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ピーキーブー ⑧第一回あだ名大会
部活が終わった。
三人はいつもの帰り道を歩いていた。
🐵「なあ」
🐷「ん?」
🐿️「嫌な予感」
🐵「あだ名大会しよ」
🐷「ええやん!」
🐿️「何その大会」
🐵「今からお互いに新しいあだ名付けて、一番おもろいやつ決める」
🐷「やる!」
🐿️「絶対ろくな名前つかんやろ」
🐵「まあ最初は普通のやつな」
🐷「ほなキーから」
ブーはキーの髪をじっと見る。
🐷「青ゴム」
🐵「そのまんまやん」
🐿️「ただの特徴やな」
🐵「じゃあブーは黒ゴム」
🐷「色違いや」
🐵「おそろいやな」
二人は満足そうにうなずいた。
その横で、ピーが自分の髪を触る。
🐿️「うちゴムないで」
🐵「……」
🐷「……」
🐿️「そんな真剣に悩む?」
🐵「短髪」
🐿️「雑」
🐷「ちびっこ」
🐿️「お前らも大して変わらんやろ」
🐵「ピーだけ難しいな」
🐿️「別に付けてもらわんでええ」
ここまでは平和だった。
しかし、キーが次のルールを思いついた。
🐵「次、性格とか特徴からいこ」
🐷「ええやん」
🐿️「嫌な予感が強くなってきた」
キーはブーを見る。
🐵「なんでなんで星人」
🐷「なんでなんで!?」
🐵「ほら!!」
🐿️「開始一秒で証明したな」
🐷「じゃあキーは方向音痴!」
🐵「それ性格ちゃうやろ!」
🐷「迷子猿!」
🐵「誰が迷子猿や!」
🐷「いっつも迷子になっとるやん!」
🐵「迷子ちゃう!道を探しとるだけ!」
🐿️「それを迷子って言うねん」
🐵「ピーは黙っといて!」
ブーはさらに考える。
🐷「じゃあ……走り回り猿」
🐵「なんやそれ!」
🐷「いろんなところ走り回っとるから」
🐵「ほなブーは3歳!」
🐷「精神年齢持ってくんな!」
🐵「なんでなんで星人3歳」
🐷「合体した!?」
🐿️「嫌な進化しとる」
ブーも負けじと反撃する。
🐷「青ゴム迷子猿!」
🐵「黒ゴムなんでなんで3歳児!」
🐷「全力疾走方向音痴!」
🐵「なんでなんで無限発生装置!」
🐷「自信だけはある迷子!」
🐵「疑問が尽きない幼稚園児!」
🐿️「もう悪口大会になっとるやん」
しかし二人は止まらない。
🐷「青ゴム全力疾走迷子猿!」
🐵「黒ゴムなんでなんで精神年齢3歳星人!」
🐷「帰り道不安定系エンターテイナー!」
🐵「キーの案に秒速で乗るエンターテイナー!」
🐷「『こっちや!』って言うくせに道知らん人!」
🐵「『なんでなんで?』って聞いたあとにまた『なんで?』って聞く人!」
🐿️「最後二つもう名前ちゃうやろ」
ようやく二人が止まった。
🐵「……強いな」
🐷「そっちもな」
🐿️「何をたたえ合っとるん」
二人は顔を見合わせる。
そして、同時にピーへ視線を向けた。
🐿️「……何」
🐵「ピーのも作らな」
🐷「せやな」
🐿️「作らんでええ」
🐵「ツッコミ係」
🐷「常識人」
🐵「ロジスティシャン」
🐷「ストッパー」
🐵「迷子回収係」
🐿️「それ誰のせいやと思っとんねん」
🐷「エンターテイナー監視員」
🐵「帰り道最後の良心」
🐷「『嫌な予感』感知センサー」
🐵「最終防衛ライン」
🐷「うちらのお世話係」
🐿️「誰がお世話係や」
🐵「暴走二人組専用ストッパー」
🐷「ツッコミ自動生成装置」
🐿️「とうとう機械になった」
キーが急に立ち止まった。
🐵「決まった」
🐷「何が?」
🐿️「嫌な予感」
🐵「ピーの正式名称」
🐷「聞きたい!」
🐿️「うちは聞きたない」
キーは大きく息を吸った。
🐵「帰り道最後の良心ツッコミ自動生成型エンターテイナー監視用最終防衛ライン!」
沈黙。
🐷「おおー!」
🐿️「兵器なん?」
🐵「強そうやろ」
🐷「めっちゃ強そう!」
🐿️「いらんわ!」
次はブーがキーを見る。
🐷「キーにも正式名称いるな」
🐵「かかってこい」
🐷「青ゴム……」
🐵「うん」
