ただ、笑っていたいだけ。そんな日常は、壊れ続けるんだ
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目次
1:わたしが踊り狂う理由
めっっっっっっちゃ久々の小説です!
わたしは………迷い続けていた……。
わたしが踊ればみんなが喜んでくれる。わたしが踊ってお金を稼ぐとみんなが褒めてくれる。
わたしが家族に貢献するとみんなはわたしのことを見てくれるから。踊るのはやめたくないけれど、わたしは踊るのが好きじゃない。疲れるし痛いし上手くできないと叱られるから。
わたしが誰かのためを思うのがおかしいから。わたしは……やめたいけれど言い出せない。
あぁ、こうして、こうして…踊り狂いさせられるだけの毎日は………逃げたい、逃げたい。
暗闇がわたしを覆ってくる……わたしは逃げられないの____?
---
「いやぁ!!!!!」
え?ゆ、夢?
よかった…わけではない。
わたしは、アザレア。ある国で生まれた舞踏が盛んな家庭の末っ子。
10歳。わたしの周りにはたくさんの人がいる。みんなわたしを褒めてくれる。明るい家だ。
わたしは金髪に青い目と白い肌を生まれ持って、見た目で周りがわたしを見てくれた。
わたしはダンスの才能があってわたしを見てくれた。
わたしは努力家でみんなはわたしを愛してくれた、わたしはだからいいと思ってた。
だけどダンスだって好きじゃない。縛られている家庭から逃げ出したい。わたしに無理をさせてあとはゆっくりとしている親たちがあんまり好きじゃない。
働くことだってしたくない。けどわたしはそれを言う勇気すらない。
「アザレア。起きたの?あなたの朝食の時間よ」
「はい、お母様。今行きます。」
お母様は毎日美味しいお料理を作ってくれる。わたしのことを愛している。
「アザレア、どうかしら。今日の朝食は。」
「はい、とても美味しいです。」
「今日のスケジュールは、まずバイアン帝国の王族の前で仮面を被って踊ってもらうわ。私たちは観客としてあなたを見守っているわね。」
「………はいお母様」
わたしにも自由ってあるのかな…お母様と父上の言うことを聞いていればいいのかな。姉さんや兄さんは踊らないでくつろいでばっかり。
「アザレアあなたもこれで一人前の舞踏家になれるわね」
「それっていいこと?」
「えぇ、一族の誇りよ。あなたの**踊り**は。」
「わたしの踊りが?じゃあわたしのこと、好きなんですか?みんなは。」
「えぇ、あなたの**踊り**をとても愛しているわ」
わたしは愛されている。幸せに満ちたこの家庭で。
「アザレア、早く食べなさいね。その後に出かけるわよ」
「はい、お母様」
---
お母様はわたしを愛していらっしゃる、と教えられた。
教育係からは踊りを教えてもらった。兄さんと姉さんは踊りを褒めてくれた。
褒めてくれる、喜んでくれる、だからわたしは辛くなんかないよ。
そう、夢の中のわたしに伝えたい。
「………アザレアお前また踊るのか」
「兄さん……わたしは踊ってみんなが喜んでくれるから、わたしは才能があるからやり続けてるんだよ。心配いらないよ、」
「お前の心配をしているんだ、俺は」
「サフラン兄さんは、踊らないの?」
「俺はこの家庭の塵だからな。俺には踊れねーよ。第一楽しくないし。俺は正直者だしな。」
「わたしだって正直者だよ。踊るのは楽しいから。みんな褒めてくれるし」
「………そうなのか。なら、行ってこい」
「サフラン兄さんは行かないんだ?」
「俺は留守番、だな行ってこい」
「うん。行ってきます」
サフラン兄さんは優しいひとだ。わたしのことを気にかけてくれる。
唯一わたしの気持ちを理解してくれる。わたしの踊りじゃないところだって褒めてくれる。
いい兄さんだ。
だからわたしは、今日もみんなのために踊ってくる。
---
「アザレアー?馬車の準備ができたわよ」
「はい、お母様!今参ります。じゃ、兄さん行ってきます」
「行ってらっしゃいアザレア」
わたしは馬車に揺られて隣のバイアン帝国へ向かった。それなりにバイアンは近い。
馬車の中は窮屈だけどたまに車で行くことがある。
「アザレア、あなたずっと踊り続けてね。愛してるわ」
「お母様の期待に応えられるように頑張るねわたし。できることならなんでもするよ」
「いい子に育ったわね。あなたは。ほかの人とは違うあなたは才能の塊なんだから」
