新シリーズ。これまた、行き当たりばったりシリーズです。
ほのぼのです。
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目次
最強勇者御一行は、日本に転生してほのぼのする。①
あるところに広大な土地を持つ、豊かな王国があった。
その王国がある、アリアドス大陸には他にもたくさんの国があった。
王国の西、アリアドス大陸の端には「魔国」と呼ばれる、魔物の国があった。
王国と魔国の国境には、森林があってそこには魔物が点々と住んでいた。
王国の人々は、森林に魔物が住んでいるのを知っていたし、魔物たちも森林の先にある王国は、自分たちが足を踏み入れるべき場所ではないと理解していた。
そうして両国は、お互いに均衡を保っていた。
しかしある時、突如として王国のはずれにある村が魔物たちに襲われた。
これは、王国中を震撼させた。
最初の衝撃こそ大きかったものの、人々はその事実にしだいに慣れていった。
だからこそ、人々は襲ってくる魔物の数が増えていっていることに気付かなかった。
それに気付いたとき、王国の一番端の村はすでに消滅していた。
その事実もまた、王国中を震撼させた。
王国の人々は、だんだんと不安を抱いていった。
「今まで、魔物が森林を越えてくる、ましてや襲ってくることはなかった」
「王国の西には魔国という、魔物の国があるんだよな?」
「まさか、そこから?」
「全部、アイツらのせいだ!」
「私の母は…魔物に襲われました」
「魔物は敵だ!」
「魔物は、私たちを、私たちの生活を壊していく…!」
「魔物を倒せ!」
「魔物を、………魔国の、"魔王"を倒せぇ!!」
人々の叫びは、「勇者御一行」を集結させた。
そして彼らは、王命のもと魔王討伐へと旅立って行った。
勇者。
戦士。
魔術師。
聖女。
短剣使い。
半年後、勇者御一行は魔王討伐を成し終えて帰ってくる。
彼らを称えるパレードの最中。
花びらが散り。
人々の大歓声が彼らを包みこむなか。
美しく装飾された、天井の開いた馬車が大きくかたむいた。
時が止まった。
音が止まった。
誰も、"動けなかった"。
戦士 ガルド・オスベル、**死亡。**
魔術師 シオン・クロード、**死亡。**
聖女 エルリア・クラリス、**死亡。**
短剣使い ジーク・エルストア、**死亡。**
勇者 アルト・エヴァオン、**死亡。転生。**
ここまで読んでいただきありがとうございました。よければファンレターなど送っていただけると嬉しいです。
最強勇者御一行は、日本に転生してほのぼのする。②
俺たちは、死んだ。
紛れもなく、全滅だ。
魔王を倒して、最強と謳われて、祝福のパレードの最中であっさり死んだ。
そんな勇者御一行は、後にも先にも俺たちだけだったと思う。
---
俺の名前は、|有戸 瑛人《ありと えいと》だ。
俺には、前世の記憶がある。
"アルト・エヴィオン"。勇者だった。
俺には、あと4人の仲間がいた。
俺も含め、全員死んだけど。
本当、なんなんだよ!!ってかんじだよなぁ〜
だって、魔王倒して、やったー!って言って帰ってきて死んだんだぜ??
そりゃないよな…!
ていうか本当に、誰に話してるかわかんねぇし、誰でもいいから。
とにかく、俺の話を聞いてくれ。
---
俺は、馬車の上にいた。
大歓声に包まれていた。
ああ、俺は、俺たちは。
やりきったんだ。
と、そう思った。
今後、仲間たちとこの思い出を輝かしいものとして思い出すんだ。
と、そう思っていた。
でも、現実は、そうではなかった。
馬車は、大きくかたむくし。
本当に、時が止まったかと思った。
それくらい、全てがスローモーションのように動いていた。
最強、と謳われた。
何とかできるはずだ、俺たちなら。
魔王を倒したのだから。
でも。
誰も、"動けなかった"。
全身が凍りつくように、金縛りのように、"動かなかった"。
---
そう、俺たちは動きたくても、動けなかったんだ。
魔法か。呪いか。
はたまた、"魔王"の仕業か。
今となっては、もうどうでも良いことなのだが。
そうして、俺は死んだ。
まばゆい光に包まれて、目を細めた。
次の瞬間、俺は見知らぬ場所にいた。
「ああ………!」
「ああ………私の愛しい子。あなたの名前は、 "瑛人"よ」
俺は、転生して"有戸 瑛人"として生まれてきた。