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願いが叶う_2話
1話読んでない人は1話から読んだ方がいいよ!
願いって何?ってなっちゃうから。
放課後のカフェに漂うコーヒーの香りと、賑やかな笑い声。
その中心で瑠夏は、自分の胸の内に芽生えた熱を必死に抑え込んでいた。
(……この時間が終わってほしくない)
彼女にとって、モデルとしての生活は常に「見られること」への義務感に満ちていた。
しかし今、目の前にいる三人の前では、ただ一人の少女としてここにいられた。
その事実に、彼女の心は強く揺れ動く。
陽奈:「ねえ瑠夏、さっきからぼーっとしてるよ。私の話聞いてる?」
陽奈は身を乗り出し、茶目っ気たっぷりに笑った。
プロゲーマーとしての鋭い観察眼は、瑠夏のわずかな動揺を見逃さない。
彼女にとってこの場は、勝敗のつかない心地よい休息のひとときだった。
瑠夏:「……ごめん、ちょっと考え事をしてただけ。陽奈ちゃんのゲームの話、すごく面白いから聞いてたよ」
瑠夏は精一杯の笑顔を作った。
しかし、その瞳には隠しきれない切実な願いが宿っている。
もっとこの人たちといたい。明日も、明後日も、ずっとこうしていたい。
流唯:「あ、そういえばさ。今度僕の次のライブのコンセプトについて相談に乗ってくれない? 彩にも手伝ってもらいたくて」
流唯はアイドルとしての華やかなオーラを纏いつつ、幼馴染である彩に視線を送った。
彼は常に何かを創り出したいという情熱を持っており、この場での交流が彼にとっての新たなインスピレーションの源泉となっていた。
彩:「……僕でいいなら、もちろん。瑠夏先輩も、もしよければ一緒に考えてくれる?」
彩は少し照れくさそうに視線を落としながら言った。
彼は絵を描くことで世界を表現する少年だ。
彼にとってこの出会いは、キャンバスに新しい色を置いたような衝撃だった。
その瞬間、店内の照明が一段と柔らかい色へと変わり、四人の影が一つに重なった。
瑠夏は確信した。
自分の中にあった「もっと一緒にいたい」という願いは、決して独りよがりなものではないことを。
この場にいる三人もまた、同じように誰かと繋がりたいと願っているのだと。
陽奈:「よし、決まり! 次の休みは全員で集まるってことでいい?」
陽奈が宣言するように手を挙げた。その言葉に、カフェの中にいた四人の顔に一斉に笑みが浮かぶ。
流唯:「最高ですね。僕のスケジュールも調整してみます」
彩:「……うん、予定空けておくよ」
瑠夏:「はい、ぜひ行きたいです」
店を出ると、夜の帳が完全に下りていた。
しかし、彼らの心には昼間の黄金色の光よりも鮮やかな希望が灯っていた。
この出会いは偶然では終わらない。
ここから始まるのは、四人の個性が複雑に絡み合い、高め合う新しい物語の序章だった。
瑠夏は夜空を見上げ、深く息を吸い込んだ。
(……本当に、奇跡みたいなこと)
彼女の願いは叶ったのだ。
この人たちと過ごす時間が、これから永遠に続いていくことを予感しながら。
窓の外では、街の灯りが瞬き始めている。
それは四人の運命が新たなページへと進み始めた合図だった。
次なる約束の日は、もうすぐそこまで来ている。