公開中
第二話 いじめ
スライム
一歌「…いじめ?」
結月「うん。私が入学してきたぐらいのときのことで、」
---
きっかけは本当に単純でくだらないものだった。
いじめの主犯格が気に入っている先生のテストで
私はあいつにカンニングされていた。
だから先生に言っただけなのに
私は100点で、あいつが0点だっただけなのに
「お前先生にチクっただろ」
「調子乗ってんの?」
「まじウザイ」
ウザイのはそっちだろ
そっちがカンニングしなければ良かったんじゃん
そんな言葉が喉まで引っかかってきたけど、
大事にしたくなかったから無視することにした
それが駄目だったらしい。
その日から物を隠されたり、教科書が破かれていたり。
ここまでだったらまだ良かった
いつからか机に落書きされたり、上靴の中に画鋲が仕掛けられたり、
挙句の果てには階段から突き落とされそうになった。
周りの大人は知らないフリ
親に相談しても
「そんなの気にしないの、世の中にはもっと苦しい人だっているのよ」
「アンタは十分恵まれているんだから」
そうかもしれないけどさ
親に言っても「気にしない」
先生に言っても「証拠がない」
ネットで呟いても「承認欲求高すぎでしょ」
やめてと言ったら「調子乗んな」
…どうしてよ…
この世界には
私のことを見てくれる人はいないの?
---
私は今まで自分の中に溜まっていた"モノ"を全て吐き出した
結月(どうせまたなんか言われるんだろうな…)
顔を上げたら
一歌は 今にも泣き出しそうな表情を浮かべていた
結月「……」
なんで?
結月『なんで貴方が、そんな顔をしているの?』
心で思っていたことと言ったことがピッタリと重なった
一歌「…だって、あまりにも悲しくて…」
一歌「可哀想だから…」
その瞬間私からも涙が溢れ出した
我慢していたものが
その一言を聞いた瞬間に吹っ切れた
悲しくて泣いている訳ではない
もしかしたら私は、ずっとこの言葉を言って欲しかったのかもしれない。
結月「…そこは…私が泣くところでしょ…」
一歌「…ごめん…でも、どうしても悲しくて…」
屋上で人間と幽霊が泣いていた
その光景は、霊感がある人が見たらあまりにも奇妙であっただろう。
だけど、私たちは2人で泣き続けた。
いつまでも…泣き続けた。