桂 胡桃(かつら くるみ)にはツンデレ幼馴染がいる。
その幼馴染:黒瀬 大和(くろせ やまと)のことを胡桃は推しと思っていたが…?
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目次
幼馴染のツンデレくん キャラクター
恋愛小説作ってみようかなーって気分になったからチャレンジしてみる
今回はタイトルにもある通りキャラクターでございますー
少女マンガみたいなキラキラした話を想定してるかなー
○|桂 胡桃《かつら くるみ》
・今作の主人公
・|霧滝《きりたき》高校1年2組
・誕生日は7/1
・髪型はミディアム
・可愛さと美しさを兼ね揃えてる感じのお顔
(でも特別男子にモテてる感じでもない)
・勉強も運動も平凡
・美術部で絵を描くのがめちゃくちゃ上手い
・自覚のない天然
(正しく言えば物事に対して深く考えすぎてそうなってるだけかも)
○ |黒瀬 大和《くろせ やまと》
・胡桃の幼馴染
・霧滝高校1年2組
・誕生日は10/28
・外見はイケメンだが内面はクール通り越して寒波だから女子に一目置かれている
・頭はいいのに天然
(本人は自覚なし)
・ピアノとギターを弾ける
○|明智 美結《あけち みゆ》
・胡桃にとって一番仲のいい友達
・霧滝高校1年1組
・髪型はポニーテール
・黙っていれば美女、喋ると男子寄り
・勉強も運動もそれなりにできるが本人は好きじゃない
・裁縫が得意でたまに胡桃にぬいぐるみをプレゼントしている
○|桑原 章《くわはら あきら》
・霧滝高校1年2組
・大和の後ろの席に座っている男子で、
大和と胡桃が幼馴染だということをクラス内で唯一知っている
(知っているだけで勝手にクラスに広めることはない)
・運動は普通、勉強は結構苦手
・マッシュルームヘアで、かっこいいよりかわいい系の顔立ち
キャラが増えるごとに情報更新するから本編を読む人は話数が進んだら
見に来てみるといいかも!
幼馴染のツンデレくん ep.1 私の推しは幼馴染
実はこのお話、きりにとって記念すべき初投稿小説でございます!
ってことで王道キラキラ少女漫画系恋愛小説、開幕!
(ちょっと盛りすぎてハードル高くなったどうしよう)
|胡桃《くるみ》にとって推しって何?
そう聞かれた時、私はこう答える。
「生活してる中で幸せを与えてくれる尊い存在」と。
恥ずかしいからこんなこと言えないけれど実は心の中では、
自分の生きる意味になってくれる存在、みたいなことも思ってたりする。
学校から帰ってきたら推しの配信がある、とか
今日は推しの誕生日だから机の上の推しスペース拡大しちゃおうとか考えただけで
ワクワクしてくるでしょ?
それもそうなんだけど、私にとって推しは私に存在する価値を与えてくれる人。
私のことなんてどうでもいいから、推しのことをもっと知りたい。
推しの幸せを願いたい。そして推しの笑顔を見たい。
笑顔が見れた時、私は生きててよかったって感じるんだ。
---
朝、高校生活が始まって2ヶ月目。教室にもちょっと慣れてきた…はずなのに。
「あれ、席…どこだっけな」
先週風邪で結構学校休んじゃって席忘れちゃった。やばい。
キョロキョロしながら席を探してると、とある人と目が合った。
そして、あった、私:|桂 胡桃《かつら くるみ》の席!
私の席は、目が合った人の前の席。そっか、これ名前順だ。
ちょっと挙動不審だったかな…?と思いつつ席に座ると、
私は座ったまま体ごと後ろを向いた。
「|黒瀬《くろせ》くん、おはよう。」
挨拶された彼は一瞬驚いた後、何かを納得したように頷き、私に挨拶を返す。
「おはよう、|桂《かつら》さん。」
彼の名前は|黒瀬 大和《くろせ やまと》。
私の幼馴染兼、私にとっての…推し!!!
小学校くらいまではただの幼馴染だと思ってたんだけど、
気がついたら幼馴染だけキラキラして見えるようになって、
それが進行した結果、私のにとっての最推しってポジションで定着してる。
多分、まだ本人には気付かれてないはず。
だっていい意味で自覚のない天然だから!
っていうのは置いといて、と。
小声で大和に話しかけられた。
「思ってたんだけど、何で桂さん高校入ってから俺を苗字で呼ぶんだ?」
「ごめんね、やまt…黒瀬くんは頭いいし勉強もできるし、いい人だから幼馴染って
バレたら女子からその…色々めんどくさそうだから他人のフリして欲しいの。」
「別にいいけど…学校外だったらいつも通りでいいよな?」
「もちろん。」
「了解。|胡桃《くるみ》…あ、桂さんの言う理由は正直よく分からなかったけど
まあそっちに不都合があるならそれでいい。」
「ありがとう。」
え、いや、理由言ったよね?私。
大和はイケメンだし勉強も運動もそれなりにできるし絶対モテる。
んで、THE普通の私が幼馴染って分かったら一体何人の女子から
“大和と私をくっつけて欲しい!“とか言われるか本当に分からないし!
私は最推しは見てるだけで尊いしそれで十分なんだけど!
最推しが誰かのものになるのだけは阻止したい!
そして!大和が天然なのが可愛い!
「えーっと、大丈夫?桂さん?おーい」
「え?わ、ごめんぼーっとしてた」
話が終わった後、考えに熱中してたら体の向き前に戻すの忘れてた。
やばい、後ろに大和がいるのは耐えられない。
いつぶっ倒れてもおかしくない!w
こういう時、私は深呼吸をして一度落ち着く。
「ふぅー。」
よし、気持ちを自分のするべきことの方に切り替えてこう。
午前の授業が終わって、昼休みになった。
「桂さんいるー?」
私の名前が聞こえた方を向くと、私の1番の友達である|明智 美結《あけち みゆ》がいた。
美結は中学で仲良くなって、同じ高校に行くことになった今も仲がいいんだ。
ポニーテールがよく似合ってて顔も美人。
だけど喋ると口調が女の子らしくないのが面白い。
私や大和は1年2組なんだけど、美結は1組。ちょっと残念だなぁ。
「美結!」
私が席を勢いよく立つと、こっちを見ていたクラスメイトの数人に驚かれた。
まあ、そりゃそうだよね。クラスの中では私って結構目立たない存在だし。
「やっほー、胡桃。お昼食べに行こー」
「うん。準備するから先行ってて。」
「分かった、またね。」
私はお弁当箱と水筒をリュックから取り出して、いつもお昼を食べる空き教室に
先に向かった美結を追いかけた。
今日は委員会の仕事がなかったはずだから、大和も空き教室に来てるかも!
