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青春を探す旅『第三話』
6時間目。わたくしは先生の話の長さに疲れていながらも、姿勢をなんとか保っている。体育の授業だというのに、何故こんなにくどくどと話すのだろう。体育が好きな男の子たちなんかイライラしているのではないかしら。
「__大星。わたくしのペアは平野瑛斗さんだったわよね?__」
「__はい、その通りでございます。彼は自称天才ナルシストらしいので、お気をつけくださいませ。__」
わたくしのペアはナルシストなのか。そもそも何故同性で組ませてくれなかったのだろうか。
「牡丹さん!よろ〜!俺が天才|平野瑛斗《ひらのあきと》だぜ!」
「そ、そう…よろしくお願いいたします。」
この温度差でやっていくのか…キツイわね。マット運動か…得意分野でよかった。苦手なものが当たってしまったらナルシストに煽られるかもしれないわ。そんなの耐えられないもの。
「見てろよ!これが俺の天才すぎる開脚前転だ!」
**ドシーン**
「いって〜。」
見事に失敗したわね。開脚出来ていないし、横に転がってしまっている。野次馬たちは口々に「ダッセー!」などいって瑛斗さんを叩く。
「むむ。次は牡丹さんの番だ!天才にできないことはできないに決まってる!」
急に指を刺されて、ビクッとしたわ。嫌だわ。こんな野次馬がいる中でやるなんてね。でもやるけれど。
「参ります。」
私が声を上げると、野次馬たちは一歩下がった。わたくしは開脚前転をしてみた。見事に成功したので、歓声が上がった。瑛斗さんは悔しそうにしていたが。
「くっそー。次こそは成功するぞ!俺は天才だからな!」
天才にこだわるわね。自己肯定感が高いのはいいことだと思うけれど。
「おーい!片付けろ!授業の時間はあと5分だ!帰るの遅くなるぞー!急げ〜!」
「もっと早く言えよ中川!」
よく先生に対してこんな軽い口調で文句を言えるな、とわたくしは思う。
「これで6時間目の体育の授業を終わります!礼!」
「ありがとうございました!」
「こらー!勝手に帰るなお前ら!まだ挨拶してねーぞ!」
「さーせん〜」
今日もすぐ帰ろうとしたわね。あの集団。
「さようなら!」
号令の人が大きな声で挨拶をする。それに続いて皆が挨拶をして、走り出す。わたくしはゆっくりと大星と歩き出す。急がなくていい。すぐそこに迎えの車は来ているはずだから。
「牡丹様。あそこに執事長様の車が見えております。あそこまで歩きますよ。」
「ええ。秀じいはもう来ているのね。流石ね。」
わたくしたちは秀じいの車に乗り、家に帰った。
ぷは!疲れたー!