閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
個性
bl要素あり
関係図です
【イチャイチャ・喧嘩上等】
碧───────(天然・距離感ゼロ)──────> 晴人
<───(ウザい・嫌い・でも隣キープ)──晴人
【幼馴染・サバサバツッコミ】
日向<─────(背の低さをいじる)───── 美優
日向 ─────(子供扱いすんな!)─────>
【女子同士・ビミョーな空気】
月 <──(ちょっと意地悪・実は羨ましい)── 恵麻
─── 異性へのちょっと気になる矢印 ───
日向 ─────(可愛いな、守りたい)─────> 月
恵麻──────(実は碧のことが……?)─────> 碧
はい、今回は青春を書こうと思いまして
ちな自己紹介ね
碧 授業は真面目に聞くタイプなのに、中身は完全にうるさい系の陽キャ男子
男 血液型 B型まぢで天然タイプで、よく晴人をおんぶしたりしている。(ここがbl要素ね)
晴人
なんか色々ウザめちくり魔 陽キャでしかないタイプ
男 血液型 A型 まぢで照れ屋で、碧によくおんぶされている(ここがbl要素ね)
日向
なんか月が好きな男。百人一首オタクらしい愛され系男子⭐︎
男 血液型 O型 めちゃめちゃ百人一首強くて、百人一首の化け物と呼ばれているけど、結構メンタル弱くて年に一回くらいずっしりと病み期がくる。
月
なんかいっつも授業中寝てる女。やばいくらいに顔面国宝級。ブカブカの水色ジャージを着ており、いつかそのサイズくらい成長するのが夢らしい。すごく天然だけどぶりっ子じゃない憎めない可愛さ。
女 血液型A B型 なんか普通にモテてる。みゆのこと大好きで、(恋愛的じゃなく)めちゃ遊んでる
美優
なんか普通に気が使えるお姉さんタイプの女。こちらも面倒見が良くいい意味でお嬢さん。肌が真っ白で良く体調が悪いと勘違いされるのが最近の悩み。月と肌真っ白すぎて体調悪いと勘違いされる同盟を組んでいる。(え?)
女 血液型謎型
恵麻
いつかギャルを目指しているただのインキャ。ツンデレ。だけど作者はどこでデレるんだろうとしか思っていない。
女 血液型O型
これで全員分の自己紹介は終わったと思います
始まりまじまり
五限目の理科。移動教室に向かう小学五年生の廊下は、おもちゃ箱をひっくり返したような騒がしさだった。「おーい! 遅れるぞ、みんな早くしろよー!」 廊下の先から、大きな声を張り上げながらブンブンと手を振っているのは碧(あお)だ。授業は真面目に聞くタイプなのに、中身は完全にうるさい系の陽キャ男子。その隣には、彼に腕を掴まれた晴人(はると)が、般若のような顔で引きずられている。「っ……離せよ碧! お前マジでウザい、大嫌いだって言ってんだろ!」「えー? 何言ってんだよ晴人、俺たち大親友だろ? ほら、置いてっちゃうぞー!」「誰が親友だ! っ、お前距離感バグってんだよ……!」 晴人は顔を耳まで真っ赤にしてジタバタと暴れているが、碧は天然なので1ミリも照れる様子がない。むしろ「晴人は今日も元気だなあ」と嬉しそうに、きゅっと晴人の肩を抱き寄せている。客観的に見ればどう見てもイチャイチャしている男子二人の後ろを、日向(ひなた)と美優(みゆ)の幼馴染コンビが歩いていた。「あいつら、廊下で大声出しすぎ。恥ずかしくないのかな」 美優がサバサバした調子で呆れたように言う。「あはは、碧はいつも通りだよ。……でも! 僕だって碧に負けないくらい、次の理科の実験は張り切ってるんだからね! これでも僕は、月(るな)ちゃんよりは背が高いんだし!」 クラスの愛され低身長キャラである日向は、むんっと小さな胸を張った。そんな日向を、美優は涼しげな目で見下ろす。「はいはい。背はちっちゃいのに、元気だけはあるよね、日向は」「子供扱いすんなってば、美優!」 そんな賑やかな面々のさらに後ろを、おっとりと歩く影がひとつ。 星宮月――顔面国宝級のゆるふわ美少女は、今日もブカブカすぎる水色のジャージに身を包んでいた。肩までのツーサイドアップを揺らしながら、まだ半分夢の中にいるような足取りだ。「……ふわぁ……。理科室、遠いなぁ……」「ちょっと、月。歩くの遅すぎなんだけど」 月の隣で、髪をいじりながらトゲのある声をだしたのは恵麻(えま)だった。ギャルになることを夢見ているインキャな彼女は、生まれつき完璧な容姿を持つ月に、どうしても素直になれない。「てか、その水色ジャージ、マジでいつになったらサイズぴったりになるわけ? ウケるんだけど」 恵麻が少し意地悪な目で、月の大きすぎる袖をツンツンと引っ張る。 だが、月は怒るどころか、ぽやんとした顔で微笑んだ。「ん……? えまちゃん、おはよ……。