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転生まで、あと365日。 #2 ふたりの死因は
「ああ、転生時計のこと?」
転生…時計…?
泉のほとりの近くで、日めくりカレンダーに表示された数字のことを昨日の白髪の作業員の女の人に聞いてみた。
どうやらあの『365日』という表示、、『転生時計』っていうらしいんだ。
そこにかのんちゃんがひょっこり顔を出す。
「ねえねえミレイさんミレイさん、天国でどんなお仕事してるの⁉」
「かのんちゃんっ!?」
そこにかのんちゃんがひょっこり顔を出す。
いきなりの登場に腰を抜かしつつも、私はミレイさん……、白髪の作業員さんの名前……の言葉に耳を傾ける。
だってそれ、私も知りたい!
「いやぁ~、せいぜい雑用係だからさぁ~!」と、ミレイさんは答える。
え、案外地味!
「もっとすごいことやってるかと思……」
そう言おうとしたとき風が吹き、ミレイさんの髪がふわりと揺れた。
「かのんちゃんこれ落ちたよ!」
そうしてミレイさんは、かのんちゃんに名札を手渡した。
そういえばかのんちゃんの名札見てなかったなと思い、ちらっと見てみると、死因の欄に、衝撃的なことが書かれていた。
『放火殺人』
その四文字を二度見した。だって、殺人事件の被害者なんて。
かのんちゃんは私の視線に気づいてないようで、ミレイさんに相変わらず話しかけている。
かのんちゃん、生きたくても生きれなかった立場だったのに、勘違いだろうと名札に『自殺』と書かれている私と仲良くしてくれて…。
私は下唇をかんだ。そして覚悟を決めて、かのんちゃんに言った。
「こんな私と仲良くしてくれて、ありがとう!」
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「え、いきなり…?」
かのんちゃんはぽかんとした声を漏らす。
そしてミレイさんは突然「お二人さん、ラブラブだね~?」といなくなってしまった。
え!?
ミレイさん、そんなんじゃなくて!
そしてかのんちゃんに目を向ける。「だ、だって、自殺、って書いてある私と、仲良く……。」
「……そんなことないよ。若葉ちゃんだから、なんだからーー」
「『わかばちゃんだから』…?」
困惑しておうむ返しに聞き返す。
でもかのんちゃんはそのことには返事をしてくれず、代わりにこんなことを話し始めた。
「…………私、大好きだった子に、放火で殺されちゃったの」
……大好きだった子、に?
なんで?
「すごく大好きな子がいて、その子、火薬を扱うのがすごく上手で…。尊敬、してたんだ。……その火薬で殺されるとは思ってもいなかったけど……。」
「大好きだった子に!?」
私の勢いに圧倒されたのか、「う、うん」と返事をしながらかのんちゃんは私の言葉に耳を傾ける。
「……ほんとはね、自殺じゃないの。私も、大好きな子に`殺された`の。」
思わず全部言ってしまった。
私…、施設育ちで、そんなとき、仲良くなった子がいて。
私、その子のことが本当に大好きだった…。まるで今の、かのんちゃんのように。
しかし、ある日突然その子に言われたんだ。「ね、死んでよ」って。
その子は笑ってた。まるで、『一緒に遊ぼう』というような表情で。
私はその子が大好きだった。大好きだから、文字通り、なんでも、聞いてあげたかったんだ。
気が付いたらマンションから飛び降りてた。
そこからはよく覚えていない…………。
「……それって、『花空町マンション放火事件』のこと?7月28日に起きた」
「ミレイさん」
ミレイさんは「うん、話の内容だとたぶんそれだと思う。……それでさ、こんなこと言っちゃ悪いけど……………」
「え、なんでそれ知ってるの⁉」
かのんちゃんがミレイさんの話にかぶせるようにして尋ねた。
……確かに、なんで人間の世界の事件を知ってるんだろう。
ミレイさんは当たり前のように「ああ、私現役の人間だよ!」といった、
「え、人間…?」
なんで生身の人間が天国にいるの⁉
「人間界に天国で働く人を育てるところがところがあるんだよ~!」
え、そうなんだ!?
ミレイさんは身体を乗り出していった。
「そういえばさ、二人の死亡日時ってほぼ同じだよね、7月28日の深夜。しかも二人とも出身同じらしいね?」
「「え」」
私とかのんちゃんは同時に声を上げた。
だってそれって………。
「もしかして、犯人同じの可能性ってない…?」
かのんちゃんが小声で告げた。
ミレイさんはうーんと考え込むように腕を組み、「可能性としては十分あり得るわね。ここまでマッチしてるんだ」
「それなら!三人で、犯人探してみませんか…!?」
言ってからしまったと思った。
みんなから嫌われ者の私がやすやすと!?
しかし二人は、「やってみよう!」「人間界の事なら任せて!」
と、快く受け入れてくれた。
「私もかのんちゃんみたいないい子がどうして死ななきゃいけなかったか、し、知りたい!」
私は必死に告げた。
………。
わ、私今めっちゃキモいこと言ってる!?
でもそれが本心だったんだ。
「よしっ、れっつらご~!」
かのんちゃんが叫び、私は決意した。
突き止めるんだ。かのんちゃんを、殺した私の大嫌いな犯人を!
湖のほとりから、街へと歩き出した。