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五話「火の空の下で、私は___」
後一話で一章終了。
オリバー「セレ、どうしたんだよ?どっか具合悪いのか?」
セレ「………ううん。オリバー、撃たれたけど記憶ある?」
オリバー「へ!?撃たれた!?誰に!?」
ソキウス「そこの人に。」
ソウが羽で軍服の男を指差す。思ったより近くにいてオリバーは驚いたのか飛び跳ねる。
セレ「取り敢えず、ソウに乗って逃げるよ。」
軍服の男「いや、お前は死ぬ。」
男が口を開き、笑った。私は銃口を男の頭に突きつける。しかし、男は笑ったまま、逆に銃口に頭に押し付けた。
軍服の男「あの方が来る!お前は死ぬ!」
男は言うと同時に、腕を伸ばす。そして、私の指の上に指を添えると、私の指を圧した。軽く鈍い音が響き渡り、私は反動で床に倒れる。
セレ「ッ!」
私は男の方を見る。男は額から血を流していた。死んでだのだ。私は恐怖と共に知った、人間はこんなにもあっさり死ぬのだと。男の指に圧されたからとはいえ、引き金を引いたのは私だ。手に残る死の感触を私は一生忘れないだろう。私は自分の指を見つめる。引き金を引いたのは人差し指。この指で、私は人を殺したのだ。
オリバー「セレ………?」
オリバーの声に私はハッとする。私は廊下に立てかけてある弓矢を手に取る。
セレ「行こうか。」
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外は焼け野原だった。家は破壊され、放火されていた。ペンナ山やアルクスの森は赤く燃え上がり、空は夕方でもないのに真っ赤に染まっていた。
セレ「誰が………。」
?「こんばんは。」
後ろから声をかけられ、私は振り返る。後ろで髪を束ねた黒髪のスーツの男が笑顔で手を振っていた。私は男の手を見る。剣を持っていて、手は血だらけだ。私はそれを見て鳥肌がたった。生物的本能が告げている。こいつはヤバい、勝てない、と。私が一歩後ずさると、スーツの男が消えた。
オリバー「セレ!」
セレ「!?」
私は咄嗟に頭を下げる。頭の上すれすれを剣が通り抜ける。髪がはらはらと舞い落ちる。
男「ほぅ………。なかなかですね………。」
男は目を細めて笑う。そして、ゆっくりとお辞儀をした。私はその瞬間に鋭く尖った石を投げる。石は男に当たる直前で粉々に砕け散った。男は顔を上げる。
男「申し遅れました。私、ルードゥス・フルオールと申します。以後、お見知りおきを。」
男、ルードゥスは頬笑む。
ルードゥス「ああ、失礼失礼。貴方方は今宵死ぬのでしたね。」
ルードゥスは顎に手を当てて考える。そして、手を掲げた。すると、私の目の前に剣が刺さった。私はルードゥスの手を見る。剣は握ってある。
ルードゥス「じゃあ、始めましょうか。夜のショータイムを。」
ルードゥスが消え、私は剣を持つ。土ぼこりが舞い、私はそこを斬りつける。ルードゥスの剣と私の剣がぶつかり合い火花を散らす。オリバーに退避してほしいが、一瞬でも気を抜けば死ぬ。ルードゥスの剣が私の首元に迫る。私はルードゥスの心臓を刺せるようにする。
ルードゥス「やはり貴方は面白い………。」
ルードゥスの声と同時に膠着状態が動き出す。ルードゥスの剣が私の頬を掠める。私はルードゥスの肩を斬りつけようとする。ルードゥスは身をそらせて私の剣を避けた。それから、三歩ほど後ろへ退く。
ルードゥス「ふむ。貴方、あの方の娘さんでしょうか?」
ルードゥスは私をじっと見る。私は肩で息をしながらルードゥスを睨む。おかしい。私は汗だくなのにルードゥスは汗一つかいていない。
ルードゥス「なんでしたかな……。そうです、"リライナ"でしたかね?」
私は全身の毛を逆立てた。視界が真っ赤に染まり、剣を持つ手が震える。ルードゥスは口角を上げた。
ルードゥス「あの方も強かったですね。しかし、私には遠く及ばなかった。残念です。貴方も終わらせてしまいましょう。」
ルードゥスが言い終わると、私は地面を蹴って大きく振りかぶった。ルードゥスの剣が私の腰を狙う。しかし、私はその剣を踏んで更に大きく跳ぶ。そんなこと、普通の私ならできない。けど、なぜかすごく遅く見える。ルードゥスは初めて驚いた顔をした。ルードゥスは素早く退く。ルードゥスの白い肌に一筋の血が伝い落ちる。
ルードゥス「貴方は………。その目………。」
ルードゥスが手を伸ばす。私の視界はなにか白いものに遮られた。ソウが雄叫び声を上げる。
ルードゥス「くっ………。」
ソキウス「失せろ。お前には彼女がなにか分かるはずだ。」
白い視界の奥で聞こえるソウの声。
ソキウス「お前は彼女を殺せない。」
ルードゥス「そうですね、ここは退かせてもらいましょう。」
ルードゥスは指を鳴らす。すると、翼の生えた人間が下りてきて、ルードゥスの手を掴んだ。
ルードゥス「では、また会いましょう。」
僅か五分ほどの死闘は呆気なく幕を閉じた。
オリバー「セレ!大丈夫か!?」
オリバーが近寄ってくる。私は一歩歩く。疲労で足が震え、膝をつく。
セレ「オリバー………大丈夫………。早く、外の世界に………。」
オリバー「…………俺は、ここに残る。」
あとがき
ルードゥス好きな方挙手してくださいって言われたら私は真っ先に挙手します。
よくないですか?
紳士系戦闘狂っぽいの。
歪んでるのは自覚しています。
とにかくルードゥス好きは挙手してください………。