うん、いつか、このジャージが似合う大人になるのが……私の夢なの……」 ミステリアスな癒やしオーラを放つ月に、恵麻は「チッ」と小さく舌打ちをして顔を背けた。 実は、恵麻の視線の先には、相変わらず晴人とベタベタしている碧の姿がある。恵麻は碧のことが少し気になっているのだが、自分の性格のせいで輪に入れず、おまけに碧は晴人にばかり構うので、内心イライラが止まらないのだ。 その時、前を歩いていた日向が、トボトボ歩く月に気づいてパッと顔を輝かせた。「あ、月ちゃん! 危ないよ、足元に荷物がある!」「……え?」 月が足元に目を落とすより早く、日向がタタッと駆け寄る。日向は、自分より小さくてジャージに埋もれている月を見ると、どうしても「男の子として守ってあげなきゃ」と思ってしまうのだ。「ほら、僕に掴まって!」 日向が小さめの手を差し出す。 それを見た美優が「はいはい、男の子ぶっちゃって」とニヤニヤし、恵麻はつまらなさそうに爪を見つめ、碧は「お、日向、ヒーローみたいだな!」と晴人を巻き込んでガヤを入れ始めた。 廊下の真ん中で、小5の複雑な関係性が交錯する。「――わ、わわっ!?」 差し出した手をすり抜け、ぽてぽてと斜め後ろによろけていった月(るな)の姿に、日向(ひなた)は差し出した手の形のまま固まった。「……ふぁぁ……。日向くん、ありがと……でも、大丈夫……」 月はブカブカの水色ジャージの袖をパタパタと揺らしながら、眠そうに目をこすっている。よろけたはずなのに、まるで最初からそこに落ちていた習字道具のバッグが見えていたかのように、完璧なステップで危険を回避していた。おっとりしているのに、こういう時の身のこなしは謎にスマートなのが、月のミステリアスなところだ。「も、もう! 危ないな。僕、すっごくハラハラしちゃったんだからね!」 日向は顔を少し赤くしながら、男の子らしく守れなかったことがちょっと悔しくて、ぷくっと頬を膨らませた。 そんな日向の様子を見て、幼馴染の美優(みゆ)が、待ってましたとばかりに吹き出す。「くくっ……あはは! 日向、せっかくカッコつけたのに、スカされてやんの。ウケる」「美優! 笑うなよー! 僕は真面目に心配したんだから!」「はいはい、お疲れ様。やっぱり日向は、月ちゃんの後輩って感じだねー」「後輩じゃないやい! 同級生だし、僕の方が背は高いもん!」 サバサバといじってくる美優に、日向が必死に抗議している。 その様子を少し離れたところから見ていた恵麻(えま)は、フンと鼻で笑った。「何あれ。バカみたい。っていうかさ、月、あんた本当はわざと避けたでしょ。日向の優しさを無駄にするとか、マジ性格悪ーい」 ギャルになりたい恵麻は、トゲのある言葉で月に突っかかる。生まれつき顔面国宝級のゆるふわな月が、男子に無自覚に構われているのがどうにも面白くないのだ。 けれど月は、やっぱりぽやんとした顔のまま。「えまちゃん……性格悪いの……? ううん、えまちゃんは、いつも声をかけてくれて、優しいよ……?」「はぁっ!? な、何言ってんの、ウチが優しいわけないじゃん! からかってんの!?」 純粋な瞳で褒められてしまい、恵麻は予想外のカウンターに顔を真っ赤にして取り乱す。「あはは! 恵麻、顔真っ赤じゃん! 月の癒やしビームにやられたな!」 そこへ、相変わらず晴人(はると)の肩を組んだままの碧(あお)が、天然全開の笑顔で割り込んできた。「月はさ、眠そうにしてるけどテストいつも満点だし、実は超能力者なんじゃね? なぁ、晴人!」「知るかバカ! っていうか、人の肩を肘置きにするな! 重い、離れろっ!」 晴人は碧の胸元をぐいぐいと押し返そうとするが、碧は「えー、いいじゃん減るもんじゃなし!」とケラケラ笑って、ますます晴人にベタベタと体重をかける。 晴人は「っ……もう、マジで嫌い……!」と悪態をつきながらも、その顔はさっきから赤くなったままだ。なんだかんだ言って、碧の隣から無理に逃げようとはしない。 そんな二人を目の前で見た恵麻は、カチリと奥歯を鳴らした。(なんなのあいつら……男子同士でベタベタして、マジ意味不……。っていうか碧、少しはウチのこと、見なさいよ……!) 恵麻の心の中のイライラは最高潮に達しようとしていた。 そんなカオスな廊下の喧騒を通り抜け、一同はようやく目的地の理科室の前にたどり着く。 重い木製のドアを開けると、理科室特有の、少しひんやりとした薬品の匂いが鼻をくすぐった。
「うぇー、、薬品の匂い嫌いなんだよね、、僕」日向が口を開く。しょうがないだろうとみゆが突っ込むが、正直薬品の臭いはしょうがない。好みが分かれるだろう