「お待たせー」
空き教室のドアを開けると、美結と…あ、教室の端っこの席に大和も来てる!
「私は胡桃とここでお昼食べるのにさ、何で黒瀬もここに来るのさ。」
「どこで食べようと俺の勝手じゃん。邪魔だったらどっか行くけど。」
「美結ー、大和は幼馴染だし私は気にしてないよー?」
実は内心めっちゃ気にしちゃってはいるんだけど…ね?
「なら、まぁいっか。」
美結は私と大和が幼馴染だってことを唯一知っている。
「あ、ちょっと待って。たまには大和も一緒にお昼食べたり…する?」
「2人で食べなよ。俺きっと邪魔になるし。」
「そんなことないよ、遠慮しなくていいのに。」
「…いいよ。2人クラス違うんだし一緒に食べな。俺隣の教室行くわ。」
そう言ってパンを片手に教室を出て行こうとする大和。
「わ、もしかして黒瀬ツンデレ?いや、猫?可愛いなーw(棒)」
「おい明智、俺を勝手にペットにするな。」
そう言って大和は教室を出て行ってしまった。居心地悪かったのかな。
ツンデレとか言われても言い返そうとする大和、可愛かったなぁ。
「さ、お昼食べよ。」
「うん、じゃあ…」
2人でタイミングを揃えて。
「「いただきます!」」
結局その日は2人で他愛のない話をしながらお昼を食べた。
普段のテンションと推し語りするときのテンションの差をつけてみたら
胡桃ちゃんのキャラがちょっとだけ面白くなった!
先に謝罪しとくと、ep.2公開まで期間が結構空いちゃうかもです!ごめんなさい!
幼馴染のツンデレくん ep.2 隠し事
キャラデザはわざわざイラストで描こうと思ってないので
キャラ像はお好みでどうぞ!
放課後、HRが終わると先生に呼ばれ、先生の|お手伝い《雑用係》をしてクラスメイトより
帰るのが遅くなっちゃった。
手伝いが終わって電車で帰ろうとホームに行くと、そこで電車を待つ大和がいた。
「大和、いつもクラスで一番先に教室出るくらい早いのに今日は遅いね。」
私が話しかけると、大和に驚かれた。
「ちょっと放課後学校の近くに用事があって。」
目が合わないなぁ。
「目が合わない時って、大和何か隠し事とか嘘とかついてるよね?」
「別に何も無い。空が綺麗だなって見てただけ。」
改めて空を見てみたら、綺麗とは言えなかった。
半分空は雲で覆われてるし、大和が向いてるのは太陽と真逆の方向。
というか、まだ夕焼けという夕焼けの時間帯でもない。
「言い訳が苦しいよー」
「とにかく、胡桃には関係ない。」
「ああ、そう。」
そこで会話は途切れ、無言で電車に乗り、少し間を開けて何も会話せずに帰った。
何を隠してるんだろう。
何かケガしたのかな?
何か買いに行ってたとか?いや、それだったら隠さなくていいはずだよね。
だとしたら、もしかして彼女ができちゃったとか…?
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
自分の部屋で叫んじゃった。
推しの幸せは願いたいけれど、彼女できたとかだったら言ってほしい!
んーでもやっぱ推しを取られるのは悔しいかも!
いや、待てよ。
いつも大和と話してたから忘れてたけど、そういや大和って極度のクールだった。
中学の時にクラスメイトの女子に
『胡桃ちゃんよく黒瀬と話せるよね。黒瀬って外見はイケメンだけど
内面はクール通り越して寒波だからちょっと彼氏にはできないなぁ。』
って言われたんだよね。
きっと大和には仲良い人とそれ以外の壁?みたいなものがあるだけで
話せば仲良くなれると思うんだよなぁ…
って!大和に彼女ができたかもだっけ!まだ確定ではないけど!
「…お幸せに…?」
なんでだろう、今までだったらきっと素直に応援してただろうなぁ。
これが同担拒否ってやつなのかな…?
まあ、大和が教えてくれるまでそのままでいっか。
テスト勉強しなきゃ!
---
〈Side 大和〉
家に帰って、自分の部屋に入ると、いきなり全身の力が抜けた。
「はぁ、なんとか耐えた…」
先にもう帰ってると思ってたのにまさか電車のホームで胡桃に会うなんて。
バッグの中からラッピングされた袋を取り出す。
「誕プレ買ったの、バレなくてよかった。」
1学期の期末テストが終わったら胡桃の誕生日だから、
プレゼントに桃の香りのハンドクリームを買っておいた。
売ってる店に女性しかいなくて実はちょっと恥ずかしかった。
ちなみに理由は、胡桃には“桃“って漢字入ってるし、
金木犀の香りのもあったけれど季節が違ったから桃の香りを選んだ。
あと、これは絶対に気づかれないと思いたい。
桃の花の花言葉は『私はあなたの虜』。
「幼馴染が一番いいポジションな気もするし、付き合いたい気持ちもあるし…」
これは明智に聞いた話だが、胡桃にとって俺は“推し”らしい。
きっとこの恋は叶わないけれど、俺は胡桃がずっと好きだ。
少なくとも小学生の時からずっと好きだ。
だから、付き合えなくてもいいから隣に居させてよ、胡桃。
---
〈Side 胡桃〉
キーンコーンカーンコーン♫
やばい。テストが、終わっちゃったよ。
2つの意味でね。
思った以上に解けなかったことと、テスト自体は終わったってこと。
「胡桃ー、一緒に帰ろー!」
「うん!」
テスト自体は終わったから今日はこれから美結と遊びに行くんだ!
学校を出てスマホをいじりながら2人で歩く。
「どこ行く?」
「まずは糖分補給に駅前のクレープ屋行こ。」
クレープ屋の写真を美結が見せてくれた。
「わ、美味しそう、早く行こ!」
そのクレープ屋で買ったいちごとチョコレートのクレープが美味しかった!
