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水彩デイズ #2
すず
結局、白石さんの頼みには答えてしまった。少しめんどくさいけどやるしかない。
「手伝って欲しいことは……ちょっとここじゃ言えないから廊下に来て」
僕は白石さんの後について行く。
「実はさ、大事なプリントを運んでる時風で窓から外に飛んじゃったの。それで…そのプリントが旧校舎に飛んじゃって…お願い!」
「い…いいよ」
「ありがと!じゃあ今から行こ!あ、先生に言っとかないとね。2時間目…とか多分出来ないけど大丈夫?」
「授業のことは大丈夫。数学嫌いだから」
「先生に言ってくるからちょっと待ってて!」
授業サボれるのはいいけど結構歩きそうだな…。ま、白石さんと一緒にいられるからいいか。
「許可もらったよ!じゃあ行こう!」
「う…うん」
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「結構旧校舎の中って暗いね…桜木くんって怖い系大丈夫な方?」
「僕は…苦手じゃないけど大丈夫でもないかな…」
「そうなんだ〜。私は…結構苦手な方なんだよね」
「結構意外だなぁ」
「みんなそう思うんだ。なんか私がすごいみたいな感じでさみんな見てるけど私そんな注目されるの苦手でさ。こうやって普通に話してくれる桜木くん結構好みかも」
「こ…好み…?」
え…!?もしかして白石さん僕のこと好き!?そんなこと…はないか。タイプが好きな方っていうだけだよね。
「多分2階に飛んだと思うから2階へ行こう!」
「あ、そこの階段木が古くなってるから危ないかも」
「本当だ。ありがと!」
「どういたしまして」
白石さんにありがとって言われた!嬉しい!
風は吹いてないはずなのに、カーテンが揺れている。しかも窓は開いていない。
「桜木くん知ってる?この旧校舎の都市伝説」
「僕は…そういうのあんまり好きじゃないから知らない…と思う」
「3つくらいあってさ、1つ目が勝手にカーテンが揺れるんだって。でもその窓は開いてないっていう」
………カーテンが勝手に揺れて窓は開いていない?え!?今起こってるんだけど!
「白石さん……前の窓さ…窓開いてないのにカーテンが揺れてる気が…」
「普通の窓だけど…桜木くん亡霊でも見えた?」
「…え!?確かにさっき…カーテンが揺れてた気が…」
「今は揺れてないよ」
「本当だ!?」
僕の見間違い!?
「あ!プリントあった!さっさと回収して帰ろ!」
「あ、重いでしょ。僕が持つよ」
「ありがとう!」
「このプリントの内容何なの?」
「なんか委員会のやつみたい。私もよく知らないけど」
「ちょっと見てみてもいいかな?」
「いいんじゃない?結局あとで見るわけだし」
「じゃあ見る」
………普通のプリントか。思ってたよりも違うな。他の委員会も………
え!?何これ…呪われてる!?
「このプリントだけ…変…」
「どうしたの?桜木くん……何このプリント!?」
『 委いn KaいにttuIt En Oおsいらs E
タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ
タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ 』
「タスケテ…タスケテ…タスケテ…」
「桜木くん…今…『タスケテ』って聞こえた気がする…」
「早く帰ろう!」
僕と白石さんは走り出す。幸い、すぐに旧校舎を抜けることができた。
「はぁはぁ…大丈夫…?白石さん、怪我はない?」
「大丈夫だよ…ちょっと疲れたけど」
教室に戻るとみんなは3時間目の授業をしている最中だった。こんなに時間は経ってたのか。
「先生、今戻りました」
「お!白石と桜木、やっと戻ったか。ずっと帰ってこなかったから何かあったのかと……」
「実はこのプリントが……」
「ん?プリントがどうしたって?」
「だから…」
「内容をちゃんと言ってもらわないとわからないじゃないか」
「だから今言おうと…」
「言うのが遅いぞ。言うなら早く言うんだ」
「プリントを見ればわかります!」
僕はなんでこんなに先生と会話してるんだろ?会話…というかなんというか…ただ一方的に先生が喋ってるだけではないか?
「桜木くん、席に戻ろ!」
「あ、うん」
席に戻る最中、僕の手が一瞬白石さんの手に当たってしまった。でも彼女は気にしてないらしい。よかった。
「なんだぁ!このプリントは!白石と桜木のイタズラか!?」
「僕たちは……」
「なんだって!?お前らの仕業か!」
「だから今からそれを説明しようと……」
「話を妨げるんじゃない!先生は今大変なんだ!」
先生の方が話を妨げてるじゃん!自分のこと全然見ていないし!
「先生、全て説明します」
白石さんはこう言って先生と廊下に出た。10分くらいしたら帰ってきたから全て説明し終わったんだろう。
「先生やっと納得してくれたー。今日は疲れたな」
こんなに疲れてる白石さん初めて見たかも。僕が本性を知らなかっただけ…かな?
「颯太、颯太」
後ろから急に声をかけられてびっくりした。
「っえ?な…なに?」
「あと3秒でチャイムが鳴る。3、2、1……」
キーンコーンカーンコーン!
「本当に鳴った!でも時計見たんじゃないの?」
「バリバリ時計見たからな」
「やっぱり時計見てるじゃん」
「やっと休み時間か…お前らいいな。2時間目と3時間目サボれて」
「サボりたくてやったわけじゃないし」
サボりたかったって言うのも少しはあるけど…一番は白石さんに言われたこと断れないんだよな…
「ねぇねぇ、桜木くん。今日放課後さ時間ある?」
「今日は空いてるけど…」
「じゃあ今日私の家に来てくれない?」
し…白石さんの家に!?