「よし、今回の実験は、この廊下のメンバーで同じ班な!」 理科室に入るなり、碧(あお)が元気よくそう宣言した。 こうして、碧、晴人(はると)、恵麻(えま)、月(るな)の四人は、理科室の一番奥の実験机に並んで座ることになった。 実験の準備が始まると、さっそく碧の距離感バグった行動が炸裂する。「晴人、このガラス棒持ってて! あ、危ねっ、落としそう!」「ちょっと碧、危ないってば! ……あ」 慌てた碧が晴人の手を上からがしっと握りしめ、二人の距離が急接近する。碧は天然なので「セーフ!」と笑っているが、晴人は耳まで真っ赤にして「っ……自分で行きなよバカ!」とそっぽを向いた。 その様子を正面の席から見ていた恵麻は、持っていたプリントの端をギリ……と握りしめる。(なんなのあいつら……男子のくせに、マジでイライラする……!) 碧のことが気になる恵麻としては、二人のイチャイチャが面白くない。恵麻はわざとトゲのある声で碧に話しかけた。「ねえ碧。そんなに晴人とベタベタしたいなら、ウチ、席替わってあげてもいいんだけど? 邪魔だし」 ギャル風の冷たい視線。普通なら空気が凍るようなセリフだが、碧は「え、マジで!?」と目を輝かせた。「じゃあ恵麻、俺の隣来る? 恵麻、爪に可愛いシール貼ってるし、実験の時によく見えそうだしさ!」「はぇっ!? つ、爪……っ!?」 碧に悪気は一切ない。単に恵麻のネイルシール(ギャルへの憧れ)を褒めただけなのだが、不意打ちのセリフに、恵麻は「べ、別にアンタに見せるためじゃないし!」と顔を真っ赤にしてツンっとそっぽを向いてしまった。 そんな三角関係(?)のバチバチが机の上で繰り広げられる中、隣の月はというと。「……すぅ……すぅ……」 実験用の丸椅子の背もたれがないのにもかかわらず、ブカブカの水色ジャージに埋もれながら、器用にコクコクと船を漕いでいた。おっとり居眠り常習犯の月には、目の前の修羅場が全く目に入っていないようだ。 その時、理科の先生が黒板を叩いた。「はーい、じゃあ実験の手順を説明するぞ。黒板に書いた、液体を混ぜる順番を間違えると、実験は失敗するからな。分かる人?」 教室が静まり返る中、碧が「えーっと、どれだっけ……」と頭を抱え、恵麻も「ウチ、聞いてなかったし……」と気まずそうに目をそらす。 すると、さっきまで眠そうにしていた月が、ゆっくりと、けれど迷いのない動作でブカブカの袖から真っ白な手を挙げた。「……はい……。まず、青い液体を三ミリリットル入れて……そのあと、透明な液体を、ゆっくり落とします……」 教科書もノートも開いていないはずなのに、月は先生が先週ボソッと言っていた発展内容まで完璧に答えてみせた。 これには、いつも隣をキープしている晴人も、目を丸くして驚いている。「――っ、ちょっと碧(あお)! 混ぜる順番が逆だってば!」 晴人(はると)の悲鳴のような鋭い声が、理科室の奥の班に響き渡った。「え? あ、やべっ……!」 碧が天然全開で手元を誤り、月(るな)が教えてくれた順番とは真逆の順番で、ビーカーに薬品をドボドボと注ぎ込んでしまったのだ。 二つの液体が混ざり合った瞬間、ビーカーの底から「シュワシュワシュワッ!」と不穏な爆発音が響き、真っ黒な泡がブクブクと激しく湧き上がってきた。「きゃああっ!? ちょっと何これ、爆発するぅ!!」 ギャルを目指す恵麻(えま)も、この時ばかりは素のインキャに戻って椅子ごとひっくり返りそうな勢いで飛びのいた。「うわあああ! 晴人、恵麻、危ないっ!」 碧は慌てて、自分のすぐ隣にいた晴人の体をがしっと抱きすくめて庇う。 が、あまりのパニックで距離感が完全にゼロになり、晴人を床に押し倒すような形でガチのハグ状態になってしまった。「っ……ひゃ、碧!? お前、どけ……っ!」 晴人は薬品の恐怖と、碧の心臓の音がすぐ耳元で聞こえる恥ずかしさで、顔から火が出そうなほど真っ赤になってジタバタと暴れる。 そんな二人をよそに、ビーカーの黒い泡は「ポンッ!」と小さな音を立てて、激しく飛び散った。 万事休す――。誰もがそう思った次の瞬間。「……ん……。これ、危ない、よ……?」 おっとりとした声と同時に、水色のブカブカなジャージの袖が、ひらりと目の前を舞った。 さっきまで居眠りをしていたはずの月が、いつの間にか席を立ち、手元にあった中和剤の粉末をビーカーへ完璧な角度でサラサラと投入したのだ。 シュウウウ……。 激しく飛び散りそうだった黒い液体は、月の神業のような手際によって、一瞬で大人しい透明な水へと姿を変えた。 飛び散った薬品のしぶきも、月がサッと掲げた大きすぎるジャージの袖が盾となり、全員の服を完璧にガードしている。「……ふぅ……。セーフ……だね……?」 月はツーサイドアップの髪を揺らし、何事もなかったかのようにパタパタと袖の汚れを払った。相変わらずおっとりしているが、その動きはまるで未来を予知していたかのように無駄がない。「す、すっげえええ! 月、お前マジで何者だよ!?」 床に晴人を組み敷いたままの碧が、目を輝かせて拍手を送る。