「あ、うん。明日はどうなるの?」
「エクレシアへ行くのよ。だから明日は早めにね。」
「はい。今日は午後3時からなんだよね」
「えぇ。えらいわ。あなたも成長したものね」
わたしの毎日がこれだ。お母様はいつもわたしの成長を褒めてくれる。嬉しくて続けてた。
でも、ずっとずっとずっと思っていた。
お母様はわたしの踊り以外褒めてくれない。わたしが字を上手く書けてもうたを上手に歌えても。
踊ること以外みんな見てくれない。
サフラン兄さんだけだ。わたしを褒めてくれるのは。
でも、踊りたくないなんて思わない。みんな笑顔になるから。
---
「さぁ、アザレア。踊るわよ。」
「はい、お母様」
わたしの公演が始まった。
わたしは仮面を被って色々踊った。踊って踊って踊りまくった。
足をあげたり手と足を合わせたり綺麗な衣装も連なって舞う。
これがわたしの舞踏。わたしの誇れるものだとお母様が言っていた。
だからそれを周りに見せて喜んでもらう……これがわたしなんだ。
楽しいよ、夢の中の。わたし…………。
---
「ただいま帰りました………。あ、父上。お久しぶりでございます」
「アザレア、大繁盛だ!お前のおかげでな。ありがとうな。」
「アザレア、アンタの才能のおかげでうちは裕福なの。ふふふ」
「アイリスお姉様、ありがとうございます」
アイリスお姉様は、この家の1番年上のお姉様。19歳。
「まぁまぁでしたわよ。あなたも成長されましたのね。」
「アリアお姉様ありがとうございます」
アリアお姉様、17歳。少し毒舌だけどわたしを見てくれる。
「まぁまぁすごかったわ。褒めてあげる」
「エマお姉様、ありがとうございます」
エマお姉様は15歳のお姉様。すごく上品。
「アザレア、すごいじゃない。いい成長だ」
「レイラお姉様!ありがとうございます」
レイラお姉様、14歳すごく綺麗な人だ。
この家族はみんなわたしを褒めてくれる。とても嬉しくて幸せだ。
「あぅっ………」
「アザレア、お前疲れたのか?僕に捕まれ」
「アシュお兄様、ありがとう。」
アシュお兄様は16歳の元気な人。
そして、オリーブ兄さんっていう兄さんもすごく元気で滑舌がいい。16歳。
アシュお兄様とは双子。
---
こんな家族に囲まれている。
はぁ、疲れた。たまにはお休みが欲しいな。
サフラン兄さんがいないな……。
あれ?どこ?頑張ったって伝えたい。
サフラン兄さんは12歳だ。わたしと1番歳が近い。
「お母様、サフラン兄さんは?」
「サフラン?あんなのは地下よ。」
「え?なんで……?」
「踊れないし使えないからに決まってるじゃないの。しかも、お父様に逆らったから。牢屋よ」
「なんで!?兄さんは、なんで!?」
「サフランは、あなたが踊ることに対して反したからよ。あなたが踊れば幸せになれるのに、あなたの肩を持ったはずのない発言をしたんだから。」
なんで、兄さんはわたしがいない間、何があったの?
「兄さんは、何を言ったの!?」
「アザレアは踊りたくないのに踊らされてる。だからそれを辞めさせてくれってね。飛んだ嘘でしょう?あなた、踊るのは楽しいわよね」
「うん。たの、しいよ。でも、兄さんを離して!!」
「いいわよ。あんなの放っておいて。一族の塵だし。出しても恥っ晒しなだけ。」
「それでも」
「いいのよ、あんなのの肩を持たなくて。あなたは、もう寝なさい。明日は早いのよ」
「………………うん」
兄さん…………確かに……わたしは、踊るのは…………。
喜んでくれてるから、好き、なだけ、なの?
だから本当は踊りたくないけれど、みんなのためにやっている。
夢の中のわたしと同じだ……………。
兄さんはそれを知っていて………なんで…。
兄さんのところへ、行かなくちゃ!!
《続く》
感想教えて
(この世界はパラレルワールド、、、というかなんというか………んー、、えっとね、天使の世界とかの話に近いのかな?うん)
2.居場所
確か、地下へつながる通路がここへあったはず。
わたしが兄さんを、助ける番だから!
「うぁああっ!痛……っ」
挫いてしまった。けれどこのくらい軽いよ…………!兄さんのためだもの。
カビの込み上げてくるこの地下に、コンクリートの匂いと腐ったゴミが捨ててある。
こんなところに何もしていないわたしを見てくれていた兄さんを閉じ込めるなんて!
