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You Must Not Want to Take the Next step!
AIの英語力を信じる
2025/12/13 You Must Not Want to Take the Next step!
あいつに告白されちゃったーきゃーどうしよー。そういう馬鹿っぽい話が左耳から入ってきて、右耳に流れていって、つっかえることなく出ていく。私は馬鹿っぽい反応をする周りの女子たちに合わせて馬鹿っぽく甲高い声を出す。でも正直、なんの話をしてるのかは良くわかんない。だってもう頭から出ていってんだもん。
ただの雑談やくだらない相談で私の意見が必要とされることはないから、適当に共感しておけばなんとかなる。そう気づいてから世渡りが上手くなったように思う。友達作りに苦労していた1年前の自分は今よりずっと他人の話を真面目に聞いていたけど、適当に頷くだけの方が上手く生きれるとか、おかしな話だよなー。なんてことを考えないわけではない。でも、そう考えた次に出てくるのは「真面目とか不真面目とか関係なく、要領が良けりゃ上手く生きられる」なわけだ。結局本質はそこだろ! 本質とか正直なーんにもわかんないけど、あの頃の自分と今の自分を正当化して肯定してハッピーになりたいから、そういう言葉を使う。難しい言葉を使った方が正しいことを言ってる気になれるでしょ。
「多田先輩に告白しよっかなーどーしよーきゃー悩むー。」中学生の脳内は恋愛で埋まってるのか。告白したされた振られた成功したそういう話で溢れている校舎は、なんだか熱気を帯びていて息が苦しい。テキトーに頑張るぞというスタイルで中学ではやっているはずなのに、なかなかテキトーになりきれない。聞いたこともない多田先輩とかいう人が好きらしい女子に、他の女子が群がっていく。で、私もそれに乗るのよ。乗り遅れたらすぐひとりぼっちになっちゃうわけ。「えー告白しちゃいなよーみゆなら絶対成功するって!」根拠もなく絶対とか言って無責任だなと頭のどっかで思いながら私もその意見に同調する。根拠のない絶対に励まされることもあるのだろう。これまた頭のどっかで思う。でも本当は見下してる。だって私にはそういう経験がない。理解はしても受け入れはしない。
「多田先輩に告白したら成功しちゃったーきゃーまだドキドキしてるー!」馬鹿っぽい話が左耳から入ってきて、右耳に流れていって、出ていくはずだった。なぜかつっかえた。私が見下していたみゆと言う女子生徒は、なんだか恋が叶ったらしいぞ、告白という行動を起こしたらしいぞ。みゆに群がっていく女子たち。私もそれに乗るべきだと知っているが、どうしてかできない。中学生の恋愛なんてたいしたことないし、どーせ3週間後には別れてるわ、って言うことを理解してるから私の方が上! まだ他の生徒を見下す理由を探している自分の存在には気づいていたし、無理に排除する必要もないと思っていた。けど、この自分に出会うたびに、心に何かが積もっていく。何が積もっていってんのかわかんなくて、ずっと放置してたけど、ようやくわかったかも。たぶん、自分への嫌悪かな。
タイトル長い!