公開中
キュウ
私は、ゲームの中で、一つの道を進んだ。
私のアバターである、狐耳を持ち、何本もの尻尾が生えている、そう、**妖狐**、または**九尾の狐**は、尻尾を揺ら揺らとさせて、耳もぴくぴく動かして、道を進んでいる。
けっこう気に入っているこのアバターは、自分で作ったものだ。
もともとあるものを選ぶこともできるが、作る、というのが楽しいのだ。
わざわざ選ぶのではなく、**「作る」という楽しみ**も、感じたいのだ。
しかも、作ることにより、**オリジナルの技**も出せるようになるのだ。
この九尾の狐__—私は、キュウと省略して呼んでいる―__は、複数のオリジナル技を持っている。
もともとこのゲームにあった技、**尻尾切り**__—トカゲのように、尻尾を切って、逃げる技だが、なぜか尻尾は一本も切れないのだ—__の他にも、自分で考えた技の、**|雲外蒼天《うんがいそうてん》**__—自分の体力を半分削る変わりに、確実に、相手の急所に命中させる—__、**|悪因悪果《あくいんあっか》**__—相手の出した技を倍にして返す―__、**|天下無双《てんかむそう》**__—動きを遅くさせる変わりに、技の攻撃力が上がる—__、**|流星連綿《りゅうせいれんめん》**__—自分もくらう可能性があるが、流星群が降らせ、攻撃をする。一つ一つの威力は低めだが、たくさんくらうと、命にかかわるような大きなダメージになる。十数分間の間も、流星群は降り注ぐというキュウの覚えている一番強い技—__などなど、たくさんの技があるのだ(ただし、まだいろいろな技がある)。
どれも、四字熟語の名前がついたその技は、少し四字熟語の意味に関係している内容の技だ。
誰も思いつかないような強い技を、私は思いついていたのだ。
この技を、共有させることができるが、私はするつもりがない。
せっかく頑張って作ったこれらの技を、キュウを、共有したくない。
自分で作ったキャラは、自分で作った技は、私自身のものだ。
だから、私は、私一人で、この強い技を使い、|任務《ミッション》を、目標を、クリアするのだ。
一人で達成して、楽しんで。
自分一人で、強い技を使って。
楽しいのだ。
ゲームならば、楽しいのだ。
でも、私にはどこか足りないような気がして...