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Abnormal High School ✦004「不老不死」
Today is my birthday
鈴人「新しいクラスメイトを連れてきたよ」
そう言って、鈴人先生の後ろから出てきたのは…少女。
それも、小学校高学年~中学一年生くらいの。
少女の髪は金色に近い茶色で、眼の色も同じような色だ。
体躯は小柄…高校生とは思えない。
透 「…え?」
沙耶「…何歳?」
俺と沙耶さんは首を傾げる。
少女は、どう見ても高校生ではない。
だが、俺達は失念していた。
ここが「人外を集めた教室」だと言う事を—————
黒夜「…お前、何者だ?」
琥珀「貴方は人間ではない。いや、もっと別の…」
黒夜君と琥珀さんの周りの空気がピリついている。
二人の取った姿勢は、まるで戦闘態勢のようで…
天使と悪魔である二人がここまで警戒すると言う事は、普通の人ではないのだろう。
いや、1-Aに「普通の人」はいないんだけど。
鈴人「はいはーい、そこまでー。二人も警戒解いてね」
鈴人先生が陽気に言うが、黒夜君と琥珀さんはまだ警戒している。
琥珀「鈴人様の命令とあれど、ソレが何かが分からない限り、警戒を解くことはできません」
鈴人「いや命令って……まあ、言うか。いいよね、|朔良《さくら》?」
どうやら、少女の名前は朔良というらしい。
朔良さんは小さく頷いた。
鈴人「朔良…|五十嵐《いがらし》朔良は…不老不死なんだ」
全員が、固まった。
不老、不死。
それは、勿論死なないと言う事。
俺だって、沙耶さんだって、殺せば死ぬ。
黒夜君や琥珀さんだって、普通の人間とは違うかもしれないが、「死」という概念自体ははあるだろう。
鈴人先生…は流石に神だし分からないが…
だが、全ての生物は死ぬ。
生きとし生けるもの、全てがいずれ死ぬのだ。
それはこの世の理。
不老不死というのは、その理を無視できる…理から外れた存在。
黒夜「…それは、本当か?」
鈴人「…僕が嘘吐くとでも思ってるの?本当だよ。まあ再生能力とかは常人よりちょっと高い程度だけど、朔良には『死』という概念自体がない。例えば心臓にナイフを突き立てても、首を刎ねても、業火を浴びせても、全身がバラバラになっても…というか、細胞レベル…それ以下までにバラバラにされても、彼女は死なない」
沙耶「………………」
あ、暗殺者だから…
絶対に殺せない|標的《ターゲット》がいるっていうのは面目丸つぶれなのか。
鈴人「まあ、朔良は体の特性上迫害されたり、こう…仲良かった友人を看取ったりも何度もしてるんだ。だから心を開いてもらうのは至難の業かもしれない」
黒夜「…人と仲良くなっても、いつかは死ぬわけだからな」
琥珀「いくら寿命の長い生物だとしても、不老不死と比べたら一瞬に過ぎません」
透 「何度も別れを繰り返した、と…」
黒夜「俺達と仲良くなったとしても、結局死ぬのは俺達だもんな」
透 「…黒夜君と琥珀さんって死ぬの?」
琥珀「えぇ。常人より寿命は長いし、肉体も頑丈ですが、死ぬときは死にます。死なないのは最高神である鈴人様だけです」
あ、やっぱ鈴人先生は死なないんだ…
鈴人「…彼女と仲良くなるのは難しいと思う。いや、難しい。透や沙耶、黒夜や琥珀と比べたって、考え方がまるで違う。特に、時間については…でも、そんな朔良とも仲良くしてあげて欲しいんだ。朔良に、本心で語り合える友人ができてほしい。それが、僕の願いだよ」
沙耶「…鈴人先生の…パワー?か何かで、不老不死をなくすことはできないの?」
あ、そうじゃん。
俺達って、鈴人先生がどこまで出来るのかも知らないな。
鈴人「…僕もそこまで万能じゃない。最高神っていうのは、あくまで現在存在している神の中での最高位だからね。持ってる権限・権能は神の中でも一番多いけど、この世界を創ったのは僕じゃない。もっと昔の神」
透 「…え?神って死なないんじゃ…」
鈴人「まあいろいろとあるんだ。最高神以外は不老ではあるけど不死ではないから。神の世界にも戦争っていうのはあって、クーデター?とかを起こされて、最高神の座から引きずり降ろされることもあるんだよ」
琥珀「…天界ってそんな荒っぽい場所だったんだ…」
透 「…天界?」
鈴人「神とか天使とかがいる場所のこと。まあ、そういうことで朔良を頼むよ」
そう言って、鈴人先生はどこかに行ってしまった。
透 「…朔良さん?」
俺は朔良さんの前に手をかざし、上下に振ってみるが反応はない。
暫くすると、後ろを向かれてしまった。
琥珀「親密になってしまうと別れるとき悲しいので、最初から心を閉ざしている…ということでしょうか」
沙耶「…多分、そう」
黒夜「…俺達も人外だから人外の奴とは仲良くなれるんじゃね~、とか思ってたけど、俺達でもいつかは死ぬんだもんな…」
1-Aの5人目のクラスメイト、「不老不死」五十嵐朔良。
彼女の存在は、後の1-Aに大きな波乱を巻き起こすこととなる。