「糖分補給って大事だなぁ。腹が減っては遊べぬって感じ?」
「確かに腹が減っては遊べぬ。」
それからカラオケに行ったり、お揃いで色付きリップを買ってみたり。
めっちゃくちゃ充実した午後になった。
帰ろうとすると、美結に引き止められた。
「胡桃」
「ん?どうしたの、美結。」
「え、もしかして今日が何の日か気づいてないの?」
「何の日だっけ、何かの記念日?」
美結が苦笑いした。え、本当に何かあったっけ。
「今日はさ、7月1日…胡桃の誕生日。」
今日?7月1日…誕生日…
「わ、えっ!完全に忘れてた!テストのことしか頭になくて!」
「ですよねー…なんかそんな感じしてた。で、ハッピーバースデー、胡桃。」
そう言って美結はプレゼントをくれた。
「今日買っておいたの。中身は後で見て。気に入ってくれるといいなぁ。」
「え!いつ買ったの!全然気づかなかった!」
「気付かれないように買ったから、そりゃぁね。」
「本当にありがとう!じゃあ、また明日ね。」
「うん。バイバイ。」
帰って美結のくれたプレゼントの袋を開けてみると、
中身は雑貨屋で売っていた月と星の形をした金色のイヤリングだった。
「これ、私が可愛いって思ったやつ。」
確か美結にどのイヤリングが可愛いと思う?って聞かれたよね。
あれ、美結が買って使うためにセンス的な問題で質問してきたと思ってた。
誕生日、か。嬉しいなぁ。
私が1人で喜んでいると、部屋の窓を叩く音がした。
これは大和と私が話すときに使う親にも秘密の合図。
幼馴染になった一番の理由って、家が隣だったからなんだよね。
どうしたんだろう。え、お祝いとか期待しちゃってもいいのかな?
推しから?え、無理!心臓もたない!
おそるおそる窓を開けると、予想通り大和がいた。
「遅い。一応7月ではあるけど夜はちょっと肌寒いんだよ。」
「ごめんごめん。…で、どうしたの?」
「えっと、誕プレ渡しに。」
「え、本当に?嬉しい、ありがとう!」
大和が渡してきた袋は両手に収まるくらいの大きさ。
何が入ってるんだろう?
「ここで開封してもいい?」
「いいけど…恥ずいな、何か。」
照れてる推しも最高!
そう思いながら袋を開けてみると…
「ハンドクリームだ!え、桃の香り好きだから嬉しい!
ねぇ、もしかして桃の香りなのって胡桃の字に“桃”が入ってるから、とか?」
考えすぎかな…?
「…合ってる。胡桃って何か勘が鋭いよな、バレないと思ってたんだけど。」
まさかの!合ってた!
「大事にするね!んープレゼントだし…観賞用とかにしちゃう?」
「いや使えよw」
しまった、心の中にいるオタクの私の声が口から出てきてしまった…!
まあ、ボケとか冗談とか思ってくれてそうだし、OK!(?)
「冗談冗談、ちゃんと使うから!w」
「おう。あ、そうだ言い忘れてたな。誕生日おめでとう。」
「ありがとう。ふふ、これでまた大和より年上w」
「それで喜ぶのはガキだw」
何かプレゼントを貰ってから口角が上がりっぱなしだ、ちょっとキモい。
テンションがちょっとバグっちゃってる。
意味はわからないけれど、笑いが込み上げてきて2人で笑い合う。
やっぱ、学校の他人モードよりこっちの方が楽しい!
笑い終わった後、ふとあることを思い出した。
今、あの時のことを聞いてみようかな…?
でも、空気悪くなったら…いや、勢いで聞いてみる?
「そろそろ部屋戻ろ。」
「あ…」
「どうかしたか?何か…カオナシ化してるけど。」
「あの、えっと…言葉がまとまらない、ちょっと待って。」
んーこれは、勢いで言っちゃう?
大和も待ってるし、このまま何でも無いで終わらせるのも気まずい。
よし、言おう。
「この前、駅のホームで会った時。何を隠してたの?」
胡桃の心の声のテンション感が作者もわからなくなってきたw
幼馴染のツンデレくん ep.3 勘違い
深刻な問題が発生しちゃったのでちょっと聞いてほしいんですけど。
大和(やまと)のツンデレが今んとこ炸裂してない?とか不発?って感じで…
大和と胡桃の絶妙な勘違いとか話の噛み合わない天然な2人しか
皆様にお届けできてないんですけども。
これって、作者の責任です…よね?
まあ…これから胡桃の前で素直になれない大和が増えてくと思うんでお楽しみに…?
オワタ\(^o^)/
「この前、駅のホームで会った時。何を隠していたの?」
数秒の沈黙。
あ、これ、聞いちゃいけないやつだったかな。
「もしかして…それだけ?」
大和から返ってきた言葉に驚いた。
「え、それは…どういう意味?」
「胡桃に言われた通り隠し事をしてたってのは図星。
あれさ、俺が胡桃の誕プレを買いに行った時だったんだ。」
今度はちゃんと目が合う。嘘はついてない。
「でも、誕プレ買いに行ったってこと、流石に言えるわけが…
サプライズにしたかったし。」
説明をする大和が少しずつ早口になって、顔が赤くなっていく。
「俺のせいで何か胡桃が変な勘違いでもしてたら…何かごめん。」
え、何これ、天使だ。…って、違う、今はそんなこと考えてる場合じゃない!
「な、なんだ。そういうことかぁ…!
私、大和に彼女できちゃったのかなとか、怪我したのがカッコ悪かったのかなって
勝手に考えちゃってた。」
「あー…何か、ごめんな。本当にごめん。」
「いやいや!私が勝手に勘違いしてて!大和ごめん!」
「…せっかくだしもうちょっと話してからそれぞれの部屋戻るか?
雑談。時間ある?」
「時間あるし、いいよ!」
私の心臓はきっともたないけど!
あーよかった。
って私、彼女がいなくて安心してる?
前もちょっと考えてた、同担拒否になっちゃった?
いやいや、まだリア恋勢じゃないし?
…この気持ちは、何だろう?
なんか違和感だけど…まあ今はまだいっか。
---
〈Side 大和〉
何を聞かれるかと思ったら、駅の事か…
もっと重い話されるかって勝手に想像してた。
ベッドに倒れ込む。
「俺に彼女が出来るとかないだろ…!
告られても絶対断るし、まず俺って多分モテてない側だろ…」
まあ、一旦それは置いといて、と。
「胡桃に誕プレ、無事に渡せてよかった…」
実はどういう流れで渡せばいいか分からなくて
脳内シュミレーションをちょっとだけしたりもした。
まあ、結局本人を前にしたらそんなもの意味がなくなってしまったけど。
自然に渡せただろう、きっと。
安心して体の力を抜くと、いつの間にか眠りに落ちていた。
---
〈Side 胡桃〉
休日が終わって、憂鬱な月曜日がやってきた。
テストが終わってハッピーだった週末が終わり、今度はテスト返し…
成績は至って普通だけど、好きか嫌いかで言ったら嫌い。
「テスト返し地獄…」
私がそう呟くと、後ろから話しかけられた。
「テスト勉強のこと、相談してくれたらよかったのに。」
声の主は大和。学校モードだといつもより丁寧に喋ってくれる。
私は幼馴染として接してくれるいつもの大和を推したいけど仕方ない!
