【中古本】正体不明のひよこ

・まえがき 歴史を「暗記科目」などと形容することがある。 年号や用語の暗記などのおままごとで歴史を済ませることがある。 しかしそこでは親が子を殺し、子が親を殺し、自分の一族の皆殺しを避けるために敵の一族を皆殺しにするような、生き血滴る世界観が繰り広げられている。 　 やれ用語の暗記や年号の暗記で済ませて歴史を知った気になってしまうということは流れた血に対する冒涜である。歴史は脳ではなく骨肉で味わえ。 --- --- ヒヨココメント --- --- 第一章　ヨーロッパ編 ヨーロッパ地域は独特なアメーバ状の地形をしていて、多くの半島がある地形です。 その成果ヨーロッパ全域が天下統一されることは結局人類史上一度もなく、かなり多くの時期に置いて各国がにらみ合う戦国時代みたいになってます。 この常時戦国時代みたいな歴史がヨーロッパ地域の特徴であり、そしてこれが複雑かつ理性を重んじるヨーロッパ独特の歴史を生んだのではないかと思います。 　 ・古代ギリシャ ・古代ローマ ・ローマ帝国 ・神聖ローマ帝国 ・フランス革命 ・第一次世界大戦 ・第二次世界大戦 --- 第二章　中東編 中東地域はメソポタミア文明の時代は世界最高の先進地域でしたが、アレクサンダー大王の時代を経た後は、ヨーロッパにも攻撃されるしモンゴル帝国にも攻撃されるしロシアにもイギリスにもアメリカにも干渉される絶望の地と化します。 そもそもユーラシア大陸という地が人間の絶望を欲しがっている絶望の大陸であるということを現代においても端的に象徴している地域の一つが中東地域だと思います。 　 ・古代メソポタミア ・イスラム帝国 ・中東戦争 --- 第三章　インド編 謎の地域ではありますが、実は結構地獄でした。 北側と東側は山に囲まれ、南は海に囲まれていますが、西側がぱっかり開いてしまっているせいでアレクサンダー大王の時代から敵が攻撃してきます。それでいてなぜか中国みたいに天下統一されづらく内側でも争いが多いです。 そうこうしてるうちに南の海が最大の絶望になります。しかし現代のインドは巨大で、歴史的に見て極めて稀有な状態にあると思います。 　 ・インドの歴史 --- 第四章　中国編 中国地域には天下統一という圧倒的に特徴的な独特の定期イベントがあります。これを現代に至るまで同じように何度も繰り返す様は世界的に見ても異様だと思います。 そして天下統一しているときの中国には例外なく、圧倒的な異常な権力を持った独裁者がいます。 この独特のシステムは西洋の理論や常識をもってしても（というより「しては」）理解できないものかもしれません。 　 ・秦以前 ・項羽と劉邦 ・漢 ・三国志 ・三国志の後の時代 ・隋と唐 ・宋 ・元 ・明 ・清 ・中華民国 ・中華人民共和国 --- 第五章　ヤバい国列伝 世界的に大きな影響を与えた大国の列伝です。実はこの国々は世界的に見て端っこの地域を拠点にしながら少しずつ陣地を増やす様はオセロのようです。 背中をしっかり固めてからゆっくりと前進していくのがこの世の成功の法則なのかもしれません。将来的に、月を完全掌握した一国が、ばらばらに他国に分かれている地球を、少しずつ制圧していくみたいなことがあるかもしれませんね。 　 ・モンゴル帝国 ・イギリス帝国 ・ソビエト連邦 ・アメリカ合衆国 ・大日本帝国 --- おわりに 大まかな人類の歴史でした。 人類の歴史はしっかり学ぶとロクなもんじゃないということが分かります。根本的に人類はお猿さんでしかないなということが分かります。 　 しかしきっと猿は自分のことを下等な生き物とは思っていないでしょう。猿はもしかすると自分たちのことを他の生き物とは違う別格な生き物と考えながら組織体系を作っているかもしれません。 しかし動物園などで人間の立場から第三者的な視線で客観的に猿を観察すると「あ、やっぱりお猿さんはあほだな」と分かるわけです。 　 しかし我々人間は自分たちのことを他の生き物とは違う別格な生き物と考えながら組織体系を作っています。 果たしてこの自己認識は正しいのでしょうか。第三者的な視線で客観的に人間を観察するとどうでしょう。つまり歴史をしっかり学ぶとどうでしょう。 なるほど。やはり根本的に人類はお猿さんでしかないなということが分かります。 　 しかし我々は不思議と自分たち人類の歴史がどのようなものであったかをよく知りません。 そして自分たちが特別な存在であると依然として信じ続けながら暮らしています。なぜでしょうか。 　 そもそも我々が生きている今のこの時間も歴史の途上に存在します。そして人類の歴史はロクなもんじゃないわけです。そうです、つまり我々現代人も依然としてロクなもんじゃないわけです。