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時雨と僕
待望の読者リクエスト!
時雨が降っている。
ぱらぱらと。
雨粒が|滴《したた》る。
僕を濡らす。
服が染み付いて気持ち悪い。
土臭い匂いが辺りに充満する。
僕は傘をさしていなかった
雲が泣いている。
ザーザーと。
さっきから少し強まってきた。
厄介だ。
植物の恵みなど梅雨知らず、後悔する。
時雨心地が心に染み入る。
僕は傘をさせなかった
「しぐれ,,,。」
思わず声に出た。
僕に同じくびしょ濡れになった彼女が振り返る。
会うつもりはなかった。しょうがない。
「ういっ。」
「なんだその挨拶。」
「かわいいでしょ。」
彼女は|詩仇玲憂壱《しぐれうい》。
僕に恋しぐれを起こしている。
傘はささない
「今日はなんで傘さしてないの?」
「忘れてきたんだよ。」
「まぁ急だったしね〜。」
「雨はいつも急だな。」
「もう少しで晴れるよ。」
「本当に?」
「予想〜♪」
「全く,,,。」
,,,ほら。晴れてきたでしょ?
全く、|天《あめ》はいつも急だ。
曇り蒸れた空が段々明るくなっていく。
いつかこの天気のように、
世界はほんの気まぐれで終わるかもしれない。
ほんの気まぐれと
傘忘れみたいなちょっとしたヘマで。
空が虹を描く一方で詩仇玲と僕はびしょびしょのまま歩きだす。
草も諦めて枯れていきそうな
この不安定な世の中でも。
地面にカサができるほどの雨水は
ほんの数秒で静かに消え去った
だいぶかかってしまいました。
リクエスト2作目。
案外良作かも。
企画に応募した。