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幸せの元へ
桜木ミント
あの日から二日がたった。そこで私たちは救われた。救助隊が来てくれたのだ。でも、私は彼らに素直に喜ぶことはできなかった。(もう少し早く来てくれてたら弟は死ななかったかもしれないのに…)救助隊の人だって苦労しているはずだった。でも私は弟を失った悲しみや精神的疲労がかさなり、そんなことを考えてしまった。
私と母は、救護所に搬送された。だがそこは、たくさんの負傷者であふれかえっていた。私は、そこで初めてあのときの被害の大きさを思い知った。
毎日のように人が減っていく。そこで私は再び真子と再開した。
「あ…真子…ちゃん?」
真子ちゃんは私の方を振り返った。
「え…菊子ちゃん?よかった…」
私は親友に再開できた嬉しさと、弟を失った悲しみで、泣き出してしまう。
「菊子ちゃん!大丈夫?みんな…避難できたの?」
私はしばらく泣き続けた。
「…お…弟が…ぁっうぅ…」
真子ちゃんはその言葉で何があったかを察した。
私はお母さんを呼んだ。お母さんは、真子を見て涙を流す。
「真子ちゃん…生きてたのね…本当に良かったわ…」
真子との再開で、私は少し元気を取り戻した。
私たちは、それから何日も話したりしていた―
一九四五年八月一五日。約三一〇万人以上の日本国民の命を奪った戦いが終わった。私たちは敗北した。
―二〇二五年。私たちは覚えている。戦争の悲惨さを。核兵器の恐ろしさを。命というものの尊さを。平和というものが、どれだけ大事なのかを。
私はもう年をとった。でも、これだけは後世に伝えなければならない。戦争は、私たちが知らない数多くの命を奪ったもので、二度とこの歴史を繰り返してはいけないということを。