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記憶
私の恋人は…一日しか記憶を持たない。
今日も私はあの人を惚れさせなければならない。
十年後も、二十年後も、私は彼女を毎日惚れさせよう。
そう私は決めたんだ。あの日から。
「初めまして。私は加藤真司と申します」
「加藤さん…素敵なお名前ですねぇ」
その言葉、もう何度も聞いたことか。でも、聞くたびに彼女が新鮮に感じられるんだ。
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「あははっ!真司さんってすっごく面白い…!」
「貴女にそう言っていただけてとても光栄です」
…やっぱり彼女といると楽しいな。時間を忘れる。
「…あっ!危ない!」
『バーン!!!』
…は…?うそだ…彼女が私を庇って…轢かれただと…?
私は信じない…!信じたくない…!
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あの時から2ヶ月ほど経った。
それでもまだ彼女は目を覚まさない。だから私はいつも、彼女に声をかけて病室を去っていく。
「沙織。私のことを忘れないでね…」
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私は今日も彼女に会いにくる。それが私の生き甲斐だからだ。
「沙織…」
「…真司さん…?」
「沙織!?私のことを覚えてるのか!?」
彼女が目覚めていたなんて…!この上ない幸せだ!
「もちろん…私の愛してる人だもの」
ダメだ。涙が溢れてしまう。
「今日はあなたの誕生日でしょ?お祝いしなきゃ!だから、あなたのお願い何でも聞いてあげる!」
ああ…無邪気なところ、すごく懐かしい…
「じゃあ…私と結婚してくれ」
「うん。いいよ。こんな私でよければよろしくお願いね!」
この上なく幸せな誕生日だった。