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明石
小学校の頃、病気明けに登校したら、心配してくれた。大丈夫だった?大変だったでしょ。大したことないのに、病み上がりというだけで、不思議と心があたたまる。
ただ、中学校になるとそうはいかない。ましてや、都市伝説に関わっているのかもしれない子だ。心配の声ひとつだって、うんともすんとも言わない。そんなもんだ。
居心地が悪いまま、なんにも解決せずに下校した。人間が密集すると、酸素が減って、二酸化炭素がたまる。その二酸化炭素を吸い込み、酸素を作る。植物は光合成を行う。簡単なことだ。
ただ、それが人間界にも通用する、ということを理解するのは難しい。
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自分の部屋のベッドに、ぼすん、と突っ込む。スマホをのぞくと、通知が一件。SMSだった。
『ちよ:久しぶりー。どう?清美とか』
ぶわっと記憶が蘇ってきた。|和田千代《わだちよ》。清美とは電話番号を交換していなかったのか、と今更。
パスワードを打ち込む。1022。誕生日だ。
久しぶりに見たSMSの画面。いつものLINEとは違う。先ほどの千代のメッセージ以前は、2か月前となっていた。
千代は、頭が良かった。宿題とかを教えてくれたり、なぞなぞを1番早く解いたり。彼女はいつも、わたしたちよりも先を行っていた。
彼女は私立中学校へと行った。わりと優秀な成績で、試験を合格したという。市外の中学校へと通う彼女は、いつしか脳内から抜け落ちていた。彼女が落ちるわけないのに。
『うん。まあなんとか』
そう打つと、しばらくして返事がきた。
『雑だなー笑』
周りはたぶん、みんな『雑だなーww』とか打つんだろう。でも、彼女はちゃんと『わらい』って打ってから変換して、としているだろう。なんとなく品行方正さが際立つ。
『みんなから冷めた感じ』
一部始終を送ると、少し経って、返事が来た。
『へぇ。そりゃ大変だね。わたしんとこよりも大変かも。絶対。まぁ、まずは図書室にでも行きなよ。現実逃避でもしようぜ』
読む間もなく、次が来た。
『そういや、次はいつ遊ぶ?ほら、もう2か月ぐらい遊んでないでしょ。インディゴ行く?あそこ食べ物しかないと思うけど、でもまた清美誘って行こうよ』
そうだ。
〝もう学校であんまり遊べないから、遊ぼうよ〟
2月、彼女は確かにそう言った。遊んだ。その後、3月も約束を交わした。遊んだ。4月も遊ぼう、と約束を交わした。たとえ学校が違っても、ずっとね。また日にちは決めよう。
その約束は果たされなかった。
『いいかも』
『ね?清美の電話番号、知ってる?』
『うん。ってか、LINEの方がいいかも?』
『それもそうだね。じゃあまた』
『またね』
そう言って、返事は途絶えた。
あ…?平安…??LINE…???
って思ってませんか?
そんなわけない