編集者:金平糖
野球をテーマに、主人公の一生を送っていく話です。野球の話が中心ですが、
それ以外に哲学的な要素も含まれておりますので、ぜひ野球に興味がない方も
ご覧ください!
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目次
焦がれたナンバー①
責任は、人を変えてしまう。
責任感が強くなると、自分のことより人のことを見ないとって思っちゃう。
そんなプレッシャーに勝てない奴なんて、リーダーなんかに向いてない。
そんなこと考えていたら疲れてきた。
やっぱり自分にはできないんだ。
人を傷つけてまでリーダーになりたいとは思わない。
だからリーダーを辞めようようとした。
諦めようとした。
でも、無理だった。
大好きだったから。
仲間がいたから。
どんなに身勝手なリーダーであっても、仲間は待ち続けてくれた。
信じてくれた。
次はできると思う。
新しい背番号で、ホームへ向かって走り出す。
主人公、安本清翔(やすもとせいと)父子家庭で母親がいない。野球では監督に10番を進めら
れてキャプテンになって責任感が増す。そんな中、塾の
テストで赤点をとってしまったりキャプテンとして絶対
に犯してはいけないある過ちを…小6
幼馴染、素浪凜(そなみりん) 清翔と同じ塾で小さいころからの付き合い。
野球ではチーム唯一の女子プレイヤーだが一番うまいと
いっても過言ではない。小6
片山大地(かたやまだいち)プレーでも常に頭を使う頭脳派。清翔と凜とは幼馴染で
塾も一緒。成績はとてもいい。
鬼監督、岡野一(おかのはじめ) プレーにも礼儀にも厳しい47歳。関西弁交じりの説教は
誰もがまぬがれたいと思っている。凜や娘の紗良には優
しい。
セイト目線👀
「セイト、10番つけてみぃひんか。」始まりはその一言だった。「い、いいんですか⁉僕で。」突然の発言に思わずドキドキする。「ノックもまじめに受けてるし、態度もいいからや。」「そ、そんな…リンやダイチだっていいじゃないですか!なのに、なんで僕なんですか?」「なんだ?そんなに嫌なのか?」ニヤニヤしてくる鬼カントク。こんな時だけ鬼じゃないのに⁉「で、どうするんか?」「はい…頑張ります!」カントクの期待に応えるような姿勢を見せるために、大きな声で返事をした。「じゃあ、はい。明日の試合からお前はキャプテンや。今日中にユニフォームの背番号代えときや。」「はい!」「岡野監督~!もう解散しちゃっていいですか?」「おお、リンちゃんか。もう解散してかまわんよ。」「はい!」リンは、身長140センチぐらいでやや小柄。しかし、その体から繰り出される華麗な守備は誰もが息をのむほどだ。リンのほうを見ると目が合う。「あ、セイト。キャプテンになったんだ!すごい!」「あ、うん。」どうやって返事したらいいのかわからなくて、テキトーな返事をしてしまった。「これからよろしくね!」「こちらこそ!」「これからも、か!」とにかく明るいけど、仲間を大切にしてくれるリンのことが好きだった。でも、プレーでは正反対。冷たく、敵をにらみつける鋭い視線は、ギャップを感じてしまう。そんなリンにもこれからは負けられないと思った。
次の日、試合前の練習にて。ノックの練習をしていた。「バッチ来い!」「おっしゃ、セイトいったで!」『パチンっ』あ、あれ?思わず俺はグラブを見た。ボールが入ってない、つまりエラーだ!足元を転がるボールをぎゅっとつかんで、対処する。「何やってんねん、セイト‼」監督の怒りは最高潮だった。「すみません!」誤ったところで許してくれるはずがない。覚悟はしていたが…「キャプテンやから罰はみんなの百倍や!リンちゃん、何週にする⁉」「じゃあ、グランド0,01周で!」百倍なんて考えたところで気が遠くなりそうだったが、0,01×100は…1!マジで⁉リンありがとう!