「……っ、もういいから早くどけバカ碧!」 晴人は碧の胸を思いっきり突き飛ばして立ち上がると、真っ赤な顔を隠すようにツンとそっぽを向いた。しかし、碧が真っ先に自分を庇ってくれたことに、胸の奥がドクドクと高鳴っている。なにそれ。反則じゃん、、、ほっといてよ 一方、椅子にしがみついてガタガタ震えていた恵麻は、そんな二人を見て、またしてもイライラが込み上げていた。(……碧のバカ。ウチのことなんか一瞬も見なかったくせに、晴人のことは真っ先に守るんだ……) 恵麻は悔しさと寂しさで涙目になりながら、ツンと唇を尖らせる。 おい! 奥の班、今すごい音がしたぞ! 何やってんだ!」 先生の怒鳴り声がひびく中、碧(あお)は「あはは、ちょっと失敗しちゃって……」と、いつもの調子で頭を掻きながら笑おうとした。 けれど、その手が不自然に震えている。「……っ、碧、お前それ……!」 真っ先に気づいたのは、目の前で突き飛ばしたはずの晴人(はると)だった。 碧の右手の甲から、だらりと赤い血が流れている。さっきビーカーの薬品が小さく弾けた時、晴人の体を必死に床へ押し込んで庇ったせいで、割れたガラスの破片が当たってしまったのだ。「え? あ、本当だ。ちょっと擦っちゃったみたい」 碧は自分の怪我には全く無頓着で、天然な笑顔のまま「でも晴人が無事でよかったよ!」なんて平気な顔で言う。「バ、バカじゃないの……!? 人の心配してる場合かよ!」 晴人の声が裏返った。碧が自分を守るために怪我をしたのだと察した瞬間、胸が締め付けられるように痛む。晴人は慌てて碧の手首を掴むと、今までにないくらい顔を真っ赤にして、必死に涙目を堪えながら先生に向かって叫んだ。「せ、先生! 碧が怪我しました! 僕、こいつを保健室に連れていきます!」 いつもは「大嫌い」と言ってベタベタされるのを嫌がっている晴人が、今は自分から碧の手をぎゅっと握りしめて離さない。「え、あ、ウチも……!」 その光景を特等席で見ていた恵麻(えま)は、完全に置いてけぼりだった。 碧が怪我をしたのは心配だし、本当なら自分が「大丈夫!?」って駆け寄りたかった。でも、二人の間にある強い絆のようなものを見せつけられて、足がすくんで一歩も前に出せない。悔しさと嫉妬で、恵麻の胸は張り裂けそうだった。「……先生、実験の後片付けは、私とえまちゃんで……やっておくね……?」 その緊迫した空気をふわりと和らげたのは、月(るな)のおっとりした声だった。 月はいつの間にか、碧が怪我の原因になった床のガラス破片を、ブカブカのジャージの袖を汚さないように器用にホウキで集めている。ミステリアスなほど冷静な月のおかげで、先生も「お、おう、星宮、助かる。……よし、晴人、碧をすぐ保健室に連れて行け!」と指示を出した。「ほら、行くぞ碧!」「う、うん。ありがとな、晴人。……あ、恵麻、月、片付けごめんな!」 晴人に腕を引かれながら、碧は申し訳なさそうに振り返る。 理科室を飛び出していく二人の後ろ姿――。碧の手を引く晴人の耳は、廊下に出てもまだ真っ赤に染まったままだった。
「ちょっと晴人(はると)、歩くの早ぇって! 俺、手は痛いけど足はピンピンしてるからさ」「うるさいバカ碧(あお)! いいから黙ってついてこい!」 晴人は碧の手首を掴んだまま、一度も振り返らずに突き進む。その小さな背中が少し震えていることに、碧はさすがに気がついた。いつもはあんなに「触んな」って怒る晴人が、今は痛いくらいの力で自分の手を握りしめている。 ガラガラ、と保健室の引き戸を開けると、運悪く(あるいは二人のために運良く)保健の先生は不在だった。「……先生、いないな。出張中かな」「チッ、使えねぇな……。座れよ碧。僕がやるから」 晴人は碧を丸椅子に乱暴に座らせると、手慣れた様子で救急箱を持ってきて、その前にしゃがみ込んだ。 消毒液を綿棒に染み込ませ、碧の右手の甲に、おそるおそる近づける。「ちょっと、しみるからな……。痛かったら言えよ」「ん、平気――っ、いったぁ!」「ほら見ろ! 強がんじゃねぇよ!」 晴人は怒鳴りながらも、次の瞬間には、怪我口に優しく「ふぅー、ふぅー」と息を吹きかけていた。小学五年生の、少し冷たい男の子の息が、じんわりと碧の傷口をくすぐる。「……晴人、怒ってる?」 碧が覗き込むようにして尋ねた。「怒ってねぇよ!」「嘘だ。だって、さっきから一回も俺の目、見ないじゃん」 碧の言葉に、晴人の手がピタッと止まる。 晴人はきゅっと唇を噛み締め、持っていたピンセットを握りしめた。その目には、じわじわと涙が溜まっていく。「……当たり前だろ。お前、なんであんなバカなことすんだよ」「え?」「怪我するなら僕がすればよかったじゃん! なんでお前が割って入ってくんだよ……っ! 