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『純喫茶❨くものうえ❩本編小説』#2 新たな仲間
【前回のあらすじという名の☆主☆がふざける場】
どうもみなさんこんにちはこんにちはこんにちはぁ〜〜!!!!
ふざける☆主☆でっせ。
あらすじ紹介しますよ!
得意がなくて落ち込んでいた夏休みぼっちの主人公、紅華結。
いきなり頭の中に声が響いたと思ったら、体が宙に浮いた!?
そのまま知らない場所に連れて行かれて、そこにいたのは頭に響いた声の主、北陽火里李。
結は「純喫茶❨くものうえ❩の店長になってもらう」と言われ……。
結の生活はどうなってしまうんだ?!
ってとこで終わってましたよね!
続きですよっ。
何もわからないまま、北里さんから渡されたメモ通りに物事を行っていく。
ってか、掃除くらいやっといてよ! めんどくさい!
私――|紅華結《くればなゆい》は、そう考えてふと疑問が思い浮かんだ。
そういえば、私が店長になるって言っても、店員がいなくちゃ意味がなくない?
私一人で回すわけじゃないよね!?
衝撃でモップを動かしている手が止まる。
それだったらさすがにヤバい……。
私は大急ぎでモップの掃除を終わらせ、北里さんのいる事務室に駆け込んだ。
---
「北里さん!」
「あれ、どうしたの、結」
バンッと事務室のドアを開け放つと、机に向かって真剣に資料を見ていた北里さんが顔を上げた。
彼女はきょとんとして、私の顔を見つめてくる。
「このお店――ええと、なんて名前だっけ」
「くものうえ」
「そう、それですっ。んで、私がここの店長をやるって言っても、店員はいないんですか!? まさかのワンオペとかないですよね?」
「あー、そゆこと。大丈夫! まだ`来ていないだけだから`」
来ていない? じゃあいるってことなんだ。
ホッと一安心したけど、またあることに気づいた。
これ、店員の人が年上だったらやだな……。
私が渋い顔をしていると、北里さんがアハハッと笑う。
その笑い声が事務室に響いた、そのとき。
--- どんっ! ---
尻もちをついたような音が聞こえた。それに続いて、
「いったぁ!?」
「な、なんだよ、ここ……。」
と、可愛らしい女の子の声と、低くて凛々しい男の子の声が聞こえた。
「お、来たみたいだね」
北里さんが声のトーンを上げて言う。
立ち上がった北里さんはドアから外に出ようとして、ふいに足を止めた。
私の方を振り返ると、小さく手招きされる。
「結も来て。店長でしょ?」
にっこりと笑いかけられた。
いや、私人見知りだし、店長になることokしてないんですけど。
でも、その笑顔にぐぬぅ、となって、
「……わかりました」
と、ついて行ってしまった。
---
チリン、チリン。
北里さんに続いて事務室を出ると、入口についている鈴が音を立てた。
さっきの女の子と男の子かな。
「いらっしゃい!」
北里さんが声をかけた途端、二人はびくっとなる。
うん、そうだよね。警戒するよね。
「……あんたは、さっきの」
「頭に響いた声の人……?」
男の子は女の子を背中にかばいながらぎろりと北里さんを睨む。
「こんなとこに連れ出して、俺と`|紗枝《さえ》`をどうするつもりだ」
その迫力に、私は思わずすくみ上がる。
でも、北里さんはおびえる様子もなく、にこにこと二人を見る。
「やだなぁ、そんなに睨まないでよ。私は北里陽火李。ここのオーナーよ」
「えっと、じゃあここはお店?」
男の子に紗枝と呼ばれていた女の子が言う。
そして北里さんの後ろにいた私に目を向けた。
「あなたは……?」
うぐっ。だよね、そうくるよね。
でも私は人見知りだから、すぐには答えられなかった。
それを男の子が不審に思ったみたい。
「ここはもしかしたら表向きが店なだけの監禁施設か? だとしたら、オーナーのあんたが後ろのこいつを――」
「ちょちょちょっ、`|覚《かく》`! 絶対違うって、落ち着いて!」
北里さんにつかみかかろうとした覚と呼ばれた男の子を、女の子がすぐさま止める。
「ごめんなさい! あの、覚は早とちりが多くてっ。こういうことがよくあるんです!」
ぺこりと、女の子がお辞儀する。
北里さんは特に気にしている感じもなく、
「いいよいいよ! 私、怪しいもんね! じゃ、私は忙しいから、結。あとはよろしく~」
といい、事務室に戻っていった。
わかってるんだ、自分が怪しいって。
そう思いつつ、場の静寂さに怖くなる。
……私、こういう雰囲気本当に嫌いなんだよ……!
気まずいし、何にも言えない自分が嫌になる。
と、思っていたら、女の子が口を開いた。
「えっと、まず、自己紹介……かな。私は|紫月《しづき》|紗枝《さえ》。そしてこっちは双子の兄の|紫月《しづき》|覚《かく》」
「……ども」
女の子と男の子――ええと、紗枝ちゃんと覚くんがぺこりと私に向かって礼をしてくれる。
私はあわてて続いて礼をする。
「わ、私は紅華結です。よろ、しくお願いします」
カタコトになっちゃったけど、うまく言えたかな?
心配だったけど、紗枝ちゃんがわあっと声を上げた。
「素敵な名前! じゃあ、結ちゃんって呼んでいいかな?」
にっこりと笑ってくれた。
その笑顔に私はすごくうれしくなる。
「うん……! ありがとう」
私が笑顔になったところで、覚くんが一枚の紙を出した。
「あのよ。俺たち、ここに来る直前にこんな紙を拾ったんだけど、なんか知ってるか?」
私は差し出された紙を確認する。
<はじめまして双子ちゃんたち😊>
<天の声(✰主✰)です>
<突然ですが義務教育中のあなたたちを働かせます>
<職場体験ですよ文句は聞きません>
<じゃあがんばってね!!>
と書かれてある。
「こういうの、私も持ってるよ!」
ポケットに入れてある紙を私も取り出す。
二人はそれを確認して顔を見合わせた。
「送り主、絶対同じだよね……!」
「じゃあ黒幕はこっちか!?」
「わかんないけど……今は何もできない、かな……」
私たちは何か不穏なものを感じながら、近くの椅子に座った。