公開中
進路
始まりのお話☺
1話です
ぽたぽたと降ってくる雪
近所の家の椿が一際目立ち綺麗な紅色になっている
「ねぇねぇ、ナギ!」
声をかけてきたのは僕が片思いしている幼馴染のスイだった
「どしたん?」
「え、ふふ、一緒に学校行きたいなーって思って」
柔らかくも切ないように笑う顔はまさに天使のようだ
「ええで、一緒に行こか」
「やった」
「そういえば、ナギは進路何にした?」
「僕?僕はカメラマンにした」
前にスイがなりたいと言っていたものに合わせたので変に思われているかも知れない
「そうなんだ、私はねー…バンドマン!!」
「へー、意外やな」
カメラマンからバンドマンに変わっても動揺はしない、進路を決めるシーズンに入る前ぐらいからスイはころころ進路が変わっていたのでもう慣れっこだ
バンドマンと言っても電車もお店もまともに来ない田舎で売れるのだろうか…
近況などをぐだぐだと語っていたらあっという間に学校についた
教室に入り自分の席につくと僕と
「なぁなぁ、今日スイちゃんと一緒に学校来たやろ?よかったなぁ!」
背中をバシバシと叩いてくるこいつは中学生時代からの親友だ
名前はセン
「そうやけどさ…冷やかすのやめーや」
「すまん、最近あんまり自分とスイちゃん話したりしてへんかったから仲悪いんかと思うて…ついはしゃいでもうたわ」
確かにいつも朝話しかけてくれるスイは最近話しかけてくれなくなってた
もちろん僕から誘えるものなら誘っているし誘えないのは僕に勇気がないからだ
昔は親しみやすいような素朴な雰囲気だったのに、やけに最近きらきらと光っているように見える君になぜか話しかけられなくなってしまった
もう僕とスイの世界は違ってしまったのかな…なんて
「…大丈夫か?元気ないんか自分」
「あ…なんでもないで、ちょっと考え事してただけや」
「そうか?もう授業始まるから席戻るな!ぼけーっとしてたらあかんで!スイちゃんに呆れられてまうよ!」
憂鬱な授業を夢見心地でうとうとと聞いているとなんやかんやで1日が終わった
明日こそスイを誘えるようになるぞ
1話でした☺