僕を守るために碧が傷つくなんて、そんなの、全然嬉しくない……っ!」 ポタポタと、晴人の目から大粒の涙がこぼれて、碧の膝の上に落ちた。 いつも「大嫌い」と言って壁を作っていた晴人が、初めて見せた本音の涙だった。 碧は少しだけ目を見開いた。照れるという概念がないはずの碧の胸の奥が、その時、初めてドクンと大きく跳ね上がった。 泣いている晴人の顔が、どうしようもないくらいに愛おしく思えてしまう。「……晴人」 碧は怪我をしていない方の左手を伸ばし、晴人の涙で濡れた頬をそっと包み込んだ。 そして、いつものおちゃらけたトーンではなく、少し低く落ち着いた声で、真っ直ぐに晴人の目を見つめた。「俺さ、晴人が無事なら、手が一本動かなくなっても構わないって本気で思ったんだよね。だからさ、泣かないでよ。俺のヒーロー」「っ……な、何言ってんだよ、お前マジで頭おかしい……!」 至近距離でそんなことを天然で言われ、晴人は涙を流したまま、今度は耳まで完全に茹だるような真っ赤に染まった。碧の左手の体温が、頬から全身に伝わって、心臓が爆発しそうに暴れ出す。「嫌い……っ、やっぱりお前なんか、大嫌いだ……っ!」 晴人はそう毒づきながらも、碧の手のひらから顔を背けることはできず、差し出された包帯をぎゅっと碧の手に巻き付けた。その結び目は、不器用だけど、絶対にほどけないくらいに固く結ばれていた。「――おいお前ら、何やってんだ!!」 ガラガラッ!!と、保健室の引き戸がものすごい勢いで開け放たれた。 そこに立っていたのは、出張から戻ってきたばかりの、うちの学年で一番怖いと評判の体育教師(兼、保健室の留守番を頼まれていた先生)だった。 部屋に入ってきた先生は、しゃがみ込んで涙目をしている晴人(はると)と、その頬に手を添えて怪しい至近距離でポエミーなセリフを吐いていた碧(あお)の姿を、信じられないものを見るような目で凝視した。「先生がいないのをいいことに、保健室でサボりか!? 男子同士で何をしてるんだお前らは!」「あ、いや、これは手当てをしてて……」「言い訳は職員室で聞く! 二人とも、そこで正座しろ!」 先生の雷が落ちた瞬間、二人の脳内にまったく同じ警報が鳴り響いた。((やべー! 捕まったら放課後までガチ説教コースだ!!))「……晴人、逃げろおお!!」「っ、お前が言うなバカ碧!!」 碧は叫ぶやいなや、包帯を巻かれたばかりの右手で晴人の手首をガシッと掴んだ。 そして先生の脇をすり抜けるようにして、脱兎のごとく保健室を飛び出したのだ。「これ! 待ちちなさい! 碧! 晴人!」 後ろから先生の怒号が追いかけてくるが、知るものか。小5の男子二人は、アドレナリン全開で廊下を爆走した。「ははは! 晴人、前見て走れよ!」「笑い事か! お前のせいで僕まで犯罪者みたいになってるだろっ!」 文句を言いながらも、晴人は碧に引かれる手を絶対に離そうとはしなかった。 全力で走る廊下、窓から差し込む午後の光。碧の怪我した手から伝わる体温と、さっき頬を触られた感触がまだ残っていて、晴人は心臓が破裂しそうだった。 二人が息を切らせて3組の教室に滑り込むと、そこには実験の後片付けを終えて戻ってきた月(るな)と恵麻(えま)、そして心配して待っていた日向(ひなた)と美優(みゆ)の姿があった。「あ、碧! 晴人! 大丈夫だった!?」 日向がパッと顔を輝かせて駆け寄ってくる。その後ろで恵麻が「なんか、先生に追われてる足音が聞こえた気がするんだけど」とサバサバ笑っている。「ちょっと二人とも……何、手繋いで走ってきてるわけ? マジ意味不なんだけど」 恵麻は、教室に戻ってきてもまだガッチリと手を繋いでいる二人を見て、顔を引きつらせながらトゲのある声をあげた。 すると、窓際の席でブカブカの水色ジャージに埋もれていた月が、ゆっくりと顔を上げた。「……おかえり……。あおくんと、はるとくん……。なんだか、とっても……『あつあつ』だねぇ……?」 おっとりとした声で、月は核心を突くようなミステリアスな笑みを浮かべた。
2人は冷や汗をダラダラと流しながら荒い息を吐いていた
「はぁ、、、」
月が言う「保健室で鬼ごっこでもしたの?」
「あー、、疲れた、、2人とも、、あ、鬼ごっこはしてないけど鬼が来た瞬間逃げ出した(?)」
そして日向と美優が碧の元に駆け寄ってくる
「大丈夫!?心配したんだからッッッ!!」
「日向心配しすぎー、、wでも大丈夫?」
「大丈夫ドヤァ晴人が手当してくれたもんねーw」
「は、!?黙れしてない、!!!」
こうして、クッソだるい理科の授業はエモさとらぶみで乗り越えました。
それでは文字稼ぎのためになんかしますね
晴人&碧カップル最高な?タグ作っときますね!個人的にはこのペアが1番好きなんですよ
みんなも晴人&碧のこと好きだったりききたいことがあったら主に申してくれ!
