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5 勇者様って多分ヒャッハー系だ!
えー。その後の流れ言います?
『早く言いなさい』
あ、はい。
その後、私の案内により勇者は奴隷市に乗り込んだ。
一応言っておきますが、彼は今世まだ3歳です。
前世は何歳だったかわからないけど。
今は三歳児の体で三歳児のあどけなさです。
対して奴隷売人は大男です。
三歳児が奴隷売人をボッコボコにしていく様は⋯ね?
コンプラ的にちょっとどうかとは思う。
大丈夫なの?なんか、色々。
そして三歳児の割に目がイってる勇者。
この勇者絶対勇者じゃないって。危ない側の人間だよね?
え?私と一緒じゃんって?ちょっとよしてくださいよ。
こんなやつと一緒とか。
身の振り方考えなきゃいけなくなるじゃん。
で、お目目が怖ーい勇者様はその後、奴隷を一斉に買い取り。
え?買い取るならボコる必要なくない?って?
それ私も思った。でも止めても聞かないんだもん。
絶対ヤバい人間だよ、勇者。
もうずっとヒャッハーだったもん。
怖いよ。奴隷市教えたの軽く後悔してるもん。
まぁボッコボコにした売人から奴隷を全部買い取ったあと。
全員を屋敷に連れ帰って衣食住を整えさせた手際は流石だったけどね。
もう、先程の暴れっぷりが嘘のような紳士ぶりでしたよ。
それはそれで怖いんよ。どうなってんの?情緒。
あ、ちなみにちゃんと捨てられた子もいたよ!
女の子だったんだね。とりあえず勇者に「手を出すな」と脅しときました!
だってあれは私のお気に入りですしね!
壁のお気に入りとかどういうことなんだろうね?
異世界人もびっくりだね。
はてさてそして今。
勇者様に尋問されています。怖い。
「本当に邪神教の奴らを知ってるのか?」
やー。もうどうしましょう。
うっかり話しちゃった。
でもこの邪神教の生み出した魔物を倒したから勇者だったんだもんね。
『あなたの頭のスペックが露見しましたね』
あ!ツンちゃん今日も容赦ない!
ごめんじゃん!ちょっと気が緩んじゃったんだって!
でもまさか敵対してるとは思わないじゃん!
それにほら!あそこには私のお気にちゃんがいるからさぁ!
ほら、謎の儀式された赤ちゃん!
だからあんまり教えたくない!
ということで【壁から壁へ】!
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ぐぬぉぁああ⋯
はいはい逃げてまいりました!
ここはといいますと!
お噂の邪教のアジトでございまーす!
いやー。あ。あの子が⋯なんと⋯!とんでもない美少女になっとる!
三歳でもわかる美しさだ!
えー。この子と敵対するの?勇者⋯。
正直どっちも推し認定してるから辛いなぁ。
いや、悪に立ち向かってこその勇者だもんね。
ん?というかこの世界魔王っているのかな?
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『ていうことで教えてくれへん?テオはん』
「戻ってきたと思ったら⋯また尋問が始まるぞ?バカなのか?」
ひどい。いくら勇者でも言っていいことと悪いことがあると思う。
『あなたには言っていいと思います』
ツンちゃんも相変わらずだね!
あぁ、あたしもうだめ!あたしの心はもう粉々よ!
誰か!接着剤用意してちょうだい!
「じゃあ教えてやるから邪教のこと教えろよ?」
『は?嫌やけど?』
「お前等価交換って知ってるか?」
そんな難しい言葉私が知ってるわけないだろ!
バカにしてるのか!私の頭のスペックの悪さを!
『自虐おつ、です』
とうとう口調まで変わってきたね?ツンちゃん。
ですの後付け感すごかったよ?今。
まぁでも仲が深まってるということでしょう!
「お前が教えないなら俺は教えない」
『えー。ケチー。』
「お前なぁ?」
露骨にため息つかないでもらってもいい?
泣いちゃうよ?いいの?
壁なのに泣いたらどうなるのか、試すときが来たようだなぁ!
「ん?え?なんで砂糖が出てんだ壁さん!」
あー。こうなるんだ?
【糖分過多】が勝手に作動しちゃったみたい。
めっちゃ砂糖だらけにしちゃった。流石に怒られる?
「うぉー!この世界砂糖が高いから助かる!」
いがったべや。
まっだぐ気にしてなさそうだべさ。
にしても床に落ちちゃって汚くない?
あ、ご丁寧に上の方だけ掻っ攫ってくのね。
「これを売れば領地が潤う!」
ごめんそれはちょっと聞きづてならないね?
え?売るの?私が出したそれを?
何にもしてない君が?
『やったら等価交換やであんさん。それを売るんやったら魔王の情報教えてもらわんと』
「あー。そう来たかー。でも確かに奴隷買い取っちゃったからお金がなぁ⋯」
勇者すごくない?
ボコったんだから奪えばいいじゃんって思うのにお金置いてきたもんね?
基準がわからんのよ。悪の。
殴るはよくて奪うはだめな理由って何?
もう謎基準すぎる。
あと、こっから等価交換?に持ち込めた私すごくない?
等価交換って何?
『知らないで話してたんですか?』
知ったかぶりは前世からの得意分野なのだよ!
『どんな人生送ってればそんなのが得意になるんですか?』
え?聞いちゃう?
実は前世の私、容姿だけで言えばめっちゃ頭良さそうだったのね?
『中身はこんななのに?』
ひどいなぁツンちゃん。私もそう思う。
で、なんか知らないんだけど、勝手に頭いいと思われて、知らないこと話されるの!
だからぜーんぶあー知ってる知ってるって感じで話してた!
『己の無知を話さないところに愚かさを感じる』
ツンちゃんは相変わらずの辛辣度!
私がドMなら楽しめたんだけどなぁ。
どっちでもないから楽しめない!ごめんね!
『いや、楽しまれても反応に困ります』
反応に困ってるツンちゃんちょっと見たいかも!
今からドMになろうかな?
『やめろください』
もう敬語じゃなくてよくない?
そこまでいくとさぁ。
「よっし。壁さん。交渉成立だ。魔王の情報を話そう。」
あ!とうとう勇者が考えまとめた!
いやー偉いね勇者!私なんかよりよっぽど色々考えてるんだろうなー!
『あなたはもっと考えたほうがいいのでは?』
はぁう♡今日も辛辣でいぃ♡
『有限実行やめてもらっていいですか?本当に困るので』
ごめんごめん。ところで有言実行って何?
『嘘でしょ?』
これが本当なんだよね!
マジでわからない!
『よく日本人として生きていられましたね?』
ひどくない?
そこまでじゃないと思うんだけど?
ちょっと言葉を知らないだけだよ!
『おそらくちょっとの意味を間違えてますよね?』
そんなことないよ!
さすがにその意味はわかってる!
そこまで頭は終わってないよ!
『もう既に手遅れそうですけどね』
ひどい!あんまりだ!うがー!
「おい、壁さん。砂糖回収終わったから今から話していいか?」
『ええで!はよ話してくれ!』
ようやくお話できそうだー!
いやー。ツンちゃんと話して待ってたら時間があっという間だったなー!
いつもありがとね!ツンちゃん!
『は?急になんですか?きもっ』
こんなことってある?
普通にありがとうって言っただけなんだけど?
ひどくない?
えーんえーん
「うぉっ!また砂糖!?」
あ、やっちゃった。
もれなくその砂糖も勇者に回収されるのだった。
全然等価交換じゃない!で、結局等価交換って何!?