リレー開始者:stella
#有りそうで無い #居そうで居ない #本物っぽい偽物 #日本神話 #神様 #神
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話数 2 / 30
居そうで居ない神様の、有りそうで無い神話。
合言葉は、本物っぽい偽物
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タイトル
「最高神の補佐は、仕事が多くて今日も叫んでいる。」
これは、正史に残されなかった、居そうで居ない神々の物語ーーーーー
◇ ◇ ◇
日の本の国の守護神、天照大御神。
彼女の仕事は、他と比べられない程に多い。
しかし、その全てを彼女がこなしているわけでは無かった。
* * *
「主様っ」
今日も、正殿には一人の声が響く。
「なんですか」
それに答える、凛とした女性の声。
「いや、流石にこの仕事量をこなせ、っつーのは無理がありますっ」
抗議の声を上げる男性の腕には、山積みの書類が抱えられていた。
「このぐらいの量ではまだまだだ、私を舐めているのか、ですね。お望み通り、追加して差し上げましょう」
さらりと流すのは、この国の最高神と謳われる女神、天照大御神。
そんな最高神に対して抗議しているのは、彼女の補佐として働く男神。
創られて間もない補佐役の神に対し、天照大御神はとんでもない名前をつけたのだ。
その名も、
”|わたし《天照大御神》の補佐”
である。
流石に不憫に思った|伊弉冉尊《イザナミの神》から、立派な名前を与えられているものの、あまりといえばあまりな名前である。
ちなみに、天照大御神様はこの名前で呼び続けている。
周りから見たら面白いが、当人はどうも不満らしい。
この間も、
『その名前で呼ばないで下さいっ』
と、この国の頂点に立つ女神に堂々抗議していた。
肝が太く、度胸があると周りの皆は思ったものだ。
しかし、残念ながらその願いは叶わなかったようで。
結局今も、”|わたし《天照大御神》の補佐”と呼ばれている。
最高神たる女神は、案外自由で、面白いことが好きなのだ。
この前なんて、正殿の近くで畑を作り、畑仕事をしていた。
ちなみに、畑仕事をしている間にやるべき事務仕事は、全て補佐に押しつk・・・任せていた。
その際も反対していたが、結局押し切られたようだ。
下手に抗議しようものならば、散々煽られ、遊ばれた挙句、どっちにせよ負けると言う結果になる。
そのことが皆わかっているから、もはや諦めた。
諦めずに抗議し続ける彼は凄いと思う。
「なーのーでーっ」
一際大きい声が、正殿に響く。
「いい加減にしてくださいっ!
それに、仕事量をさらっと増やすなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
今日も、高天原の正殿には彼の絶叫が轟いた。
* * *
パタン。
春子は、今まで読んでいた小説を閉じた。
そして息を吸う。
「いや、こんな話ってないだろ。普通は」
読んでいたのは、
『有りそうで無い 〜日本神話編・残されなかった神の話〜』
と言う小説の第一話。
ちなみに、まだ第一話までしか出ておらず、続きは読み手で補完していくタイプ。
後ろのページには、空白が沢山ある。
一つ息を吐くと、机の上に手を伸ばした。
シャーペンを取り、想像を膨らませる。
「有りそうで無い、ねぇ」
今から書き足していく話に思いを馳せて、春子は第二話を書き出した。
こんな感じのゆるい話とかでも良いし、本物の日本神話風のお話でも良いよ。
形式はなんでもおっけー。
ただ、本文の最後か、後書きに、次のお話に繋げられるようなシーンを入れてね。
合言葉は、「本物っぽい偽物」だから、自由に書こう!