はい、10000文字ですね
やったああ
過去最高だよん
ちなこれ実話だよ?少しフィクション含む
お知らせ
関係図変更
関係図変更!
早いけどねなんかちょっと飽きてきて(は?)
最新の関係図はこちら
【おっとり美少女・月の取り合い】
日向(ひなた) ───(男の子として守りたい!)───> 星宮 月
碧(あお) ───(天然だけど、月が可愛い)───> ▲
│
【ひそかな片思い・ツンデレ風味】 │
晴人(はると) ────(実は恵麻のことが好き)────> 恵麻(えま)
<────(何アイツ、意味不)────
【サバサバ幼馴染】
美優(みゆ) ───(日向の恋路をニヤニヤ応援)───> 日向
こんな感じです
それぞれ好きな人
碧 月
晴人 恵麻
日向 月
月 月
美優 無
恵麻 無
月は碧のことがす、、す、、す!!
君との時間を抱き締めて#自然学校編 第一話
おっとり美少女のひそかな恋心】
星宮 月 ─────────(実はあおくんが好き)─────────> 碧(あお)
▲ ▲
│ │
(男の子として守りたい) (天然・可愛いな)
│ │
日向(ひなた) │
│
【ひそかな片思い・ツンデレ風味】 │
晴人(はると) ────(実は恵麻のことが好き)────> 恵麻(えま) ─(何アイツ、意味不)
【サバサバ幼馴染】
美優(みゆ) ───(月のことが好きだと知っているが恋してしまう、、禁断の恋!)───> 日向
関係図
新幹線の中、6人が座るボックス席は旅行特有のハイテンションに包まれていた。いつも通り距離感ゼロで晴人に絡む碧と、顔を真っ赤にして「大嫌い!」と怒鳴る晴人。それを見て「男子ってバカ、意味不」と毒づくギャル志望の恵麻。月は、ブカブカの水色ジャージのポケットから、京都限定の抹茶クッキーを取り出し、恵麻へ「はんぶんこ、しよ……?」とおっとり差し出す。恵麻はツンデレながらも嬉しそうに受け取り、二人の女子の絆は静かに深まっていた。京都に到着後、百人一首オタクの日向が「いにしえの奈良の都の八重桜……あぁ、奈良も行きたかったなぁ!」と悔しがると、恵麻が「今秋だし、咲いてないから。マジバカじゃないの」と性格悪めのストレートなツッコミを入れる。落ち込む日向に、月は「写真に私が桜の絵、描いてあげるね」とおっとりなだめ、日向は自分より少しだけ背が低くてジャージに埋もれる月を「男の子として絶対に守りたい」と改めて心に誓うのだった。
さて、名所巡りも終わり、もうそろそろ消灯時間。みんなでワイワイ盛り上がっていると、廊下の向こうから「早く寝なさい!」という、学年で一番厳しい鬼先生の怒鳴り声とドタドタという足音が近づいてきた。 男子3人が自分の部屋に戻る時間はもうない。 美優(みゆ)がサバサバとした手際でパパッと部屋の電気を消し、6人は暗闇の中で近くにあった布団の中へと、パニックになりながら一斉に滑り込んだ。
狭い布団の中で、6人の体がぎゅうぎゅうに押し込められる。 お互いの体温がすぐ近くで伝わる暗闇の空間で、それぞれの胸の奥にある「ひそかな恋心」が、静かに、けれど熱く交錯していた。 月(るな)のすぐ隣には、碧(あお)がいた。 ブカブカの水色ジャージを着た月は、暗闇の中で碧の男の子らしい輪郭をじっと見つめる。いつもならおっとり居眠りしている月だったが、大好きな碧がすぐ隣にいるというだけで、ジャージの中で心臓がトクトクと激しく暴れていた。 月は顔を真っ赤に染め上げながら、ジャージの襟元に顔を深くうずめ、ただ碧を近くに感じていたいというひそかな片思いのアピールをしていた。 碧はいつも通り「月は可愛いなあ」と流せるはずだったが、その瞬間に胸の奥がドクンと大きく跳ね上がった。ジャージ越しに伝わる月の女の子らしい甘い香りと、いつも通りの、けれどどこか特別な雰囲気。碧は初めて、月を一人の女の子として強烈に意識し始め、顔を真っ赤にしてフリーズした。
日向side
え、なにこれ。
もしかして月ちゃん碧のこと好きなの、、?そんなの嫌だ、、、絶対好きにさせる、、、
惚れさせないと、、取られちゃう、そんな気がした。中学校が違うなら今のうちに好きにさせたい、、お願い僕にも振り向いて、、!!