🐷「全力疾走……」
🐵「うん」
🐷「方向音痴……」
🐵「おい」
🐷「迷子系……」
🐵「まだ言うか」
🐷「エンターテイナー猿!」
🐿️「全部くっつけただけやん」
🐷「青ゴム全力疾走方向音痴迷子系エンターテイナー猿!」
🐵「長ぁっ!」
🐿️「また兵器増えた」
🐵「じゃあ次ブー!」
🐷「来い!」
🐵「黒ゴムなんでなんで精神年齢3歳エンターテイナー星人!」
🐷「なんでなんで!?」
🐵「ほらな!!!!」
🐿️「自分から完成させにいっとるやん」
🐷「ずるい!」
🐵「何がずるいねん!」
🐷「うちが『なんでなんで』って言うの待っとったやろ!」
🐵「待っとった!」
🐿️「認めるんや」
気付けば、あだ名大会というより長い名前を作る大会になっていた。
しばらく歩いたところで、ブーがキーに話しかけようとする。
🐷「なあ、青ゴム全力疾走方向音痴迷子系エンター……」
ブーの言葉が止まった。
🐵「何?」
🐷「……なんやったっけ」
🐿️「忘れたんかい」
🐵「自分で付けたのに?」
🐷「長すぎるねん!」
🐵「じゃあ私がブー呼ぶわ」
キーは自信満々に息を吸った。
🐵「なあ、黒ゴムなんでなんで精神年齢3歳エンターテイナー……」
🐷「……」
🐿️「……」
🐵「……星人?」
🐷「途中どこ行ったん!?」
🐵「しゃあないやろ!長いねん!」
🐿️「二人とも自分で作ったんやぞ」
キーとブーは顔を見合わせた。
🐵「もう普通に呼ぶ?」
🐷「そうする?」
その時、キーがピーを見る。
🐵「いや待って」
🐷「何?」
🐵「ピーのやつは覚えとる」
🐷「うちも」
🐿️「……は?」
キーとブーは顔を見合わせた。
そして同時に大きく息を吸う。
🐵🐷「帰り道最後の良心ツッコミ自動生成型エンターテイナー監視用最終防衛ライン!」
沈黙。
🐿️「なんでそれだけ完璧に覚えとんねん!!」
🐵「言えた!」
🐷「一文字も間違えんかった!」
二人はハイタッチした。
🐿️「喜ぶところちゃうやろ!」
🐵「もう一回いく?」
🐷「いける!」
🐿️「いかんでええ!」
🐵🐷「帰り道最後の良心ツッコミ自動生成型エンターテイナー監視用最終防衛ライン!」
🐿️「二回言うな!!」
🐵「なんか語呂ええよな」
🐷「覚えやすい」
🐿️「お前ら自分のやつより長いやろ!」
🐵「愛やな」
🐷「愛や」
🐿️「絶対ちゃうわ!」
そんなことを話しているうちに、いつもの分かれ道まで来ていた。
三人は足を止める。
🐷「ほな、うちこっちやから」
🐵「おっけー」
🐿️「じゃあまた明日な」
🐷「ばいばいキー」
🐵「ばいばいブー」
キーとブーは同時にピーを見る。
🐿️「……何」
二人は顔を見合わせた。
そして、今日一番大きく息を吸った。
🐵🐷「ばいばい、帰り道最後の良心ツッコミ自動生成型エンターテイナー監視用最終防衛ライン!!」
🐿️「なんでうちだけ!?」
🐵「www」
🐷「www」
🐿️「しかもなんでそこだけ完璧に覚えとんねん!」
🐵「覚えやすいから」
🐷「な!」
🐿️「どこがや!」
🐵「ほな、帰り道最後の良心ツッコミ自動生成型エンターテイナー監視用最終防衛ライン、また明日!」
🐷「またなー!」
🐿️「もうピーでええやろ!!!」
キーとブーは笑いながらそれぞれの道へ歩いていった。
ピーは二人の背中を見ながら、小さくため息をつく。
🐿️「……絶対明日には忘れとるからな」
翌日。
三人がいつもの場所で顔を合わせる。
キーとブーはピーを見つけた瞬間、顔を見合わせた。
🐿️「……まさか」
二人は大きく息を吸う。
🐵🐷「おはよう、帰り道最後の良心ツッコミ自動生成型エンターテイナー監視用最終防衛ライン!!」
🐿️「なんで覚えとんねん!!!」
第1回あだ名大会。
新しいあだ名が定着した者、一名。
本人だけは、最後まで認めなかった。
今回、作りながら大爆笑しました😆
楽しんでいただけましたか?
ではまた次回!
ばいのりちゃ〜