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14 17回目の誕生日
「元気になったわ、アミュリ! 昨日は眠れなかったわよね、昼まで寝ていたらどう?」
「いやぁ、それは……」
「じゃあ、命令よ。昼まで寝てなさい!」
私がそういうとアミュリは「じゃ、じゃあ。ルーフェリア様を着替えさせてからでお願いします!」と言うと、いつもの倍以上の時間をかけて着替えさせる。
「早く寝なさい」
そう言うと、キラキラした目で「じゃ、じゃあ、食堂まで見送りますよ?」と取ってつけたような言い訳を言う。
「ダメ。寝なさい」
「やーでーす」
「何でそんなにこだわるの?」
「私、自分の任務を果たせなかったので」
「……そう」
私が渋々うなずくと、目をもっとキラキラにさせた。
「あ、でも、私が食堂に着いたら、部屋に戻って寝ること。いい?」
「……はい」
妙に素直だな、と思ったが前言撤回。
どう考えても裏がある。
「あ、そういえば、アーゼンは?」
「……た、多分寝てるんじゃないですか? へ、部屋で」
「あなた、嘘つくの下手ね」
アミュリはぎくっと肩を震わせた。
「ほんとですよ」
「嘘つけ。まあいいわ、食堂に行くわよ」
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食堂前の扉についた。
「あら、誰もいないじゃない」
「まあまあ、ではd……」
「あなたはそんなことをする前に寝なさい! 大丈夫? 深夜テンションなんじゃないの?」
私がアミュリをお姫様抱っこすると、「キャッ」と叫ばれた。
自室まで歩いていると、兵士にあったが、目を|逸《そ》らされた……のは、気のせいだろう。
「早く寝なさいよ?」
「やーでーす」
「私は何回でも戻すから」
「私は何回でも食堂に行きますから」
私が食堂に向かって歩き出すと、アミュリはまだついてくる。
「何のためにそこまでするの?」
「えー、昨日の私のミスのせいです」
「それ、言い訳よね?」
私がアミュリを睨むと、彼女は目をそらしながら頭を搔く。
「いやぁ、まあ、理由の一つではあります」
「ほら、嘘だって言ってるようなものじゃない!」
そう言うとアミュリは渋々と言った様子で口を開いた。
「ルーフェリア様、今日は何の日だか忘れてしまったのです?!」
「……え?」
「はぁ……。アーゼン様の時はあんなに張り切ってらしたのに……」
何の話、と首をかしげていると、アミュリが食堂まで行くように促してくる。
「ほら、遅くなったら魔王様に怒られてしまいますよ?」
「それは嫌だけど……。あなたの健康のほうが優先されるべきよ?」
「……私昨日の昼、昼寝していたのでダイジョブです……」
「……いや、昨日の昼はご飯食べた後、私の部屋にずっと一緒に居たでしょーが」
「ちぇっ、バレちゃいましたか」
アミュリは先ほどと同じように、頭をポリポリ掻く。
(この子、嘘ついてるときわかりやすすぎるわ)
「……まあいいわ。今日は特別で」
「あ、ありがとうございます、ルーフェリア様ぁ!!」
「あ、でも朝食の後は、絶対に寝なさいよ?」
「はい!! もちろんです! 寝るな、と言われても寝ます!」
「それはダメだけどね?」
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「どうぞ、ルーフェリア様」
アミュリが|恭《うやうや》しくドアを開けた先には———。
ただ、普通に父様とアーゼン、それにセレナ、ジルフェートがいるだけだった。
アミュリはセレナ|等《ら》にお辞儀をすると、定位置につく。
父様がそれを見届けると、大きく息を吸った。
(え、何何?!?!?!)
「誕生日おめでとう、ルーフェリア」
あ、そうか。
アミュリがあれほどそわそわしていた理由が分かった。
今日は私の誕生日だ。
「ありがとう、父様」
私がにっこりと微笑むと、父様が料理に口をつけ始めたので、(え、これで終わり?)と思いながら私も食べ進めた。
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食事を食べ終わると、父様が退出した。
それを見届けたジルフェートが私にそっとプレゼントを渡してくれる。
「魔王様、相当嬉しがっていましたよ」
「あら、そう。ありがとう、ジルフェード」
「いえ」
ジルフェートはそれだけ言うと、父様の後についていった。
「ルーフェリア」
アーゼンに呼ばれ、左を向く。
「……誕生日、おめでとう」
というと、私のところへ来る。
「あ、ありがと……っ」
私の手を取ると、彼はそっと口づけをし、指輪をはめてくれた。
「婚約、指輪?」
アーゼンは顔を赤くしながら頷いた。
「ああ」
私は目に涙が溜まっていくのが分かった。
「……アーゼン……!」