声や表情には出さなかったけどちょっとうれしかった。「はよ走ってこんか!」「はい!」
走りながら考えた。キャプテンとしてのあるべき姿。みんなを引っ張るのがあこがれのキャプテン像。集合時間になったらみんなに声をかけるとか、うるさかったら注意するとか。そういうのも大事なんだけど。やっぱり一番大切なのは…プレーで引っ張ること!多分、今の俺には全然足りていない。プレーが圧巻じゃないとみんなついてきてくれないかもしれないし、下手くそキャプテンの言うことなんか聞いてくれないと思うから。そうして今日の試合後、監督に言いに行った。「もっと、ノックお願いします!」「ええけど…キャプテンが体でも壊して休んでみ。みんなは何もできなくなるで。そこをちゃんとわかっときや。」「ちゃんと考えました!」これだけ自身もある。今日から変わるんだ、そう決心した。「そんだけの決意があるならいいと思うで。でも、練習はめっちゃきついけど、ついてこれるか?」「ついていきます!」「よっしゃ、じゃあ千本ノックしてみよか!俺やったことないねんけど、セイトならいける気がするで!」「はい!」誰もいないグラウンド。夕日がボールの影を映す。滴り落ちる汗はいつもと違う感覚だった。
焦がれたナンバー②
主人公、安本清翔(やすもとせいと)父子家庭で母親がいない。野球では監督に10番を進めら
れてキャプテンになって責任感が増す。そんな中、塾の
テストで赤点をとってしまったりキャプテンとして絶対
に犯してはいけないある過ちを…小6
幼馴染、素浪凜(そなみりん) 清翔と同じ塾で小さいころからの付き合い。
野球ではチーム唯一の女子プレイヤーだが一番うまいと
いっても過言ではない。小6
片山大地(かたやまだいち)プレーでも常に頭を使う頭脳派。清翔と凜とは幼馴染で
塾も一緒。成績はとてもいい。
鬼監督、岡野一(おかのはじめ) プレーにも礼儀にも厳しい47歳。関西弁交じりの説教は
誰もがまぬがれたいと思っている。凜や娘の紗良には優
しい。
リン目線👀
「先生!今日もセイト休みですか?」「お父さんから用事があるって連絡来てたよ。」
ここは私とセイトとダイチが通っている塾、セイコウゼミこと成績向上ゼミナール。
先週ぐらいまでは休んだことがないセイトだったけど、キャプテンになったぐらいからずっと休み。
はじめは体調不良かなと思ったけど、野球は普通に来ている。気になった私は、野球が終わったら真っ先に帰るセイトの後をこっそりとついていくことに決めた。
そして当日。予想通りセイトは解散後、真っ先に自転車に乗って家路についていた。その後ろを、
私がこっそりと後をつけていく。セイトが向かった先は…なんと家⁉もしかして、家でゲームをしているとか?そんなのセイトらしくないなと思った。
野球が終わって月曜日、学校で横のクラスにいるセイトに聞いてみようと思った。
休み時間、廊下ですれ違った際に声をかけてみた。「セイトっ」「リン、どうした?」
セイトをしっかりまじまじと見たのは久しぶりだ。そして雰囲気が変わったように感じる。
「え、あ、えっと…」「思い出したらまた言ってくれ。」そういってセイトは立ち去って行った。
チャンスを逃してしまった、と深く後悔する。最近、セイトの顔を見るとドキドキして
何を言えばいいのかわからなくなってしまう。セイト本人はどう感じているのかはわからないが。
もしかして、これが恋なのかな?