「中学の時に黒瀬くんにテスト勉強見てもらったことあったけど、
本当はあの時間、黒瀬くん自身の勉強の時間に費やしてもらうべきだったなって
罪悪感があって、もう相談してないの。」
本当の理由は大和が眩しすぎて隣で勉強してたら私が輝きで消滅するからだけど!
「俺は全然迷惑じゃないから、いつでも困ったら言って。」
「それなら…次は遠慮なく頼るね。ありがとう。」
「うん。」
推しとの朝の会話が終わった。
うぅ…もっと喋ってパワー貰いたかった、もう十分元気だけど。
「黒瀬と桂さんって仲良いのー?」
「「…え?」」
後ろからクラスメイトの|桑原章 《くわはら あきら》くんが話しかけてきた。
桑原くんは出席番号順で(黒瀬)大和の後ろの席に座る男の子。
かっこいいと言うより、可愛い感じの子だ。
話に戻ろう。え、仲良いこと何かバレてない?
「黒瀬くんは中学校から同じで。」
「え、それでも黒瀬の態度、桂さんだけ全然違くない?
ほら、黒瀬って基本女子に対してクール通り越して寒波な態度じゃん!
あ、もしかして、2人ってもしかして!付き合っtっモゴゴ…」
大和が勢いよく桑原くんの口を塞いだ。
「「付き合ってない!」」
「わー、ハモった。」
「ちょ、桑原こっち来い。胡桃も一応来て。」
「うん。」
え、何か大和ちょっと不機嫌?キレ気味?
大和に連行されて私と大和、桑原くんは今空き教室にいる。
「まず、俺と胡桃は付き合ってない。
胡桃は中学校から同じって言ったけどもっと前から同じ学校に通ってたし、
俺らは幼馴染だ。」
「え、待って大和。どこまで桑原くんにバラすつもり?」
大和、キレてる勢いで色々暴露するのだけはやめて!w
「これ以上のことは言わないから。」
「それなら…良いんだけど。
なんかごめんね、大和今ちょっと不機嫌になってるかも。」
「いいのいいの。僕こそグイグイ話しかけちゃってごめんね、桂さん。
僕さ、人との距離感掴むの苦手だし、友達が欲しくてこうなっちゃうんだ。」
なるほど、だからクラス目立たない私と話しかけるなオーラが漂ってるらしき?
大和に話しかけてきたんだ。
「で、その…私と大和が幼馴染ってこと、秘密にしてもらってもいいかな…?」
「なんで?」
「何でって…その…」
どう説明すればいいのかな、大和に言ったときは何となくで了承を得たけど
それ以外の人に説明するの、ちょっと難しいな。
すると、私が困っているのを察した大和が代わりに答えてくれた。
「胡桃が、俺と幼馴染なの秘密にして欲しいんだってさ。」
「え、いやそれ理由になってないよ!w」
思わずツッコミを入れる桑原くん。
「自分で説明するよ。ちょっと恥ずいから大和一回教室出て!」
「は、はぁ…?え、俺にその説明した時全然そんな感じじゃなかったよな?」
「いいから!」
私と美結がお弁当を食べるために空き教室に行った時とは違って
大和は渋々教室を出て行った。
仕方ない、こうなったからには私にとって大和は何か話してしまおう。
「実はさ、私にとって大和って最推しなの。」
「え、恋愛的な意味で慕ってるとかじゃなくて?」
「ちょっと一回その恋愛とかいう話するのやめよっか。」
そういうのは流石に話がズレるからストップ。
分かりやすく圧をかける。
「それは…すみませんでしたっ」
そういって桑原くんは苦笑い。
「大和ってさ、結構女子から見たらイケメンなの。
で、勉強も運動もできたら…そりゃモテるでしょ?想像つくと思うけど。」
「そうだねぇ、今年で初めましての僕でもなんか分かる。モテそう。
でも、本人あんまり女子に話しかけられてなくない?」
「そう。大和ってさ、結構クールというか…人見知り激しいというか?
仲良い人としかちゃんと話そうとしなくて、
壁?みたいなのがあるから女子が近づけないんだと思うんだ。」
「へぇ、だからか!」
「でもね、初見だと『黒瀬くんってかっこよくないー?』的な事を
言う女子ってきっといると思うの。
そこで私が大和の幼馴染ってバレたら…
なんか女子ってめんどくさいの、桑原くんって分かる?」
「まあ察せるよ?『黒瀬くんに私を紹介して欲しい!』っていう黒瀬目的で
近づくめんどくさい女子と関わるのってしんどいってこと…でしょ?」
「そう!そうなの。だから、バラさないようにして欲しいなって。」
「いいよ」
桑原くんは即答してくれた。
「まあ、もともと気になっただけでバラす気はないし。」
「よかった、ありがとう。
あ、そうだ。それと、私が大和のこと最推しだと思ってること秘密ね!絶対!」
「あ、それはそのうちきっと忘れるから大丈夫ーw」
何でだいw
「さて、話は終わったし大和呼び戻そ。」
「そうだね、黒瀬大丈夫かな。暑さでやられてないかな。」
ドアを開ける。
「大和ー、話終わっ…あれ、いないや。」
桑原くんが様子を気にしてドアの方を見にきた。
「え、何でいないんだろう…あ、ドアにふせん貼ってある。」
「あ、ほんとだ。」
いや、そのふせんとペンはどこから出てきたのwまさか持ち歩いてる?w
内容はえっと…?“暑かったから先に教室戻る。”
「なーんだ、それだけか。桂さん、教室戻ろ。」
「そうだね。」
教室に戻って、席に座った。
後ろを向いてみると、大和は机にうつ伏せになって外を見ていた。
なんか…まだ不機嫌そう?