2
タイトル **「農業の神様は今日も人間と農作業」**
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これは奈良時代から一部の人々が密かに語り継がれた一人の神様のお話。
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私は旅人だ。日本中を歩いて旅している。
これは俺が今まで旅してきた中で一番信じられなかった話をする。
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ちょうど俺がこの村に到着して、村長を探しているときだ。
「お〜い神様〜」
村の子だろう男児が元気よく駆けてくる。すると、後ろから低いが、どこか品のある声が聞こえた。
「どうしたのだ」
振り向いてみると、神様と呼ばれたその男は高身長で都の遊女よりも白い肌をしていた。白く輝く長い髪を一つにまとめ、麻で出来た着物の袖を紐でくくっている。下半身も本来の着物より短く、素足で草鞋を履いていた。
俺が知っている神様とはほど遠い姿に目を疑った。
「ん?そなた、なにか困りごとでもあるのか?」
俺に気づいた神様は微笑みながら尋ねてくる。いつものように傘の先をつまみ、顔を隠す。
「ちょっくら村長さんにご挨拶をしたくてな。探しているのだ。」
「そなたは何者だ」
言い終わった次の瞬間、前から警戒しているだろう声色が飛んでくる。
これ以上警戒させるのはあまりよろしくないと判断した俺は傘を上げて言った。
「ただの旅人さ。薬草の知識が多少あるからそれを売ってる。」
「そうか、では案内させよう」
そう言うと神様はすぐ後ろに隠れている男児に目を向けて
「あの方を村長のところへ案内しておやり。」
「っ、うん!兄ちゃんこっち!」
「おう、頼んだ」
俺は前を歩く男児について行きながら神様に礼を言う。
「あんがとな」
「ああ」
神様はそう返事をすると歩き出した。多少神様が離れたところで俺は男児に神様について訪ねてみる。
「なああのk」
「何!?」
ぐわんと思いっきり振り向いてくる勢いで思わず途中で黙ってしまった。俺も年を取ったなと実感する
「お前がさっき神様って言ってたあの人は何の神様なんだ?」
「神様はねっ!神様なんだよ!」
「いやそれはわかってる」
「え?」
「だから”何の”神様か聞いてるんだ!」
「知らない!」
「知らねえのかよ…」
俺は額を押さえる。まさかの神様だとしか知らなかった。まあ子どもなら妥当か、と半ば諦める。
「何で知りたいの?」
「俺は神様を見たことがないから。あと俺の知ってる神様の格好じゃねえ」
「神様はね〜おとうとかおかあとか村のみんなと一緒によく畑とか田にいるよ!」
「農業してんのかよ!?」
「ノウギョウ…?」
「ああ…畑とか田で働くことだ」
「そうなんだ!よくやってるよ!」
「マジかよ…」
信じ…られなくもない。さっき見た感じ、服も少し土汚れみたいな汚れもあった。
外界にいる理由はわからんが…さっき話した感じ追放されたわけでもなさそうだ。
そんなことを考えながら歩いていると男児がこちらを見てこう尋ねてきた。
「兄ちゃんどうしたの?難しい顔して」
「んあ?なんでもねえよ」
「そっか!」
どこまでも明るい男児を見て微笑ましくなる。
「着いたよ!村長〜!お客さ〜ん!!」
そんなこんなで村長の家に着いた。バタバタと足音が響く。
「お客!?本当か!?ハッすまん…お客人にこんなところを見せちまって…」
村長らしき人物はおじいさんと言っても過言ではないだろう見目に、麻の着物を着ていて優しい顔をしていた。
「どうも、少しの間この村にお邪魔していても?」
「構わねえ構わねえ!好きなだけ居てくれ!」
優しい顔つきとは裏腹に豪快に話す村長。俺は神様が気になって仕方なく、村長に尋ねる。
「道中で神様と呼ばれていた男性に出会ったのですが、神様とは何の…?」
__こうさくのかみ__
「ああ、神様は農業の神様だ。本来の名前は確か…耕作之神だったか」
__こうさくのかみ__
「耕作之神…」
俺は聞いた名前を口の中で転がす。ちらりと田畑が広がる平地を見てみると、耕作之神が民と共に農作業に勤しんでいる。
「神様は優しくてな、馬鹿な俺らにもわかりやすいように育て方を丁寧に教えてくれんだ」
「そう…なんですね…」
「おれ手伝ってくる!!」
「おう!」
さっきまで静かにしていたと思っていた男児が突然走り出す。流石の男児、じっとしていることは性に合わないようだ。
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春子はシャープペンシルを置き、一息つく。自身が書いた物語を1ページ1ページしっかりと読んで違和感がないか探す。
「よし、できた。終わり」
そう言って本を優しく閉じた。