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名作から学ぶ! 会話の書き方

森博嗣『有限と微小のパン』(講談社文庫 p284~294) https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784062732949 からの抜粋です。 ところどころ空行追加と、人名にルビを振りました。 未読の方はネタバレ注意! 一つの名作が消えます。
森博嗣の手掛けるS&Mシリーズ最終巻である本作は、800ページ以上にも及ぶ分厚い本です。 某任天堂的な大企業ナノクラフトの社長である塙理生哉を引き合いに出して、二人が会話を繰り広げています。 「俺たちとは人種が違う。超天才だ」と呟いた藤原が、パークのとある秘密を述べ伝えながら、一途っぽそうな天才の裏面を論理的に話しています。 登場人物が男女の二名ですが、どうしてか会話の中から一名が浮かび上がる構図です。すごいですねこれ。どういうことなんでしょう? 藤原が仕掛けた高度な知略戦が垣間見えます。 会話が終わり、その後のエレベーターの短文の心情描写も、彼女の心の揺さぶり具合を短く描いています。 「冬の朝を、彼女は感じた。まだ、鼓動が速い。」 締めがこれで、流石だと思いました。 これで伝わると作者は確信している。そういった書き方です。
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