まあ、気にしないでいっか。寝不足なだけかもだしね。
---
〈Side 大和〉
空き教室を追い出された俺は、暑かったから先に教室に戻ることにした。
ポケットの中にテスト勉強に使ったふせんとシャーペンが入ってたから
“暑かったから先に教室戻る。”とだけ書いてドアに貼っておいた。
「はー。」
思わずため息が出てくる。
何なんだ、桑原とかいうクラスメイト。
学校で俺と胡桃の2人で話せること少ないのにさ。
あいつ、口調がもうさ、胡桃のこと好いてそうじゃん。危険人物じゃん。
桑原と胡桃を2人きりにしたくなかったなぁ…
椅子に座って、机にうつ伏せになる。
そして、桑原に『2人って付き合ってるの?』って聞かれた時に
胡桃が『付き合ってない!』って即答したのが地味にショック。
俺も同じように即答しちゃったけどそれは恥ずかしかったのと、
否定しなかったら俺の気持ちに感のいい胡桃が気づいてしまうかもだから。
2人が教室に戻って来た。
席に座って後ろを向いた胡桃が俺を見てきたが、
何でか分からないけれど目が合わせられなくて外を見るフリをした。
結局、胡桃は何も俺に話しかけずにまた、前を向いた。
この感じだと…桑原に変なことはされてなさそうだな…?
やばい、なんかボディーガードみたいになってるな、これ。
まあ、いっか。
何にせよ、俺が太陽のように眩しい胡桃を守るってことは変わらない。
作者、ツンデレとは何かGoogle大先生に聞いてみるも、
調べたことによりツンデレとは何か分からなくなり完全に迷走。
きっとそのうち行方不明になるわw
幼馴染のツンデレくん ep.4 七夕祭り
今回はお祭りの話!
夏祭りepもそのうち書くと思うけど!w
今日の学校の雰囲気はなんだかちょっと浮かれ気味。
それは、今日の夜は七夕祭りだから!
七夕祭りは学校周辺で毎年行われてる伝統行事。
毎年大盛況で、私も家族とか美結とかと何回も行ったことがある。
今年も行きたいけど誰と行こうかな…?
その時、メッセージアプリから通知が来た。
送り主は…?美結だ!
送られてきたメッセージを確認する。
『今日さ、一緒に七夕祭り行かない?去年は私の予定で行けなかったし!』
わぁ、ナイスタイミングすぎる!
急いで返信。
『もちろん!一緒に行こう!』
一緒にお祭りに行く相手ができてよかった。
午後6時。
美結はちょっと準備に時間がかかってるらしく、祭り会場に現地集合になった。
私が先にお祭り会場に着いて美結を待っていると、ある人を見かけた。
桑原くんだ。周りには友達かな?他の男子もいる。
私が桑原くんの方を見ていると、あっちも私がいることに気づいた。
「あ、桂さんじゃん!誰か待ってるの?」
「うん、美結…って言っても分からないよね。
中学校から同じだった友達を待ってるの。」
そう話している時、美結が私の方にやってきた。
「お待たせ!…で、この人は?」
「美結!全然待ってないから大丈夫だよー!えっと、クラスメイトの桑原くん。」
「桑原でーす。じゃあ、合流できたみたいだし俺は行くね、また学校で。」
「うん、じゃあね。」
桑原くんは男子の輪の方に戻って行った。
「え、桑原…?って誰?」
まだ美結は桑原くんのことわかってないみたい。
「出席番号が近くてさ、私と大和が仲良いの見て付き合ってると勘違いしちゃったの。
だから、幼馴染ってことは知ってるよ。」
「ふーん、まあいいや。じゃあ、行こっか。」
「うん!」
たこ焼きとかわたあめを食べたり、くじ引きをしてみたり。
七夕らしく、短冊に願い事を書いて飾ってみたり。
スーパーボールすくいに…射的も楽しかった!
射的はまさかのスーパープレイで美結がイルカのペアキーホルダーを当てて、
水色のイルカを美結、ピンクのイルカを私が貰っちゃった。
「あー楽しかった!大体屋台は回ったし、そろそろ帰る?」
「そうだね、帰ろ。もう8時半だ、楽しい時間が過ぎるのって本当早いな。」
「ふふ、そうだね!」
私たちがお祭り会場から出ようと歩いていると、ふとある光景が目に入った。
「ねぇ、君、かっこいいじゃん。私たちと一緒に来ないー?」
「いや、ちょっと…」
「えーそんな遠慮しなくてもいいのに〜」
いちご飴を食べている大和が女性のグループに話しかけられていた。
逆ナンパ…?よく見たら…お酒で酔ってる?
そりゃあ大和も反応に困るよね…
いや、まずナンパ自体困るし、大和は人見知りだからこれはヤバい状況だ!
「あれ、黒瀬だよね。」
美結も気づいていたらしい。
「私、大和を助けに行ってくる。ごめん、待ってて!」
「え、ちょ、はぁ!?」
美結の困惑とか反対するのも分かるけど!行かなきゃ!
私は早歩きでナンパの現場に向かった。
「あの!」
話しかけた…はいいけど!何言うか考えてなかった!
これじゃあ私も巻き込まれるだけ!ヤバい!
「どうしたの?私たちに何か用ー?」
「胡桃…!?」
「え、どうしたの?あ、もしかして君、この子と待ち合わせてたとかー?」
大和がまた女性の1人に話しかけられた、と思ったらなぜか大和が私に向けて
手を合わせて申し訳なさそうにする。なんでだろう?
「そうなんです、ちょっと…彼女と待ち合わせてて。」
え、え、えぇぇぇぇぇ!?
何それ、ハンドサインってそういう意味だったの!?
「えーそうだったの!青春じゃん!邪魔しちゃってごめんねー!」
そう言って女性たちは去っていった。
「ちょ、なんで彼女って!」
「いや、だからハンドサインしたじゃん。
あれくらい言わないとあの人たちどっか行ってくれそうになかったし…
不快な思いさせちゃってたら…ごめん。」
「いや、そういうことではないんだけど…!」
「それと、助けに来てくれてありがとう。胡桃は誰かと来てたのか?」
「まぁ…うん。美結と来てて、今から帰ろうとしてたとこだよ?
大和はなんで来てるの?誰かと待ち合わせ?」
「ちょっと母さんになんかお祭りで買ってきてって言われたから。
自分で行けばよかったのにな。」
おぉ、気まずい、なんか。
「そっか、じゃあ、私もう美結のとこ戻らないと。バイバイ!」
「おう、またな。」
無理やりそう言って、私は美結の方に戻っていった。
「お、帰ってきた。見てたけど、どうやって解決したの?
あの酔ってる人の声は聞こえて…なんか、『青春だねー』とか言ってなかった?」
「んーとね、秘密、ちょっと恥ずかしいから。」
「なんでよw」
「解決したからいいの。」
「まあ、それでいっか。言いたくないなら言わないでいいよ、察しとくからw」
「え、察しとくって何?怖い!」
「言ってくれないからそうなるのー。」
どうでもいい話で盛り上がって、私たちは家に帰った。
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〈Side大和〉
さっきは胡桃のおかげで本当に助かった。
まさか、酔っ払った女性に絡まれるなんて思ってなかったな。
自分の言った言葉を思い出して恥ずかしくなって、
近くのベンチに座り込んで顔を隠した。
「なんで俺、『彼女と待ち合わせてて』とか言っちゃったんだよ…!
