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焦がれたナンバー②
金平糖
主人公、安本清翔(やすもとせいと)父子家庭で母親がいない。野球では監督に10番を進めら
れてキャプテンになって責任感が増す。そんな中、塾の
テストで赤点をとってしまったりキャプテンとして絶対
に犯してはいけないある過ちを…小6
幼馴染、素浪凜(そなみりん) 清翔と同じ塾で小さいころからの付き合い。
野球ではチーム唯一の女子プレイヤーだが一番うまいと
いっても過言ではない。小6
片山大地(かたやまだいち)プレーでも常に頭を使う頭脳派。清翔と凜とは幼馴染で
塾も一緒。成績はとてもいい。
鬼監督、岡野一(おかのはじめ) プレーにも礼儀にも厳しい47歳。関西弁交じりの説教は
誰もがまぬがれたいと思っている。凜や娘の紗良には優
しい。
リン目線👀
「先生!今日もセイト休みですか?」「お父さんから用事があるって連絡来てたよ。」
ここは私とセイトとダイチが通っている塾、セイコウゼミこと成績向上ゼミナール。
先週ぐらいまでは休んだことがないセイトだったけど、キャプテンになったぐらいからずっと休み。
はじめは体調不良かなと思ったけど、野球は普通に来ている。気になった私は、野球が終わったら真っ先に帰るセイトの後をこっそりとついていくことに決めた。
そして当日。予想通りセイトは解散後、真っ先に自転車に乗って家路についていた。その後ろを、
私がこっそりと後をつけていく。セイトが向かった先は…なんと家⁉もしかして、家でゲームをしているとか?そんなのセイトらしくないなと思った。
野球が終わって月曜日、学校で横のクラスにいるセイトに聞いてみようと思った。
休み時間、廊下ですれ違った際に声をかけてみた。「セイトっ」「リン、どうした?」
セイトをしっかりまじまじと見たのは久しぶりだ。そして雰囲気が変わったように感じる。
「え、あ、えっと…」「思い出したらまた言ってくれ。」そういってセイトは立ち去って行った。
チャンスを逃してしまった、と深く後悔する。最近、セイトの顔を見るとドキドキして
何を言えばいいのかわからなくなってしまう。セイト本人はどう感じているのかはわからないが。
もしかして、これが恋なのかな?
今日は火曜日で塾の日だ。
いつも通りセイトは来ていないんだろうなと思って教室に入った。
そこには、セイトが座っていた。欠席分のフォローを受けている。小さく会釈(えしゃく)され、
こっちも返す。今日は授業があるから、授業後に話そうと思った。
授業後。思い切って声をかけた。「セイト、なんでずっと授業休んでたの?」
「…用事があって」「用事って、何?」気になって思わず深堀してしまう。
「えっと…。」「なに?」そのままセイトは黙り込んでしまった。
「言えないほどやばいことでもしてたの?」「そうじゃない。」「じゃあ何で言えないの?」
「言えないんじゃなくていいわなくたっていいことだからですー。」セイトの調子に乗った
ような言い方にカチンときた。「彼女でもできた?」面白半分で言い返す。「違うって!」
セイトは慌てて両手を動かす。「へー。じゃあ何してたの?」「・・・。」
「ほら言えないじゃん!」「…素浪、しつこい。」静かに放ったセイトの一言は、
私の胸を突き刺した。でも、知っている。セイトは逃げ場がなくなった時、
ドライな態度をとって相手との距離を置くこと。
いつものことで慣れていたから、もう相手にしなかった。