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〈星を紡ぐ〉
んな馬鹿な。
今朝届いた新聞に目を通して考えた一言目がこれだ。
馬鹿馬鹿しい、と一蹴して放り投げた新聞は乾いた音を立てて床に落下した。
<戦争激化。人類滅亡か>
...本当の事になろうなんて、夢にも思っていなかった。
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鳥が囀ずる中、古びたベットから|星墟宇宙《ホシアトソラ》は目を覚ました。
今日は何月何日だっけ、なんて思って近くにあるカレンダーを覗き見るが、それはボロボロになって朽ち果てた紙切れが積み重なっているだけだ。
まぁ、もう日付などあって無いようなものだし...と思い体を起こすと、目の前には蔦に覆われた家具達と無機質な壁が静かに帰ってくることのない主を待っている。
込み上げてきた欠伸を噛み殺すと、枕代わりにしていたリュックを背負い、寝床にしていた廃墟に心のなかで礼をしてから外に出る。
さて、今日はどの方角へ行こう...
そう考えを巡らせる...直前、後ろから最近は聞きなれたじいさんの声がした。
「これお前さん。せっかくここに長らく泊めてやったというのに儂に礼も無しに出ていくつもりか」
うへえばれた
「い、いやだなぁじいさん。これからあいさつしよーと...」
「のわりには意気揚々と地図を広げていたな。」
つくづくめんどくさいじいさんだ。これだから老いぼれは...
「次はどちらに行くんだい」
「北の方に行くよ。寒い方が星が見えるからね。」
「そうか。」
じいさん...|獅子座の星《レグルス》は暫く口を開かなかった。何か遠い記憶を探るように。
「...じゃあ、行くわ。また寄るときは頼むよ。」
「ああ。」
じいさんはやけに素直に頷くと、いきなり宇宙の頭をわしゃわしゃ撫でた。
「ちょ、なんだよ。」
「...いいや。何でもないさ。...気をつけて行くんだぞ。怪我しても治療してやらんからな。」
一瞬優しく目を細めたが、瞬きした後にはもういつもの頑固爺がいた。
「...じゃあ。」
北に向かって歩き始め、振り返った時にはじいさんはもう居なかった。
<廃墟しか残らない世界に、星と旅人は息づく。>
<旅人は流星を辿り、その先には眠る廃墟と星が待っている。>
<この世界は、腐るほどある廃墟を星が選ぶ。そこを生涯の住みかにして。>
<旅人は星を訪ねる。星を紡いで、また旅を続ける。>
<旅人と星の物語>
<とある旅人が残した冒険記を、お楽しみ下さい>