普通に幼馴染でもよかっただろ…!」
半分…いや、それ以上?自分の願望が入ってしまった発言だった。
きっと俺の顔は恥ずかしさで赤くなっているだろう。
しかも、俺が七夕祭りに来た理由も嘘をついてしまった。
一緒に来る相手がいなくて、でも祭りに来たくて1人で来たなんて
ダサくて言えるわけがない。
顔を上げると、短冊スペースを見つけた。
「願い事、書いてみるか。」
願い事を書こうとは思ったものの、何を書けばいいか分からなくて
他の人の短冊を見てみる。
すると、胡桃と明智の短冊を見つけた。
明智の短冊には『これからもKと友達でいられますように』と書かれている。
Kはきっと胡桃のことだな。
胡桃は『推しをこれからも近くで眺められますように』と書いていた。
やっぱり、俺は胡桃にとって推しなんだな。
ちょっとがっかりしながら、自分の願いを書く。
『俺の気持ちがバレませんように』
ヤバい、大和が一途すぎる!私も推せそう!w
完全に私の好みになってきている!w
幼馴染のツンデレくん ep.5 一目惚れ
小説と全然関係ない雑談
数ヶ月前にディズニー行ったんですよ
その時に出勤するスタッフさんとかエンターテイナーさんを見てしまったんですよ
なんかめっちゃ真顔だったし疲れてそうだった気が…?
ディズニーって…夢の国だったよなぁ…?
(スタッフさんも人間だし…)
くっ…メタいことは言ってはいけないのだ!
テストが終わってから、1学期なんてあっという間だった。
気づけば今日から夏休みスタート。
つまり…夏休み中の課題があるということ!絶望!
美結に思わずメッセージを送信。
【助けて、課題無理】>
<【私も無理!部活と勉強両立とか無理!】
すぐに返信がきた。
よかった、みんなきっとそうだよね。1人を除いて。
「はぁ…なんで大和ってあんなに頭いいんだろう。」
きっと大和は後で残ると面倒だから課題は早く終わらせるタイプ。
勉強教えてもらおうかな…?
でも大和勉強教えるの苦手って前言ってた気がする。
とりあえず…1人で頑張ってみますか…!
「ふぅ…レポート1つ終わったー!」
え、もう5時なんだ、早いなぁ。
夏は日が長いから、まだまだ明るさが残っている。
そういえば今日はまだ外に出てない。
ただでさえ美術部で体を動かさないから、
夏休みは1日に1回は外に出て散歩をするって決めてるんだよね。
家を出て、近くの公園に来た。
「久しぶり、ブランコ。」
ブランコを漕ぐと、風が気持ちいい。でもやっぱり暑い。
私が好きな歌を口ずさんでブランコを漕いでいると、誰かが公園にやってきた。
あれ、桑原くんじゃない?
「桑原くん!」
私が呼びかけると、桑原くんは私に気づいてこっちに来た。
「桂さん!昨日の学校ぶり!w」
「うーん、久しぶりとは全然言えないねーw」
「隣のブランコ、座っていい?」
「うん、いいよ。」
「実は相談があってさ…時間があったら聞いて欲しいんだ。」
「私でよければいいよ!」
桑原くんって一見悩みなんてなさそう(悪い意味ではない)だけど、
何を悩んでいるんだろう?
桑原くんはブランコに座ると、まっすぐ前を見て話し始めた。
「僕、実はさ、美結さん…?って人に一目惚れしたんだ。」
そう言う桑原くんの頬が少し、赤くなっている気がした。
夕暮れのせいかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
「美結って、明智美結?私の友達だよね?」
「うん。七夕祭りの時の明智さんが綺麗だなって。」
七夕祭りの時、確か美結はTシャツにジーンズ、ポニーテールっていう
シンプルな格好だったはず。
まあ、スタイルいいからそれも似合うんだけどね。
「美結はね、いい子だよ。運動も勉強もできるし、それを自慢することもない。
本人、別に運動も勉強も好きじゃないみたいだしねw
…私は桑原くんの一目惚れ、応援するよ!」
まっすぐ前を向いていた桑原くんが急に私の顔の方を向いた。
「そっか…ありがとう、頑張るから、静かに応援しといて!」
「うん、頑張れ!」
「あ、そうだ。相談なんだけど、明智さんって趣味とかある?」
「えっと、美結は器用で裁縫が上手だよ。たまに私にぬいぐるみとかくれるよ。」
すごいでしょ、私の自慢の友達。」
「へぇ、すごいや。」
「他は何かありそう?」
「ううん、それだけ。話を聞いてくれてありがとう。
それじゃあ、また2学期に!」
「うん、またね、バイバイ!」
桑原くんはブランコを降りると、少し駆け足で公園を去っていった。
また1人きりの静かな公園に戻った。
桑原くんには言わなかったけれど、美結は実はあんまり恋愛に興味がないみたい。
モテないわけでもなかった美結は、
小学校高学年あたりから男子に告白されることがあった。
でも、美結は一度も付き合ったことがない。
「美結はまだ桑原くんのこと、知らないだろうからなぁ…」
付き合うとなっても、まだまだ先かな。
帰り道。私が掲示板を見てみると、夏祭りの張り紙があった。
この前七夕祭りにも行ったけどお祭りってやっぱり魅力的で、
行きたいなぁ、と思ってしまう。
夏祭りは、七夕祭りと違って花火大会もあるから、花火も見にいきたいな。
大和とか美結、誘ったら一緒に来てくれるかな。
…桑原くんも誘ってみたり…する?
って、いやいや!それじゃあ大和とか美結に変な誤解をさせるだけ!
でも、恋の応援はしたいし…4人で一緒に行ってみちゃう?
ひとまず、大和に相談だ!
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〈Side|大和《やまと》〉
俺が塾の宿題をしていると、窓を叩く音がした。
胡桃だ。何の用だろう…?
窓を開ける。
「どうした、こんな時間に…」
「今日は1つ提案しに。」
「提案?」
「この前、七夕祭りでちょっと会ったじゃん?」
「ああ、あの時はありがとう。本当に助かったな。」
胡桃はこの前の七夕祭りで、
俺から酔っ払った女性たちを引き剥がしに助けに来てくれた。
その時に俺が胡桃のことを“彼女“って言ったのはちょっとやりすぎたな…
「あの時一緒に回れなかったからさ、今度の夏祭り一緒に行かない?」
「一緒に行くのお祭りってこだわるんだなwって…え?2人で?」
2人だったら、ちょっと嬉しかったりもするけど…
「あぁ、ごめん!変な誤解しないで!
