダ帝国の王子がいた。
「僕が誰か分かるんだね、さすが"活字喰らいの令嬢"だ」
私は、その言葉にむっとした。
「…当たり前ですわ。その綺麗な金髪に緑の瞳、分からないわけありません」
「…ははは!面白い令嬢だな。…そうだ。私と一曲踊っていただけないでしょうか?」
「……一曲」
………………この人、苦手な気がするわ。
感情が読めないし、第一に目が全く笑ってない。
ルネサンダ帝国といえば、今や亡国となってしまったディメアルテを滅ぼした国だ。
ルネサンダ帝国は、武力の国。
現在も周囲の国を侵略して、国土を広げている。
亡国ディメアルテは、ルネサンダ帝国によって滅ぼされ、ナーダレア国へと名前が変わった。
そのナーダレア国の王は、ルネサンダ帝国の要人の中から王命により選ばれた。
つまり、ナーダレア国はルネサンダ帝国の操るままということだ。
圧倒的、武力。
戦略家。
たくさんの印象が、溢れる。
全ての事実に、微かに嫌悪感を抱いた。
「メルア・オヴィアーレ嬢、早く決めてくれないかな?君が思っている以上に私たちは注目されている」
パッと周りを見ると、たくさんの視線があった。
みんな、物珍しいものでも見るような目だ。
……やっぱり慣れないわ。
……この視線には。
「わか、」
「レネリィ殿下、少し僕とお話ししませんか?」
仕方なく、ダンスの誘いを引き受けようとした私の言葉を遮った声があった。
ルシアン殿下だった。
「おや、これはこれは。ルシアン殿下、本日はお招きいただきありがとうございます」
レネリィ殿下が言った。
「ああ。…少し、お話がしたくてね。構わないかい?」
「…………………………………ええ、大丈夫です」
たっぷり間を開けたのち、レネリィ殿下は笑顔で言った。
…もちろん、目は笑っていなかったけど。
「ありがとう」
…そう言った、ルシアン殿下の目も笑っていなかったけど。
王子、というものは侮られてはいけない。
だからこその、この張り付いた笑顔なんだろうけど。
やっぱり、感情が読めなくて嫌なかんじね。
「ルベ、メルア嬢を」
「了解しました」
ルシアン殿下の後ろにいた男性が、前に出てくる。
…どこかで見たことがあるような顔だけれど。
…気のせいかしら?
「では、行こうか」
ルシアン殿下とレネリィ殿下は歩いて行った。
そのとき、レネリィとルベの視線が絡み。
レネリィは少し微笑み。
ルベは少し眉を寄せ、睨んだ。
この2人の各々の視線に気付いた者は、2人以外誰もいなかった。
またまた、お久しぶりです。
「覚悟してください、お嬢様。」です。
レネリィが出てきました。
この人、結構重要です。レノの過去に関わってくる人です。
もう、だいぶ明かされてきてはいますが笑
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