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もう一度だけ期待してくれる?
私の名前は 野坂 静奈(のざか しずな) 小学6年だ
「お姉ちゃん 遊ぼ?」
下から覗いてきたのは私の妹 野坂 夢奈(のざか ゆめな)だった
『いいよ』という前に両親が来て
「こんな汚い子と遊んだらダメよ」と
私と夢奈を引き剝がす
どうしてか?
それは私が・・・
6歳の頃だった 私 静(しず)は今のお父さんお母さん(里親さん)に引き取られた
名前は 静奈に変わって 苗字もついた
両親は私を本当の娘のようにに愛してくれた
そして2年生の時 お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいることが発覚した
体が弱くて「赤ちゃんは諦めてください」そうお医者さんに告げられた
でも奇跡的に授かったらしい
そして・・産まれた
そこからも愛してくれた でもね
私が5年生の時 状況は急変した
3歳の夢奈を愛して 私は・・・無視された
勉強はした でも 〈算数:34点 国語:30点〉
この文字が毎回出てくる
それで・・私はもっと嫌われた
そこから1年がたった
今の私だ 状況は変わらず・・だ
私の口癖は「もう一回だけ期待して」になった
「もう期待しない」「期待して損した」
この言葉が聴こえるたび心が締め付けられる
朝も晩も勉強をして 愛情を注いでもくれない環境で 頑張った
時々 夢奈が
「だいじょーぶ?」
って声をかけてくれる
これは煽ってない
心配をしてくれてるだけなんだ
私は
「大丈夫だよ 気にしないで」
と言う
夢奈まで私と同じになってほしくないから
塾に行って
「テストを返します」
この発言が聴こえた
「野坂静奈さん」
名前が呼ばれ「はい」と小さく返事をして取りに行く
〈算数:45点 国語:35点〉
「はぁ・・・」
小さく零れ落ちそうな涙を 必死に我慢して
家に帰った
テストを見せると両親は
「はぁ・・・・」とため息をつく
私は言う
「も、もう一回 だけ・・期待して!」
ダメだとわかっても
次も無理だとわかってても
もう一回だけ 期待してほしい
「・・・・・」
両親は無視
「・・・夢奈 ご飯よ」
「・・・?はーい!」
聴こえる無邪気な音
「っ」
一滴の雫が落ちる
それを拭いて 深く深呼吸をして ご飯を食べた
そして夜
私はひっそりと家を抜け出した
どこに行くかは分からない 行先もない
でも なんとなく外に出たかった
そして公園に出た
公園には何もなかった
でも私は話した
「ねぇ あなたは何がしたいの」
誰に喋ってるんだろう
「ねぇ あなたは・・何を残したいの」
・・・返事はない
構わなかった
・・・誰に喋ってるのか
知らない
でも・・話したかった
「ねぇ あなたは・・あなたは・・両親に期待してほしいの?」
・・なぜか声が震えて
涙が落ちそうになる
「ねぇ・・・」
震える声で最後の質問をした
「あなたは・・両親に褒められたいの?」
その言葉を言い終わった後
ポタン
雫が零れ落ちる
一回落ちて どんどん 雨のように
誰かに話を聞かせたわけではない
褒められたわけでもない
でも 心の奥にあるものを誰かに聞いてもらった気がして
褒められたいのに 褒められない
努力してるのに・・愛情を注いでくれない
私は何をしたいのだろう 何を残したいのだろう
思ってることを・・いま投げかけれた
返事はないよ・・・
私は涙を拭いて こう言った
「もう一度だけ期待してくれる?」