美結と桑原くんも一緒だって言ったら…どう?」
「桑原?」
俺は桑原の名前が出てきたことに驚いたし、ちょっとムカついた。
「桑原くんも呼んじゃ…ダメかな?」
「何、胡桃。桑原のこと好きだったりする?」
やっぱり…この前桑原と胡桃が幼馴染のくだりで2人で話してた時に何かあった?
「えっとね、事情があって。」
事情を聞いて、俺は納得した。
「分かった。夏祭りには、4人で行こう。」
「うん!じゃあ、またね。ご飯食べてくる。」
「じゃあな。」
胡桃は窓を開けたまま、部屋を去っていった。
美結に一目惚れした桑原の恋のキューピットになりたい、と胡桃は言っていた。
人の幸せの応援をするって、すごく胡桃らしい。
「俺の恋も、応援してくんないかなぁ…」
夏祭りで、俺と胡桃の関係が進展したらいいのに。
吹出部分はただ新機能を使ってみたかっただけかもしれないw
幼馴染のツンデレくん ep.6 俺のこと
頼む胡桃!大和のことを恋愛対象として見てくれ…!(作者の願い)
大和の一途が報われる日が1日でも早くきますように!
大和、美結、桑原くん、そして私の4人で夏祭りに行く日が来た。
集合場所のコンビニ前に行くと、もう3人とも来てて、私が最後だったみたい。
「待たせてごめん!忘れ物取りに帰っちゃって!」
「集合時間には遅れてないし全然OK、むしろ私たちが早く来すぎたね。」
そう言った今日の美結の服装は、白色に赤い金魚の柄が入っている綺麗な浴衣。
私は紺色に桜の柄が入ってる浴衣だけど、美結の方が大人びてて美しい!
「ちなみにさ、今日のメンバーはどういう組み合わせ?」
美結に聞かれた。そうか、桑原くんのことはあんまり知らないもんね。
実は大和と桑原くんとは口裏を合わせているんだ。
「大和が最近少し桑原くんと喋るようになって、
どうせならってことで桑原くんも一緒に来ることになったの。」
「そうなんだ、じゃあ、今日はよろしく。桑原くん。」
「…明智さん、よろしく!今日ので仲良くなれたらいいな!」
ちょっと桑原くんの声のトーンが高いような…?w
「それじゃあ、顔合わせ?も済んだみたいだしお祭り会場に行こう!」
今年は美結とも推しの大和とも来れて、恋も見守れてなんか楽しそう。
お祭りの会場に入ると、七夕祭りの時よりも人で賑わっていて、
ずっとこの人混みの中にいたら逸れてしまいそうだった。
「花火大会もあるし、とりあえず俺はレジャーシート引いとく。
胡桃、手伝って。」
大和が言った。あ、これは、気遣ってるやつだ。
「うん。じゃあ先に美結と桑原くんで何か買ってきてもらってもいい?」
「わかった、ありがとう!」
人混みの途中でで私と大和チーム、美結と桑原くんチームの二手に
分かれることになった。
大和と…2人っきりだ。
一度呼吸を落ち着かせて…
何なの!今日の大和の格好かっこよすぎでしょ!推せる!
クールな雰囲気の大和に無地の紺色の浴衣がよく似合ってる!
私なんかが同じ紺色(桜柄が入ってる)の浴衣を着ていていいのだろうか!
存在が!涼しい!扇風機とかうちわとかいらない!
いや、ファンサ用にうちわはいるかも!
「ふぅー…」
一回落ち着いて、と。尊死するから一回このループはやめよう…よくない…
「人混みで疲れた?大丈夫そう?」
私の今の落ち着くために吐いた息が疲れのため息に聞こえたのか、大和が言った。
違う、原因は大和!
「大丈夫。」
「そう。」
そこから少し沈黙が流れ、花火を見れるちょうどいいスペースを見つけた。
レジャーシートを引いて、荷物を置く。
「ちょっと休憩しとく。大和、なんか買ってきていいよ。」
「いや、後で行く。」
それっきり、話すことがなくて、沈黙が流れた。
少しして、大和が私に言った。
「胡桃の浴衣、いいじゃん。」
んえ!?心の準備!え!大和が私の浴衣を褒めるなんて!
「そ、そう?ありがとう。」
必死で平然を装ってみた。
「その…大和も似合ってると思う。」
しまった!口が滑った!
「そ、そうか…それはよかった。ダサいとか言われたらどうしようかと思った。」
「そんなこと言うわけないじゃんw」
「面と向かってそう言う奴なんて滅多にいないかw胡桃なら言いそうではあるけどw」
「ひどいなぁw」
なんか、すごく平和で、楽しい。
〈Side大和〉
話すことがなくてつい本音で、胡桃の浴衣をストレートに褒めてしまった。
そしたら…俺の浴衣も似合ってる…だって。
何それ、最高じゃん、幸せじゃん。
こんなに俺も胡桃も楽しそうのに、俺と胡桃のお互いの感情が違うのがつらい。
胡桃はやっぱり、俺のことを推しとしか思ってくれてないのか。
そう思った時にはもう、心から溢れた言葉が喉から出てきていた。
「胡桃は、」
その時だった。
「お待たせー!並ぶのに時間かかっちゃった。」
桑原たちが帰ってきた。
「よくここにいるって分かったね。」
「2人とも寝っ転がってたし、少し探したら見つかったよ。」
「たこ焼き、唐揚げ、ベビーカステラ…定番系選んできた!」
「美味しそうだな。」
「あ、胡桃。これ買ってきた。後でお金払ってね。」
「いちご飴だぁ!美結、ありがとう!」
言葉の続きを言えるタイミングがなくなってしまった。
雑談をしながら楽しんでいると、胡桃が小声で話しかけてきた。
「__さっき、何か言いかけてたよね。何か話すことあった?__」
「__いいや、やっぱり今じゃなくていい。後でタイミングがあったらでいい。__」
「それならいいんだけど…」
本当は聞きたかったけど、そこで聞いて予想外のマイナスな答えをされた時、
俺はきっと今日、笑えなくなってしまいそうだから。
“胡桃は、俺のことどう思ってる?”