美優side日向が声をあげそうになるのをサバサバと片手でロックしながらしっかりと月へ目線を送ることにした。
少し悲しんでいる日向を見るとやっぱり胸が痛んで、少し困惑した。私はどうすれば良いのだろうか。
「大丈夫だって、、!!!」
即答された。
「お前は好きじゃないんだよッ!俺の気持ちわかんねぇだろうが!!」
「お前は好きじゃないんだよ」
え……っ」 美優のサバサバとした笑顔が、一瞬で凍りついた。 いつもなら「はいはい、子供扱いされたって怒んないの」と流せるはずの美優の言葉が、どうしても出てこない。 美優は、日向のことが好きだった。 幼馴染としてずっと一番近くにいて、日向のちっちゃな背中も、一生懸命なところも、全部ずっと特別に想っていた。「(戻れ、、いつもの私、、戻って、、」)日向が月を好きだと知った時も、胸が張り裂けそうなほど苦しかったけれど、大好きな日向の笑顔が見たいから、自分の恋心を必死に隠して、サバサバしたお調子者を演じて彼の恋を応援し続けていたのだ。 一番傷つきたくない相手から、一番言われたくない言葉で、自分のひそかな恋心を真っ向から否定され、侮辱された。美優の涼しげな目から、今にも涙がこぼれ落ちそうになる。 部屋の空気が、一瞬にして凍りついた。 日向の突然の暴言に、碧も晴人も恵麻も、完全に言葉を失って立ち尽くしていた。 美優はゆっくり口を開いた。
「……っ、もう最低。日向なんて、マジで大嫌い」 恵麻(えま)が今までにないくらい鋭く、トゲのある声で言い放った。いつもは性格悪げに男子をいじっている彼女だが、今の目は本気で怒っていた。同じ女子として、そして素直になれない不器用さを知る者として、美優(みゆ)の傷ついた心が痛いほど分かったからだ。「え、あ……っ」 日向(ひなた)はその恵麻の声と、美優の今にもこぼれ落ちそうな涙を見て、自分がどれほど酷い侮辱を口にしてしまったのかに気づき、一瞬で顔を真っ青にさせた。月(るな)への焦りから完全に心の余裕を無くし、いつも一番近くで支えてくれていた幼馴染の心を、真っ向から踏みにじってしまったのだ。「っ……、僕……」 言い訳すら出てこない日向の前で、美優はきゅっと唇を噛み締めた。いつもならサバサバと笑い飛ばすはずの彼女の肩が、小さく震えている。「……ごめん。私、ちょっと頭冷やしてくる」 掠れた声でそれだけ言うと、美優は溢れそうになる涙を隠すように、引き戸を激しく開けて部屋を飛び出して行った。バタバタと廊下を走っていく足音が、彼女の張り裂けそうな胸の内を物語っていた。「美優……っ! おい日向、お前マジで何言ってんだよ!」 晴人(はると)が怒鳴り、すぐに美優を追いかけようと動き出す。 ――その時だった。「……ひなたくん」 低く、けれど部屋の隅々までカチリと凍りつかせるような声が響いた。 おっとり居眠り常習犯の月が、ブカブカの水色ジャージの袖を静かに揺らしながら、日向の前に立ちはだかったのだ。 顔面国宝級のゆるふわな顔からは、いつものぽやんとした癒やしオーラが完全に消え去っていた。その瞳には、かつて理科室の爆発の危機を未然に防いだ時のような、あるいはそれ以上の、謎の天才特有の冷徹な煌めきが宿っている。圧倒的な威圧感に、日向は息を呑んで動けなくなった。「月、ちゃん……?」「……ひなたくん。みゆちゃんはね……誰のことも好きじゃない、なんて……ないよ……? みゆちゃんは、ずっと……」 月はジャージの襟元に顔をうずめることもせず、真っ直ぐに、冷たく日向を見据えた。謎に頭がいい月は、美優がずっと日向にひそかな恋心を抱き、そのために傷つきながらも彼の恋を応援していたことを、その高い洞察力ですべて見抜いていたのだ。「……人の気持ちが分からないのは、ひなたくんのほうだよ。……今のひなたくんは、めっ……だよ……?」 静かな、けれど逃げ場のない拒絶の言葉。 大好きな月からの、初めて向けられた冷たい拒絶。それが自分のせいで深く傷ついた美優のためのものだと突きつけられ、日向はガタガタと小さな体を震わせ、その場に崩れ落ちるように座り込んでしまった。「碧(あお)、晴人、恵麻ちゃん……。みゆちゃんのこと、おねがい……。私は、ひなたくんの反省を……ここで、見てるから……」 月はいつものおっとりした口調を少しだけ残しながらも、毅然とした態度で3人に指示を出した。お兄ちゃんのジャージに守られながら、月は今、間違ってしまった仲間を正すために、その天才的な強さを見せていた。