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忘我の生 prologue
お母さんへ
こんにちは............お元気ですか
わたしは....普通といったところでしょうか
お母さんには疑問があるでしょう
お母さんに何故手紙を送ったのか
そもそも書いている人は誰なのか
お母さんになぜわたしが手紙を送ったのかというと
お礼がしたかったからです
そして、謝罪も
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わたしはいわゆる虐待をされていました
お母さんじゃなく、お父さんに。
毎日が辛くて
毎日死にたかった
1歳くらいから虐待が始まった
赤ちゃんの頃は可愛がってくれていた
わたしは3~0歳ごろの記憶が一部欠けているが鮮明にあるのです
そのころが一番つらかったからかな
お父さんがにこにこ笑いながら一緒にお風呂に入っていた事
ミルクを優しく飲ませてくれたこと
これしか覚えていないけれど
その頃のお父さんは大好きだった
初めて怒鳴られながらお父さんに殴られた時
痛いと悲しみと怒りと...
疑問が浮かんだ
3歳くらいになった時
お母さんはこう言った
「一緒に逃げよう」
お母さんは子育てが始まると同時にパートを始めていた
お父さんに殴られても
暴言を吐かれても
ずっと続けていた
3年間一生懸命働いたが総額は10万円ほど
元々お母さんは犯罪歴があったことは2歳くらいの頃に知っていた
まともな所じゃ採用してくれなかったからこんな少ない
わたしはそう思っている
でもどこで働いていたのかは知らなかった
夜、お父さんが寝ていた時にこっそり家を出た
お母さんのお気に入りのバッグにお金と結婚指輪と
わたしのお気に入りのぬいぐるみを入れて
お父さんの寝室は2階で
わたしたちの寝室は1階
そして玄関のドアは1階
バレるはずが無かった
ただ、わたしが無駄な事をしてしまった
玄関の花瓶を落としてしまった
家中に響く音は
お父さんの耳にも入った
階段を下りてくる音が聞こえた
夢中で玄関のドアを開けた
「おい!なんだこれは!逃げるな!」
お母さんに背負われて
逃げた
「おい!逃げるな!」
後ろからお父さんの怒声が聞こえてきた
お母さんは運動が苦手なのもあって
距離が近づいてきた
元々電車に乗って逃げる予定だったのだが
市役所へ急いだ
「お母さん?駅そっちじゃないよ?」
わたしはお母さんにそう聞いた
お母さんは泣きながらこう言いました
「市役所に....あかちゃんポストがあるから....」
「そこに....あなたを預けるの...」
その時だけわたしの勘が鋭くて
「やだ!おかあさんとはなれたくない!」
「だめ...このままじゃあなたは死んでしまうわ」
「べつにいいから!おかあさんとはなれたくない...」
「おい!クソ主婦が!逃げるな!」
ようやく市役所について
自動ドアが開いて
「...どうしたんですか?」
職員さんが出てきた
「あの...この子をお願いします...」
それで...お母さんは...市役所の外に走って行って...
お父さんに..追いつかれて..........
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そうして、わたしは児童養護施設に預けられました
わたしはもう20歳です
大学はなんとか、東京大学に進学しました
ここまででもうわかると思いますが
わたしはあなたの娘です
本当の名前は忘れてしまいましたが
職員さんたちが考えてくれた名前があります
__こいそら__
「 想空 あい 」
わたしはこの名前が、大好きです
お母さん。貴女はもう空の上に行ってしまいましたが
お父さんは死刑にならず、まだ刑務所で生きています
もうすぐ刑期を終えるころです
わたしは死のうと思います
お父さんがこの世の中に放たれたら....
わたしは殺されるかもしれません
あんな虐待をした人が、反省するとは思わないですから
お母さん、今までありがとう。
そしてごめんなさい