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letter 第四話
応接間の振り子時計が午後6時を示すベルを鳴らした。文はレイニーにひらがなのテキストを持ってきた。
「じゃあまず、これ。なぞってごらん?」
レイニーは薄く書かれた“あいうえお”をなぞった。二、三回ほどなぞった後、横の白紙に書いた。レイニーは種族の頭の構造上、やればすぐ覚えてしまうタイプらしい。
「上手。これは『あいうえお』って読むんだよ」
「あ、い、う、え、お」
「覚えた?」
「うん」
「じゃあ、次。カ行」
その後レイニーはたった一時間半で濁音、半濁音含めたひらがなを全て習得してしまった。
「じゃあ、テスト。これは?」
「だ」
「これは?」
「い」
「これ」
「す」
「これ」
「き」
「繋げて言ってみて」
「だ、い、す、き。?」
文は悪戯っぽく笑うだけだった。レイニーはそれを見ると、なぜか頭についた耳に力が入らず、垂れてしまうのであった。