「おう、分かった。……日向、お前ちゃんとここで頭冷やしとけよ」 碧はいつもの天然な笑顔を完全に消し去り、真剣な男の子の目をして日向を見下ろしたあと、晴人と恵麻を促して、美優の後を追うために部屋を飛び出した。 静まり返った部屋。 泣きそうな顔で床を見つめる日向と、その前に静かに佇む月。 修学旅行の初日の夜は、隠されていた恋心と深い傷跡を曝け出したまま、激しい嵐へと突入していく。みんなが部屋を飛び出していき、開け放たれた引き戸から冷たい廊下の風が入り込んでくる。 静まり返った部屋の中で、日向(ひなた)は畳に両手をついたまま、ガタガタと小さな体を震わせていた。「……っ……、ぅ……っ」 目から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちて、畳に黒い染みを作っていく。 月(るな)への焦りのせいで、自分を見失っていた。いつも一番近くで笑って、自分のわがままや不器用な背伸びを全部受け止めてくれていた美優(みゆ)。その彼女が、本当はどんな想いで自分の隣にいてくれたのか。月の言葉によってすべてを突きつけられた今、日向の胸は、自分のしでかしたことへの激しい後悔と申し訳なさで張り裂けそうだった。「……ひなたくん」 頭上から、ふわりと柔らかい声が降ってきた。 カチコチに凍りついていた月の瞳から、冷徹な煌めきが静かに消えていく。月はおっとりとした足取りで一歩近づくと、床に崩れ落ちている日向の前にゆっくりとしゃがみ込んだ。 サワッ……。 日向の涙に濡れた頭の上に、ぽて、と心地よい重みが乗る。 月が、あのブカブカな水色ジャージの大きすぎる袖を使って、日向の頭をそっと、優しく撫でていた。お兄ちゃんの思い出が詰まった、世界で一番温かいジャージのぬくもりが、日向の震える体を包み込んでいく。「……ひなたくんは、バカ男子、さんだね……」 月はいつものぽやんとした顔面国宝級のゆるふわな笑顔を少しだけ戻し、困ったように眉を下げて微笑んだ。「……みゆちゃんね、ひなたくんが、私のこと『好き』って言うたびに……胸の奥が、ちくちくして……すごく、泣きそうだったんだよ……? でもね、ひなたくんの笑顔が……一番大好きだから、サバサバさんになって、頑張って……応援してくれてたの……」 月はジャージの袖で、日向の頬を伝う涙をそっと優しく拭った。 触れたり、手を繋いだりすることはしない。けれど、その不器用で温かい看病のような仕草には、日向を突き放すためではなく、本当の優しさで諭そうとする月の強い芯の強さがあった。「……そんなみゆちゃんに、『誰のことも好きじゃない』って言うのは……やっぱり、めっ、だよ……?」「ぅ……っ、うわあああぁん……っ!!」 日向はついに声を上げて、子供のようにボロボロと涙を流して泣きじゃくった。 月が自分のことをそんな風に見てくれていなかった切なさと、それ以上に、美優の綺麗で健気な恋心を、自分がどれほど残酷に傷つけてしまったのかという罪悪感が、一気に押し寄せてきたのだ。「ごめん……っ、美優、ごめんなさい……っ! 僕、なんてこと言っちゃったんだろ……っ! 美優の気持ち、何も知らないで……っ!」 日向は小さな拳を強く握りしめ、泣きながら何度も何度も謝り続けた。愛され低身長キャラとしていつも甘えていた日向が、自分の過ちと、他人の本当の痛みに、初めて正面から向き合った瞬間だった。「……ん……。ひなたくん、ちゃんと、分かったね……。……にひ、お利口さん……」 月は少しだけいたずらっぽく、けれどどこかお姉さんのように優しく微笑むと、ジャージのポケットから、京都限定の抹茶クッキーをひとつ、日向の涙で濡れた手のひらにぽんと乗せた。「……これ、食べて……涙を、拭いたら……。……みゆちゃんのところへ、ダッシュ……だよ……?」 おっとりとした、けれど日向の背中を力強く押す言葉。 月はお兄ちゃんのジャージに守られながら、今度は目の前の仲間が、本当の「男の子」として大切な人の元へ走れるように、優しく微笑み続けていた。日向が涙を流して深く反省し、美優の本当の想いに気づいたようだ。
**あいつ、美優に、気づいて欲しいから_____**
おつてぃあ!毎日1〜3本投稿。
夏休みは2本投稿。
よろしくねぇ!リクエスト開始します!
00&00のカプが見たい!っておっしゃってくれれば、、書きますよ