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第2話 ウマノの毎日
前回までのあらすじ★馬刺しが好きな馬野は、死因覚えてないけど転生したら人間の頃の父が飼っている馬!なぜか自分の好物に転生してしまった馬野はしかたなく馬として生きることに…
「まさかお兄ちゃんが死んじゃうなんて思ってもなかったよー」
妹が俺を撫でながら呟く。母はボロボロ涙を流し始めた。
「うわぁぁぁぁん」
「おい、母さんにあいつの話をするな…」
父はそう言い、おやつのクリープフィード__(固形飼料的な。馬版離乳食)__を持ってくる。そうだ、俺はまだ子馬だった。
「ほら、これあげてみないか?」
「あげるー!」
食べる。味気ねえー。あわよくば玉ねぎと薬味が添えられた馬刺しが食いてえ。しかし、馬刺しは共食いだし馬にネギ類は馬にはタブーだ。
せめて、転生先は馬刺し(薬味、玉ねぎ込み)が食える生き物がよかった……
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「じゃあ、私は帰るわね」
しばらくして、いつのまにか泣き止んだ母がそう言った。
「わかった、最近休み取れなくてごめんな。来週には戻る」
「おとーさん、久しぶりに馬刺し食べたい〜」
妹が無邪気に言う。言うな。言うな。
そういえば、俺は生後2ヶ月。最後に馬刺しを食べて、死んだのは3ヶ月前。つまり、少なくとも3ヶ月間馬刺しを食べていないのか。
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たくさん牧草を盛られ、父は帰って行った。俺は「シカヤマ」のところへ向かう。シカヤマは元々競馬の馬だったらしく、引退した後はここで過ごしているとのこと。それだけではなく、シカヤマには重大な秘密がある。
「ヨォ、ウマノ。元気か?」
「元気だぞシカヤマ」
そう、こいつは俺と同じ人間から転生したやつなのだ。だから人間の言葉を喋ることができるのだ。愚痴ったり恋バナしたりしている。人間界で死んだ年齢も同い年くらいだったから話がすごく合うのだ。馬年齢はシカヤマの方が上だ。
「聞いてくれよ。明日は乗馬体験に出なくちゃいけないんだよ。重いから嫌だなぁ」
「わかるぞウマノ……実の息子(の転生先)と気づかずにこき使うとは!」
この牧場は、一応公開している。いろいろ体験内容も充実していて餌やり体験やら乗馬体験やら馬刺し販売などをしている。ここの馬刺しはとても美味しい。
「いいなあシカヤマ。お前明日は餌やり体験担当だろ?」
「人間に好かれまくって何もしなくてもにんじんを供給される…最高だ」
そんな話をしているうちに、真夜中になった。
「そろそろ明日に備えて寝るわ」
「おやすみー」
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翌日。味気ないクリープフィードを食べ、父に誘導され歩く。四足歩行にも慣れてきた。二足歩行のほうが楽ではあるがそんなことしたら大変なことになる。
あと10分。乗馬体験が迫っている……