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7話:天蝕の狂気、進行度。
レフェールは前へ出ると、目の前にいる2人を鋭い目つきで見据える。
「どうしてここが分かったんだい?いや…それより、ここにはEDENのルミネがいる。天蝕が手を出そうとしない、出せない組織に属する彼女がいる中、私達とやり合うっていうのかい?」
「みんながみんな、必ずしも天蝕に従順だと思わないでね、瑠璃と夜鴉みたいに。」
黒髪の少年は大鎌を肩に担ぎ直すと、笑みを浮かべる。
「瑠璃…って、あの子か。あの子がどうしたんだい?」
レフェールはいつの間にか消えたあの少女の姿を脳裏で思い浮かべながら、その言葉を聞いて一切の警戒を緩めないまま問いかける。
「そっか、貴方達は知らないのか。彼女は幽楽を、天蝕を裏切った。その裏切りの手助けをした夜鴉は殺され、結局彼女は連れ戻されちゃったらしいけど。」
黒髪の少年はクスクスと肩を揺らし、笑いを溢しながら話す。
俺はその言葉に驚き、目を見開いた。
「裏切った…?」
初対面でも、残酷な雰囲気を持ち、幽楽に従順そうに見えた彼女が天蝕を裏切るなんて。
幽楽は天蝕に最も忠誠心を持つ組織だと聞いていたが、幽楽内でそんな事が起きるなんて、聞いていた事と全く違う。矛盾していた。
「お前達の方で何があったか知らないが…俺の仲間に手を出そうとするならタダじゃおかないぞ。」
翔陽は眉間に皺を寄せ、威圧的に声のトーンを低くしてそう言った。
だが、陽獄の二人は怯むどころか、むしろ楽しそうに笑う。
「いいなァ、そのキレた顔!最高だ!」
黒い包帯を目に巻いた男が笑ってそう言ったかと思えば、一瞬でその姿が消えた。
消えたのではない。あまりの速さに、俺の目が追いついていなかっただけだった。
男は天井スレスレまで跳躍し、どこから取り出したのか、斧を手に持って体を捻り、翔陽の頭上へとその斧を勢いよく振り下ろす。
--- **「「【裂花:創工練銘】」」** ---
突如詠唱する声が聞こえたかと思えば、男が持つ斧と瓜二つの斧を手に持った誉が、素早く二人の間に割り込んでその斧を振り上げ、男が持っていた斧を防ぎ、弾き返した。
高い金属擦過音が鳴り響き、その衝突の際に生じた衝撃波によって髪が、服が靡く。
俺は思わず片腕を上げて顔を覆った。
「誉、お前は下がってろ!」
誉の肩を掴み、後ろへと下がらせた翔陽が前へと出ると、目に見えぬ速さで男の腹へと回し蹴りを喰らわせる。
男は勢いで数歩後ろへと下がりながらも、気にしない様子で歪んだ笑みを浮かべた。
「こっちもだよ!」
いつの間に背後に回ったのか、後ろから黒髪の少年が目を見開き、狂気に笑いながら大鎌を振り上げた。
「危ない!」
それにいち早く気づいたルミネは、振り返って部屋にあった箒を手に取ると、その箒の柄で大鎌を防ぎ、軌道を逸らした。
「っ!?嘘でしょ、ただの箒で…!」
「治癒しか力がないと思われちゃ困るわよ坊や!」
驚く少年に対し、ルミネは前髪を掻き上げ、不敵な笑みを浮かべた。
「まだまだ…っ!?」
再び大鎌を構え直し、攻撃をしようとした少年だったが、突然ピタリと動きを止めると、口から勢いよく血を吹き出し、吐血してその場に膝をついた。
「ノアク…!?」
黒い包帯を目に巻いた男は、少年…ノアクの異変を察知し、同じように動きを止めた。
ノアクの方を見れば、苦しげに表情を歪め、汗をかいている。
首元には黒い亀裂のような痕があり、レフェールも、ルミネもそれに気付いたようだった。
「なんだい、その痕は…。」
レフェールは息を呑み、膝をついて項垂れ苦しむノアクを見て冷や汗をかいた。
ルミネは言葉を失い、顔を真っ青にする。
「ノアク…!俺の声が聞こえるか!!」
男はノアクに駆け寄ると、その肩を掴み、必死な形相で声を荒げた。
「はぁっ…はぁっ…__血…破壊…__ちがっ、僕、はっ!」
ノアクの目の焦点は合っておらず、男の声すら聞いていない、いや、聞こえていないように見えた。
「お前…!!どんだけ能力を使ったんだ!!決められた回数以上は使うなと…!!亀裂の痕が増えてるじゃないか!」
男は声を荒げて怒鳴りながらも、どこか焦っている様子でそう言った。
その途端、その場にいた誰もが違和感を感じた。
「能力…?」
美帆が震える声で小さく呟く。
そうだ、天蝕が能力を持っているはずがない。
「何で、君達が、能力を……??」
レフェールは呆然としながら、ノアクと男を見て戸惑いの言葉を漏らした。
今回はまたもや陽獄の黒髪の少年、「ノアク」と、黒い包帯を目に巻いた男が出ました!
相変わらずの狂気っぷり…そして登場したばかりにも関わらず誉くんの裂花・ルミネが活躍!
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