公開中
くも
庭でクモを潰した。
豪雨明けの快晴で、草は茂り、いい景色だった。
潰したクモを、小鳥が食べにきた。
可愛げがない見た目の鳥だった。
食ってやろうかと思ったが、さっきからしつこく飛び回るアブを、
パクッと食べたので、見逃してやった。
家に戻ろうとすると、またクモがいた。
しかし、そいつはクモと言うよりは、蜘蛛と言うのが良さそうなやつだった。
そいつは潰したやつ程明るく動き回らず、ジッと私を見ていた。
私もジッと見た。
いつか空に浮かぶ雲のように、フワフワと何処かへ行ってしまうのなら、
もう少し、そばにいてほしかった。
私はそいつを、その蜘蛛を飼うことにした。
100均で買った、無駄に整った容器に、
土と少しの葉っぱ。そして大きめのミミズを一匹入れた。
蜘蛛も土も生き生きすると思ったから。
クモにも水分が必要らしいので、昆虫ゼリーの容器に天然水を入れてやった。
たくさん餌となるハエやダニをあげた。
一年が経ったある日、蜘蛛は死んだ。
何故かは分からない。
その頃には、蜘蛛は懐いていて、
動かなくなる前日まで、私の腕の上を元気に走り回っていた。
翌日、空を見ると、あの蜘蛛のような、小さな雲が一つだけ、近くに浮かんでいた。
生憎その日は風が強かったため、
私を見つけるなり、フワフワと何処かへ行ってしまった。
何だこれは。
企画に出しました。
こんな浅はかなものでも刺されば嬉しいです。(サイコパスのセリフみたい)
参加理由は詩を知ってもらうためです。
(前文からして詩じゃなく死では?)