【中古本】できる人は「100点」を目指さない

仕事というのは、「タイミング」が生命線です。 タイミングを外してしまうと、すべての努力がムダになってしまいます。どんなに努力しても、昨日の新聞は今日売れません。完璧な企画書ができたとしても、コンペに間に合わなければ話になりません。候補にもノミネートされないでしょう。 タイミングがいかに重要か――ビジネスパーソンならば、誰もが認識しています。 にもかかわらず、時間をかければよりいいものになるからと、締め切りや納期を無視して夢中になってやってしまう……。 お客相手ならば、納期が厳しく決まっていることも多いと思いますが、社内の仕事では、 　 上司「これ、やっといて」 部下「はい、わかりました」 　 と、締め切りが曖昧なまま、阿吽の呼吸で進めようとしたりします。 しかし待てど暮らせど報告がない。 聞けば、まだ途中だという。 「ならば、途中経過を報告しなさい」と注意して、しばらく経ってからまた確認すると、これがまだ途中。 「いつになったら終わるのか!」と叱りとばすしかありません。こういう部下は、信頼も評価もされないでしょう。 　 もちろんこのケースでは、きちんと締め切りを決めない上司にも原因があります。 しかし、それにしても部下の仕事はどうしてこんなに時間がかかるのでしょうか。次のような理由が考えられます。 　 「やらなくていい仕事をやっている」 「ここまでやらないでいいというほどバカ丁寧」 「100点満点じゃないと気が済まない」 　 こういう完璧主義タイプは少なくないでしょう。 80点でいいのに100点満点を目指したら、そのぶん、時間も余計にかかります。時間がかかるということはお金も労力もかかるということです。そういうコスト意識がないまま完璧な仕事を目指して頑張っているのです。 いい仕事とは、注文主の望みに応えることです。 500円の定食を望んでいるのに、その要望を聞かずに1万円の懐石料理を出しても、満足してもらえないし、評価もしてもらえないのです。それをわかっているのがプロフェッショナルです。 それ以外の、〝望まれてもいない仕事をする』のは、単なる自己満足にすぎません。 --- 完璧主義は百害あって一利なしです。 完璧主義には２つの大きな罠があるのです。 ①自分に対して過度に厳しくなる。 ②他人に対して過度に厳しくなる。 するとどうなるでしょうか。 仕事のスピードが落ちます。 すると結果が出なくなります。敵が増えます。ストレスも増えます。 では、どうすれば完璧主義から脱却できるのでしょうか。先に挙げたような、完璧主義のデメリットのことをよくよく考えることです。そして、意識を変える他ありません。 「80点主義」を頭に叩き込んで、仕事の「スピード」を上げることに注力してください。 「完成度」ではなく「時間効率」を上げることに視点をシフトするのです。そのほうが必ずいい結果が出ます。結果が出ることがわかれば自ずと意識は変わり始めるでしょう。 　 　 結論： 完璧主義に陥ると、お先真っ暗である。