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覚悟してください、お嬢様。③
「ふんふんふんふーん♪」
「………お嬢様、鼻歌を歌わないでください。はしたないです」
今日も今日とて、レノの小言が炸裂している。
…ふっ、でも今日の私は機嫌がいいから言い返したりなどしないわ!!
「お嬢様、どうせ"今の私は機嫌がいいから"…とか考えてるんでしょうけど」
「下っっ手な演技ねぇ!?でも、いいわ。今の私は機嫌がいいから」
「……言うと思いました」
レノの呆れ顔を無視しつつ、私は歩き続ける。
なぜ、私の機嫌が良いか。
それは今私たちが向かっている場所に関係がある。
ふっふっふっ…
君は、私たちがどこに向かっているか分かるかね??
今、私たちが向かっているのは王城内にある王立図書館なのだよ!!!
王立図書館…とは。
右も左も、上から下まで。見渡す限りの本、本、本!!
ああ、なんて最高な空間なのでしょう!!
「お嬢様、前見てください」
…え?
「柱にぶつかります」
「うわっ!」
私は柱に激突した。
「いったぁ…もう、レノ言ってくれてもいいじゃない」
「言いましたけど」
「もっと早く言いなさいよ!」
「いや、だから何度も言いましたけど。全く聞こえていないようでしたけど?」
…くっ!レノが言うのだから本当なのでしょうね。……悔しいけれど。
「王立図書館ですから、舞い上がっているのは…ふっ、"活字喰らいの令嬢"なら当然でしょうけど」
…あら今、鼻で笑ったわね??
己の主人を鼻で笑ったわね??
おーっとぉ?これは、これは。ねえ…?
「あ…お嬢様、また」
ふん、まったく。私の執事は…ぁ?!
「……遅かったか…」
また、私は柱に激突した。
「…………………もうッ!!なんなの今日は!」
柱にぶつかるわ、レノに鼻で笑われるわ、柱にぶつかるわ……
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「…んふっ…ふふ…ふへへぇ」
「お嬢様、奇声を発さないでください。はしたないです」
…しょうがないでしょう。なんたってこの本の量!!
さっすが我がネザリオス王国、王立図書館!!
もう、なんて量なの!!!
上から下まで………
「うへへ…んふっ…ふ」
「…………これは、言っても意味ないですね」
またもレノの呆れ顔を無視しつつ、私は本を手に取る。
「…おや、メルア嬢」
あら、こちらの金髪に金色の瞳をもつ御仁は…
「ご機嫌麗しく存じますわ、ルシアン・ノアール・ネザリオス殿下」