兄さんは、いつもわたしを大切に、対等な人間として見てくれた。
わたしを大切な妹って言ってくれた。
だから、絶対に助け出してあげないといけないの!!
---
「サフラン………兄さん?」
「アザレア……!?お前、何しにきた。こんなところに」
「サフラン兄さんを助けにきただけだよ?わたしは。」
「どうしてだ………お前はお前の身だけを案じればいいんだ。そういううちは死ななくて済むから」
わたしは自分の身より兄さんの安全を確認したかっただけだから…ここから出してあげないと!
「兄さん!ここから出よう?」
「無理だ…あと、お前がきていい場所ではない!」
「だって、わたしは兄さんを……兄さんをぉお……だ……ずげ…に」
「泣かなくていいんだ、アザレア!お前にはここに来るより自分が楽をした方が」
「わたしにとっての幸福は兄さんと一緒にいることなの…」
だからわたしは兄さんを助けるために牢屋から出すために、ましてやこの家から出るために…ここへきた。
「だから、ここから、出よう?」
「俺は塵だから……。俺が出たとしてもお前が幸せになるかどうかなんて」
「そんなのどうでもいいの!」
「…………………………伏せろ!!!!!!アザレア…!」
え…………?母さん……だ…わたしは何かをまともに浴びさせられた。
意識が薄れていく……何…?
え………………………………………………?
---
「アザレア!!アザレア……!」
「……え?ここ、どこぉ…?」
確かわたしは、意識がなくなって、何が。
「アザレア、お前は母さんたちに見つかって、催眠薬をかけられて、母さんによってこの牢屋に入れられた。」
「兄さん!?どうしたの??」
「動かないように拘束された。別にいいだろお前は自由なんだから」
そう言う問題じゃない…わたしまで。
「アザレア……その、えっと…あぁ、の。ありがとう。俺のためにわざわざ…そんなことしなくていいのにな。」
「えへへ!それで……どうやってここから、出るの?」
「母さたちは牢屋に何も持ってこない。だから俺たちは…飢えて死ぬ」
「脱出………しないと。いけないのかな」
わたしは、この家に人生を狂わされたそういうこと。
その事実に変わりはないってサフラン兄さんが言っていた。
わたしも兄さんも2人で平和で笑顔溢れる家に生まれたら人生は変わっていたのかな。
「そうだな。行くか」
「その縄…解くよわたし」
「あ…………そ…その、えっと……あり……がとう」
「どういたしまして!ほら、解けたよ」
「手先器用なんだな、アザレアは」
「そうかな。それで、牢屋の鍵は?」
「…持ってねー」
わたしたちにとにかく出る方法を考えた。考えて考えて考えまくった。
鍵穴にわたしのかんざしを刺すのが1番良いって兄さんが言った。
「こうすると…?え、あ、できた」
「アザレアすごいなお前。踊りを普通に活かせるんだな。でも、あまり本心に嘘はつくな。お前はお前でいいんだ。俺が思う限りもっと別のことをして自分を満足させてやれ。お前は自分の気持ちと向き合えばそれなりに良いことに出会えるよ」
「兄さん?本当にありがとう。わたしのためにそんなこと言ってくれて。大好き!」
「………なっ………えと…そういうことじゃねーよ…」
そして、出られたけれど。ここからどうするかだ。
家にいたら拷問され続けると予測したから、この家から脱出することにした。
今は夜中の2時。出るなら今。
「アザレア、これ着ろ」
「何?男の子の服?」
「狙われやすいからな。そういうのはすぐに捕らえられたり犯罪に使われたり。」
兄さんは色々外の知識を知っているから、わたしも安心して外へ出られる。
---
「あら2人とも。牢屋から出たのね」
「なっ……………!お母様なぜここをお分かりに」
「いいわねぇ。2人旅?行ってらっしゃい。2度と帰ってこなくて良いわよ。そしてアザレア、明日の予定のためにお前だけは残りなさい。踊るの楽しいでしょ?」
「………う、ん」
最悪なタイミングでお母様と鉢合わせてしまった。
わたしは愛想なく返事をすること以外できなくなってしまった。
「アザレア戻ってきなさい」
「…………………………………嫌です」
「口答えするな、殺すぞ」
「母さんやめろ!!アザレアは何もしていない!もとあと合えば俺が全部」
「サフラン、口答えするな、お前も黙れ。私に逆らうな」
「じゃあいい、アザレア………**逃げるぞ!**」
「うん」
わたしたちは追っ手がかからないようただひたすら逃げ続けるだけだった。
《続く》