今日は火曜日で塾の日だ。
いつも通りセイトは来ていないんだろうなと思って教室に入った。
そこには、セイトが座っていた。欠席分のフォローを受けている。小さく会釈(えしゃく)され、
こっちも返す。今日は授業があるから、授業後に話そうと思った。
授業後。思い切って声をかけた。「セイト、なんでずっと授業休んでたの?」
「…用事があって」「用事って、何?」気になって思わず深堀してしまう。
「えっと…。」「なに?」そのままセイトは黙り込んでしまった。
「言えないほどやばいことでもしてたの?」「そうじゃない。」「じゃあ何で言えないの?」
「言えないんじゃなくていいわなくたっていいことだからですー。」セイトの調子に乗った
ような言い方にカチンときた。「彼女でもできた?」面白半分で言い返す。「違うって!」
セイトは慌てて両手を動かす。「へー。じゃあ何してたの?」「・・・。」
「ほら言えないじゃん!」「…素浪、しつこい。」静かに放ったセイトの一言は、
私の胸を突き刺した。でも、知っている。セイトは逃げ場がなくなった時、
ドライな態度をとって相手との距離を置くこと。
いつものことで慣れていたから、もう相手にしなかった。
焦がれたナンバー③
主人公、安本清翔(やすもとせいと)父子家庭で母親がいない。野球では監督に10番を進めら
れてキャプテンになって責任感が増す。そんな中、塾の
テストで赤点をとってしまったりキャプテンとして絶対
に犯してはいけないある過ちを…小6
幼馴染、素浪凜(そなみりん) 清翔と同じ塾で小さいころからの付き合い。
野球ではチーム唯一の女子プレイヤーだが一番うまいと
いっても過言ではない。小6
片山大地(かたやまだいち)プレーでも常に頭を使う頭脳派。清翔と凜とは幼馴染で
塾も一緒。成績はとてもいい。
鬼監督、岡野一(おかのはじめ) プレーにも礼儀にも厳しい47歳。関西弁交じりの説教は
誰もがまぬがれたいと思っている。凜や娘の紗良には優
しい。
ダイチ目線👀
今日は自習室で、一週間分の宿題を片付けようと思って塾に来た。いろいろなサイズの自転車で
いっぱいの狭い駐輪場に自転車を止める。「ああ狭い。」横の自転車との幅はなんと5㎝も無い所だ。
その止めにくさに思わずため息が出る。しっかりと鍵をとり、塾の階段を上って教室へと向かう。
入ってすぐの事務所(職員室)には、いつも通り堂々と塾長が座り、パソコンとにらめっこしていた。「こんにちは。」「はい、こんにちは。」軽ーく挨拶をするも、塾長はまたパソコンを見た。
忙しいのかな、なんて思いながらその先の廊下へ進む。壁掛けのホワイトボードで今日の自習室となる教室はどこかと確認する。第七教室か。一番広い部屋で、20~30人ぐらいは楽々入れる。
僕たちが通う塾、セイコウゼミこと成績向上ゼミナールはなかなかな大企業で、多くの校舎と大きな教室を持つ。そして、勉強のサポートも充実していておかげでいい成績がとれる。
いつから通っているかは覚えていないが、だいぶお世話になっている。今の成績を維持できるのは、塾のおかげだ。そういっている間に第七教室につく。ここは入り口から一番離れているといえる教室で、少し遠い。そっと、しまっている扉を開けて中に入る。そこには…横の列でわざと席を話して喧嘩をしているセイトとリンがいた!最悪なことに教室には二人以外誰もおらず、ピリピリした空気だった。ましてやこのタイミングに僕が来てしまうなんて!「こ、こんにちは…。」セイコウゼミでは先輩・後輩・同級生と関係なく教室に入ったら誰にでも挨拶する決まりとなっている。仕方ないので挨拶をした。「こんにちはー!💢」同時に大きな声で返事が返ってきて、思わず一歩下がってしまう。そしてまた、同時に言ったことに対してセイトとリンは顔を見合わせ、睨みあっている。本当は両想いじゃないの、って野球団の同級生とも楽しく観察しているけど。こんなに喧嘩ばっかで大丈夫なのかな?少しおかしくなってきて、口元が笑いそうになって柔らかくなるのをぐっとこらえる。
