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5話「王都からの永久追放」
「…まずいかもしれない…こんなど派手にやってしまったら…」
街に警報が鳴り響く。
「ですよねー!」
「…………少し話題になってるじゃないか。シュルト」
「っあ…」
シュルトの目がこれ以上ないほど開かれる。
だって、彼が見たものは。
確かにあの16年間一緒にいた…
ウィシタ・クルシア
だったのだから。
「父…様…?」
シュルトの口から出たのは。
喜びでもなく。
悲しみでもなく。
困惑の声。
「父様って……僕と…シュルトさんの…?」
次に声をあげたのはアルト。
困惑の声をあげたアルトに対して。
ウィシタはまっすぐ彼の目を見て話す。
「アルト…覚えているかい?あの日、シュルトや母さんと別れた日」
アルトはここの貧民街に来てからの記憶しかない。
この貧民街で。
クルシアと言うファミリーネームを捨てたから。
クルシアだった頃の記憶なんて。
どうでもいい。
「覚えて…ないです…」
そんなはずだったのに。
そのはずだったのに。
懐かしいような記憶が流れ込んでくるのはなぜだろう。
そんな時、奥にあった大きい建物の方から怒鳴り声が聞こえる。
王を守る、近衛兵だ。
「…!父様!逃げますよ!!!!」
シュルトが声を張り上げてそう言うが。
ウィシタはそんなの知ったこっちゃないように。
ゆっくり。
確実に。
近衛兵へと向かってゆく。
「父様ッ!!!!」
そう声を張り上げてウィシタへ手を伸ばす。
その手は、何者かに横から抑えられた。
「何を!!!」
「アルト!!!!ここでこんなことやってても仕方ない…俺たちは…戻るぞ」
「父様は…?父様はどうするんですか!!!!」
「____」
「答えてくださいよ!!!!」
シュルトの胸ぐらを掴んで、これ以上ない位に声を張り上げて。
アルトは喋る。
「必要犠牲だ」
「必要……犠牲…?」
アルトは唇から血が出るほど噛み締めて。
最終的には。
奥歯を食いしばって。
「何が…何があったら…そんな…犠牲なんて言えるんですか…?」
「…俺だって…割り切れてるわけがないだろ…んぐ…」
シュルトの目からこぼれたのは、1粒の涙。
それに、誘われるようにアルトの目からも、涙がこぼれる。
「…早く行くよ。父様が…ここまで命を張ってくれたのが無意味になる…」
2人は門からここを出る。
少し森にいると。
あそこからアナウンスが聞こえてくる。
『侵入者、ウィシタ・クルシアの死亡を確認。国王はこの一件を重く見て、クルシア家の永久追放を命ずる』
「父…様……父様!!!!」
アルトが王都へ向けて再び走り出そうとする。
それを間一髪で、シュルトが止めて。
「だめだ!これ以上犠牲を増やすわけにもいかない!アルト!!」
「……父様…」
6話次回予告
「そういえばシュルトさん結構奇抜な格好してますよね」
「奇抜?俺のコーデは、サングラスに黒パーカーフード付きの。そして最後に黒マスク!それが俺の格好だ」
「奇抜っていうか不審者ですね」
「何を言っているんだい?」
「え?これ僕がおかしいんですか!?」
「あ…」
「え?は?え?」
「次回6話「新たな街へ」お楽しみに」
「…え?」
「ん?どうしたんだい?アルト」
「???」