公開中
最高おかし隊っ!?#1
「おいしい…!」
できたてほかほかのメープルシロップが、上に乗っているバニラアイスごと溶かしたホットケーキ~!
それをほおばりながらリビングの椅子に座っている私はため息をついた。こんなにおいしいものが、この世に存在するのか…!
「あずさ、ほおばりすぎ!まったく、小6とは思えないわ」
コック帽に、エプロンをつけたお母さんにそういわれちゃった。「あはは…」
…自己紹介が遅れちゃった、私は一葉あずさ!お菓子大好きな小学六年生~!
お母さんがここ…『 |Patisserie first ⅼeaf《パティスリー ファースト リーフ》』を経営しているんだ!
だからお母さんの作るお菓子はどれも絶品!あのホットケーキも、お母さんが作ってくれたの。
え、私はどうかって?…正真正銘の、|食べる専門《作れない人》です…。
だってお菓子作りって難しいんだもん!
色々頭の中で言い訳しながらフォークをホットケーキに刺そうとすると、コトン、とプラスチックの白いお皿の音。
げっ、私もう食べきっちゃったの⁉
「あ~あ、もう食べきっちゃった!」でも、|食べる専門《作れない人》には何もできません!
仕方なくお皿の上にフォークを無造作に乗せてキッチンに運ぶ。
お母さんは仕事再開。あ~あ、さみしっ!
そうしてシンクをのぞきこむと、ピンク色のお皿に丁寧にシュークリームが置いてある。一口も食べてない。
え、汚い!もったいない、誰がこんなこと…
私がそのシュークリームをシンクから救出して、一瞬確かめた後パクリと食べる。
その時だった。
目が覚めたら、そこには青々と茂った森…ではなく!
切り株だらけの殺伐とした森とも呼べない森!
え、ここはどこ!?さっきは家にいたはずなのにーー
奥に突き進むと、木造の小屋が見えてきた。
あれ、なんだろう…?
そう思って突き進むと、「エイ、ヤー!」という叫び声。「人だ!」
そして。そこには教科書で見た軍服を着ている私と同い年くらいの男の子たちが、先端がとがった竹槍…?を藁の人形に向かって振り下ろしていた。見るからに緊迫した雰囲気が伝わってくるよ…!
「え、あれって一体、」
何~!?!?
---
しばらく息を潜めていると、バタバタと足音が聞こえた。「…いなくなっ、た、?」
ホッとしつつ慎重に進もうとすると、
ジーーーっ。
一人の男の子がこっちを見てきた!私と同い年くらいかな?
私は一歩踏み出した。話してみよう!勇気を出さないと、っ…
「ねえ、君、ここどこ?わ、私はえっと、あずさっていうんだけどね、その…、こ、ここって、…ひっ」私が話し終える前に、その子は私に剣を向けてきた。え、これ結構ヤバくない…!?「この非国民!はしたない格好をするな!貴様、何者だ!そこを動くな!動くようものなら、今すぐっ…」
ひ、ヒコクミン…?はしたない…?
「ねえ、ここはどこなの!?」「貴様のような奴に話すことではない!う、動くなと言っているだろう!俺の顔をじっと見るな!上官殿に突き出してやる!」ひ、ひぃぃっ…!?
上官って…、
わ、わかんないけどとにかくこわいぃぃっ!
辺りもすっかり暗くなってきて、夕焼けの空が夜空の藍色にだんだんと染まっていく。
これ、相当やばいんじゃ…。「ご、ごめんなさいっ…!?」「……」男の子の剣を持つ手が震えた。「ごめんな、」つい泣きそうな声が出ちゃった。だ、だって怖いし、刺されたっておかしくないんだよ!?
男の子ははぁ、とため息をついた。「こんな女が、情報収集などできるわけない。…来い」「え、って、はい!」
助かった…?のかな…?