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授業中の猫
Teru
家だろうが学校だろうが、休み時間だろうが授業中だろうが、ミケは猫らしい人間である。授業内容をノートを写さないどころか鉛筆すら握らず、開かれていない教科書を机に置いて爆睡する姿など、もう見慣れたものだ。
先日、教師のほとんどが授業中爆睡するミケを起こすのを諦めたと話したが、一部例外がいる。そう、例えば、ミケをいくら起こしても無駄だと言うことを知らず、やる気に満ち溢れている教育実習生などは、何度もミケを起こそうとする。
「三毛田君、授業中ですよ、起きてください。三毛田君?」
現在も、やる気に満ち溢れた教育実習生である花畑先生が、ミケを起こそうと奮闘している最中だ。ちなみに、ミケは花畑先生の言葉など少しも聞こえていないようで、机に突っ伏して熟睡している。もはや才能の域だと感じるのは、俺だけではないであろう。
花畑先生が3回ほど同じような言葉をミケに呼びかけたところで、ミケはやっと意識が浮上したようだ。だが、意識は完全に覚醒しておらず、表情はぼんやりしている。
「三毛田君、授業、ちゃんと聞いていましたか? 今、何を教えてたかわかりますか?」
「……三角形の面積の方式?」
その答えに、クラスメイトの何人かが吹き出した。
ミケよ、今は数学ではなく国語の授業中だし、三角形の面積の方式は小学生で習う範囲だ。授業を全く聞いていないのなら、せめて黒板に書かれてる内容を見て答えてほしい。
「……聞いていなかったんですね。……次からは、ちゃんと聞いていてくださいね」
花畑先生に諦めの表情が浮かぶ。花畑先生の授業が面白くないせいでミケが寝たわけではないと、声を大にして言いたい気分である。ミケは、誰の授業だろうがあの態度なのだ。いや、それも問題か……。
だが、決して授業が面白くないからと言う理由で寝たわけではない。ミケはどんな授業だろうが作業だろうがほとんど興味を示さないだけで……。
……あれ、どんなに説明してもフォローになっていないような気がするが、気のせいだろうか。
と、そんなことを悶々と考えている間にも、またミケがこくりこくりと船を漕ぎ始める。
ミケは自身の眠気に耐えきれなかっただけで、決してわざとではないのだろうが、説教されて5分もたたず寝るのは、これからは控えた方がいいであろう。反省していないと思われないためにも、教育実習生に自分の授業が面白くないせいだと落ち込ませないためにも。(いや、反省はしていないかもしれない……)