「はぁー。」広い教室なので二人から少し距離をとって座れる。座った瞬間に全身に入っていた力がどっと抜けていくのを感じた。さっそくテキストを開く。そこでまた—
「おい素浪!さっきの言い方はないだろっ!」
「はぁ⁉安本!あんただってうざかったし!」
あぁ。また言い争いが始まった。今回は結構ガチのやつかも。二人が名字で言い合ってるのはだいぶやばい証拠。このまま仲が崩れてしまったら…と幼馴染の僕もひやひやしてくる。
まぁ大抵のことはすぐに仲直りするかどっちかが相手に泣きつくか(涙は流さないけど)で解決するのがほとんど。そうやって二人はこの関係を紡いできたんだから。フッと笑ってしまう。
それを見たリンは「何で笑ってんのよダイチ!」と言ってくる。「いや、なんかさ。二人ともなんか面白いし似てるなって。」リンは驚いたような表情でセイトのほうを見る。そして顔を見合わせる。
「全っ然似てねーよっ!」あ、照れ隠しかも。セイトは教室を飛び出していく。それを見てまた、笑いそうになってしまうのだった。「ねえなんで喧嘩してたの?」
「あーさっきの?セイトがなんで塾ずっと休んでいたのかについてでさ。」
確かに生徒はキャプテンに就任してからずっと塾を休んでいた。
「何で休んだのかって聞いたらさ、何にも答えなかったの。」「それで?」
思わず続きが知りたくなってしまう。
「彼女でもできたんじゃないかなって思っちゃってさ。」
あはは、とリンは笑って言っている。もしリンがセイトのことを好きだったら、
もっと焦っているかもしれないのに。そんなこともないのかな?
「心配だったの?」探りを入れてみる。「もちろん心配だったよ。」
まあ、幼馴染であるから心配するのは当たり前だ。
それでも…なんてことを僕は心のどこか片隅で思ってしまっていた。
焦がれたナンバー④
主人公、安本清翔(やすもとせいと)父子家庭で母親がいない。野球では監督に10番を進めら
れてキャプテンになって責任感が増す。そんな中、塾の
テストで赤点をとってしまったりキャプテンとして絶対
に犯してはいけないある過ちを…小6
幼馴染、素浪凜(そなみりん) 清翔と同じ塾で小さいころからの付き合い。
野球ではチーム唯一の女子プレイヤーだが一番うまいと
いっても過言ではない。小6
片山大地(かたやまだいち)プレーでも常に頭を使う頭脳派。清翔と凜とは幼馴染で
塾も一緒。成績はとてもいい。
鬼監督、岡野一(おかのはじめ) プレーにも礼儀にも厳しい47歳。関西弁交じりの説教は
誰もがまぬがれたいと思っている。凜や娘の紗良には優
しい。
セイト目線👀
「彼女でもできた?」リンにそういわれたとたん、心臓が止まったかと思った。
その直後、逆に心臓がうるさいほど鳴り響く。リンに聞こえていないか心配だ。
できたわけない!と心の中で叫びながら、顔の前で両手を振り、慌てて否定する。
焦って対応しているため、きっとこの仕草も凛に怪しまれているのだろうと感じる。
それでも、キャプテンだからうまくなろうと思って毎日練習していたなんて、なんとなく恥ずかしくて言えない。
それが理由で、リンと大喧嘩になった。
「…しつこい、素浪。」そう言葉を放った瞬間、場の空気が凍り付く。
まあ、この教室には俺含めて三人しかいないけど。
そして気が付く。また言ってしまったと。
なんで俺って自分がピンチになったら冷たい言葉で突き放しちゃうんだろう。
それでリンを何回も傷つけてきたはずなのに。
気まずくなってしまい、思わず教室を飛び出した。
そのまま自転車にまたがり、家へ帰ろうとする。
きっと今頃、リンとダイチはなんで喧嘩してたのとか全部話してんだろうな…
そう思うと、胸がギュッと締め付けられた。
ごめん、リン…。
でも今更ごめんなんて言うこともできない。
そんな自分の性格が嫌だった。