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六話「赤い目の少女を、追い__」
オリバーの返事に私は驚く。
セレ「なんで…………どうして…………?」
オリバー「ここが、俺の故郷だから。」
オリバーは笑みを浮かべる。その言葉が腑に落ちてしまう。私は納得の考えを頭から消す。
セレ「一緒に……行こう。」
オリバー「バーカ。お前が外の世界行くからだよ。」
私はまたしても驚いた。
オリバー「ほら、お前が戻って来たときに、誰がおかえりって言うんだよ?」
オリバーは私の髪を撫で回す。オリバーらしい回答に私は笑った。
セレ「待ってて、私は必ず戻るから。」
オリバー「おう。」
私はオリバーと拳を打ち合わせた。仲良くしているのが不満なのかソキウスがオリバーと私の間に割り込んできた。私はソキウスの背に跨がる。オリバーはその時にはもう私に背を向けて歩いていた。私達に、別れの言葉はいらない。
セレ「オリバーらしいや。」
私はオリバーの背を愛おしげに見つめると、ソキウスの羽の付け根を軽く叩いた。ソキウスが飛び立ち、私の、私達の故郷が遠ざかる。さようならはいらない。
セレ「またね!」
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俺は腕時計を確認する。時刻は午後十時。谷の子の生き残りがいないか探す。
仲間「全く無慈悲なもんだよな。女子供も殺せってなぁ…………。」
俺は仲間の言葉に大いに共感した。いくら汚れた谷の子だからといってここまでする必要性はないと思う。
仲間「俺らは第二部隊でも下っ端だから死体処理しかしなくてすんだけどな。」
俺「俺らはランクIIだから戦闘しても無駄足だろ?」
仲間「確かにな。今回はえぇっと、幹部のルードゥスが来てんだろう?」
俺「マジで!?ルードゥスってランクVIIだろ?」
仲間「でも、あれでまだVIIか………。上に後3もあんだぜ?」
俺「やべぇな。」
そんなことを言いながら歩いていると一人の少女がいた。黒いフードを被って、黒髪を二つに結んでいる。赤い目の少女。十歳くらいだろうか?俺は銃を構える。谷の子は問答無用で撃たなければならない。
仲間「悪いな。嬢ちゃん。」
仲間が発砲する。しかし、死んだのは仲間の方だった。額にナイフが突き刺さっている仲間の亡骸を俺は呆然と見つめる。
少女「危ないなぁ。少女に発砲するなんて。」
少女の後ろには無数のナイフが浮いていた。少女は舌なめずりする。
俺「お、お、お、お前は…………?」
少女「全く。|半端な怪物《セミ・ベールア》を解き放ちやがって…………。あ、君達からしたら|羽狼《アーラルプス》だっけ?それとも、まだ|親を喰らう狼《パレンス・エデレルプス》で通じる?」
俺は地面に尻を打ちつける。少女のナイフが刻一刻と迫る。
少女「あ、私の名前?お前たちが恐怖する者。太古から人間が恐怖する者。」
少女のフードが風に飛ばされる。どす黒い赤の目は下等生物を見下す目をしていた。
少女「闇___。」
少女の声を最後まで聞く前に俺の骨をナイフが砕いた。
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?「なんで殺してこなかった。ルードゥス。」
重く響く声に私は顔を上げられなかった。
ルードゥス「お言葉ですが、彼女はイグニスの血をひいています。」
?「全滅したんじゃねーのイグニスの血。」
?「してなかったらそんなこと言ってないでしょ?ね、ルードゥスちゃん♪」
甘く絡みつく言葉と軽い笑い声。彼らはイグニスの単語を耳にしても恐れない。
?「確認する。彼女の目は何色だった?」
ルードゥス「普段は青色。怒ったときに燃えるような赤へ変化しました。」
?「なるほど。つまり、研究材料になるから殺さなかったっていいてーの?弱虫くん。」
前髪を掴まれる。
ルードゥス「申し訳………ありません…………。」
?「よしなよ、弱いものいじめは。」
?「ハイハイ。お前は子供が好きだねぇー。」
?「無駄口はいい。次会ったら殺せ。」
?「今度は弱虫くんじゃなくて俺にやらせてくださーい!」
?「いや、今回のことはルードゥスの成果を示すのにもってこいだ。」
重くのしかかる視線。
?「戻ってくるのだろう?」
ルードゥス「………彼女は、私が殺します。」
?「頑張ってねー!ま、俺には勝てないだろうけど。君は才能がないじゃないか。」
ルードゥス「………失礼いたします。」
私は扉を閉める。天才たちに囲まれての会議は疲れる。私はまた戻ってくる、上へ。そのためには、彼女を殺す。私はニヤリと笑った。
ルードゥス「待ってろ、小娘が。」
あとがき
終わった。
一章が終わりました。
オリバーとルードゥスと他三人は登場させる気のなかったキャラクターです。
強引に乱入してきたんですよ。
文句はキャラクターに言ってください。
では、また二章でお会いしましょう。