そう聞きたかったんだけどな。
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〈Side章〉
時は少し遡り。
美結と桑原はみんなで分ける食べ物を買いに行こうと人混みを歩いていた。
「いつからあの幼馴染たち2人と仲よくなったの。」
まさか明智さんから話しかけてくるなんて思わなくてちょっと驚いた。
人見知りはあんまりしないタイプなのかな…?
「少し前、僕があの2人が付き合ってるんじゃないかって誤解したんだよ。
そしたら、黒瀬に“俺らは幼馴染だ”ってなんか怒られちゃった。」
「そんなことがあったんだ。で?桑原くんは胡桃のこと好きなの?」
「ん…?え、どういうこと?」
「いや、今日私たち4人で来てるけどさ、黒瀬と仲良いなら男
同士2人で来たら良かったんじゃないかなって?違った?」
どうやら変な誤解をされているみたいだ、最悪!
「俺は桂さんが好きなわけじゃないよ!」
「本当に?」
「本当!誓えるから!」
「それじゃあ、一旦信じとくよ。私はさ、胡桃と黒瀬のあの関係を見てるのが好き。
だから胡桃と他の男子が付き合うところとか想像できないし、見たくないの。」
「へぇ…それ、何となく分かるかもね。」
僕もクラスで聞いてるだけでもあの2人の自然体な会話はちょっと好き。
あ、盗み聞きしてるのは触れないで!w
「嫌じゃなかったらさ、僕と仲良くしてくれる?」
勇気を出して言ってみる。
「いいよ…っていうかまだ、ほぼ初めましてだしこれから仲良くなろう。」
「そうだね!よろしく。」
「こちらこそ。私のことは美結とでも呼んでくれたらいいよ。」
「じゃあ、美結、仲良くしてね!」
それからいろんな物を買ったりして、いろんな雑談をした。
これでちょっとだけ明智さんには僕のことを認識してもらえたかな。
ちょっとだけ、仲良くなれて進展したかな。
大和が今作一番のイケメンかと思いきや、美結もイケメン女子だ!w
幼馴染のツンデレくん ep.7 勉強会
夏休みって最高だね!
宿題あるけど…うぅ…
今日は夏休み終了1週間前。
私はある大問題を抱えている。
それは…数学が嫌いすぎて全然分からないということ!
つまり、課題が終わっていないということ!
「これは、大和ヘルプか…?」
幼馴染の大和は私が算数とか数学とかが苦手だってことを誰より知ってる。
頭のいい大和なら教えてくれるかな…?
迷惑がられないといいな…
自分の部屋の窓を開けて、向かいにある窓をコンコンと叩く。
すると、大和が出てきた。
「何…?起こさないでよ、寝てたのに…」
え、何?ん?何この開ききってない気だるげな目つきをしたイケメンは何!?
大和のことを最推しと思ってる私からしたら眩しすぎて消滅しそう…!
「え、あ、えっと…数学教えて欲しくて…」
「その感じだと、まだ課題も終わってなさそうだな。」
「そうなんだよ…だから、教えていただいてもよろしいでしょうか!」
大和の時間を使わせちゃうのは申し訳ないけど、私にはこうするしかできない!
「いいよ、いつどこで教えりゃいい?」
よし!あっさりと許可をしてくれた。
「明日の昼からとかどう?私の部屋で!」
「分かった。昨日寝不足だったから二度寝するわ、じゃあまた。」
「明日はよろしくー!」
なんかすごくテンポよく会話が進んで日程とか色々決めちゃったけど…
私の部屋か!ヤバい!片付けなければ!
次の日。
大和が私の部屋にやってきた。
「大和が私の部屋に来るの、小2くらい?ぶりかなぁ。
でも窓から話してて部屋の中は見えてたよね?」
「一部は見えてたな。…懐かしいな。
部屋の中身結構変わってるけど、この時計はずっと変わってない。」
大和は壁にかけられた木のフレームの時計を指差した。
「小さい時は地味な時計だなとしか思ってなかったけど、今は結構愛着湧いてる!
この時計が変わっちゃったら違和感しかないかもね。」
小さい頃はプリンセスとかアイドルのアニメが好きで
キャラクターだらけのごちゃごちゃした部屋になってたっけ。
「って、私の部屋の話はいいから!本題!」
「はーい。」
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〈Side 大和〉
「基本は分かってるっぽいけど、応用はまだ全然だな…」
今、好きな人の部屋に勉強を教えるって理由でお邪魔してる。
嬉しいっちゃ嬉しいけどさ、恥ずかしいんだよな…
もちろん女子の部屋だからっていうのもあってなんか可愛いし。
俺の部屋ってめちゃくちゃシンプルな部類なのかなって思った。
「疲れたから休憩にしない?理解しようと頑張ったからもう何も考えられない…w」
「俺も教えるの疲れた…」
実際、胡桃はまあまあ要領良かったから思ってたほど疲れてもないけど。
胡桃が飲み物を取りに行ってくれている間に、胡桃のノートを見てみた。
胡桃って丸い字を書くんだな…なんか、女子って感じ。
「…はは、」
ちょっと嬉しいなと思いつつ、自分ってキモいなとも思った。
知っているはずなのに、もっと知りたいと思ってしまう。
部屋を見ていると、胡桃のベッドの横に抱き枕っぽい?ひよこのぬいぐるみが
置かれているのを見つけた。
俺が中2の時に誕プレであげたやつ…
ベッドの上に他の物は何も置かれていなかった。
「胡桃がひよこを抱きしめて寝てる絵面とか最高かもな。」
俺の勝手な妄想が本当だったら絶対可愛い。
「私の部屋の何がそんなに面白かったの?」
急に俺の視界に本人の顔が現れた。
「…!」
全然気づかなかった。
「そしてそんなに驚く?w私そんなに気配消すの上手かったっけな…w」
「…ごめん。」
「全然気にしないよwはい、オレンジジュース。甘すぎないやつ選んできた。」
「俺の好みに合わせてくれてありがとう。」
「私の勉強に付き合ってもらってるからそのお礼だと思ってよ。」
「じゃあ遠慮なくいただきます。」
気分の問題だろうけど、オレンジジュースがいつもより甘く感じた。
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〈Side 胡桃〉
なんとか数学の勉強会が終わって、さっき大和が帰っていった。
「きっ、緊張したぁ…」
男子を家に呼ぶとか、いつぶりか分からなくて…
「何も変じゃなかったよね…?」
部屋を見ていると、カレンダーが目に入った。
夏休みももうすぐ終わりだ。2学期がやってくる。
2学期は体育祭に、文化祭。楽しみなことがたくさんある!
そんなイベントの時に、大和や美結…桑原くんもかな?一緒にいられたらいいな。